#19 防音工事完了!
先週の月曜日に防音工事が終わって、火曜日に私も立ち会って防音性能のテストをして、特に問題なかったのでサインをして、9/26に防音工事が完了しました。
防音室の性能テストは写真のスピーカーからパワーが周波数に反比例するピンクノイズを出して防音室の外で防音室から漏れてくる音のレベルを測定します。
音のレベル(dB)と体感の関係は、録音スタジオなどのシーンとした部屋の暗騒音が20dB、静かな住宅街の暗騒音が35dB、車や人通りのある街中の暗騒音が55dB、大音量で音楽を流しているお店の中が80dBくらいの感じです。
今回作った防音室は街中にあって防音室の外の暗騒音は日中は常時55dBあるのですが、防音室の中の空調を止めたときの暗騒音は30dBを切るくらいの静かさでしたので、外からの音は十分遮音できています。
スピーカーから出るピンクノイズのレベルを徐々にあげていくと、80dBくらいまでは普通に聴いていられるのですが、90dBを超えてくると一気に爆音になってきて、100dBになると部屋の中にいるのがつらいくらいの爆音になります。
その状態で窓の外と玄関の外の暗騒音を測りましたが、どちらも元々の暗騒音の方が防音室から漏れてくる音より大きいので「測定不能」という結果になりました。
つまり、窓の外と玄関の外ではスタジオの100dBの音が55dB以下に減衰されているということで、実際にはD-55くらいの防音性能が出ていると思われます。
防音室の性能は窓やドアなど開口部のないところで規定するのですが、今回のマンションの一室のような物件だと、開口部のない面はマンションの躯体を挟んで隣の部屋になってしまい、防音室の性能を規定通りに直接測定することが出来ません。
そこで、開口部のあるところの防音性能から開口部のないところの防音性能を間接的に判断することになりますが、開口部のあるところでも十分な防音性能があったので、開口部のないところは規定通りD-65の防音性能が出ていると判断できます。
隣室に音が届くまでには、さらにコンクリートの躯体を挟むので、私のスタジオで100dBを出しても隣室には35dBよりも減衰して届くことになり、スタジオの音はほぼ聞こえないと考えられます。実際に、DSPさんが工事中に左隣のお部屋に入れていただいてスタジオの音を聞いたところ何も聞こえなかったそうなので、右隣も上下の部屋も大丈夫だと思います。
ただし、街中とはいえ夜間は車も人も往来が無くなって暗騒音35dBくらいの静かな街になるので、自主規制として100dBで音を出して良いのは午前9時〜午後10時の間にしようと思います。
防音工事完了時点では、まだ楽器や家具などモノが何も入っていないので音を吸うモノが天井の吸音パネルしかない状態で、反響の強い部屋の印象でしたが、DSPの社長さん曰く、最初から吸音し過ぎると部屋の響きを上手く調整出来ないとのことで、これからモノを入れていきながら、自分にとって気持ちの良い響きのする部屋に調整していくことになります。