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密室トーク Vol.7

地理人(今和泉)からは、コミュニティハブの一環で、毎月密室トークイベントをお届けしています。
題して「好きで始めたこと、仕事にする?」

・話し手(聞き手)
ヤスノリ(散歩のWebマガジン「サンポー」主宰)
松澤茂信(合同会社別視点代表)
今和泉隆行(空想地図作家「地理人」)

・日時
2月2日(金)19:30〜21:30

散歩のWebマガジン「サンポー」https://sanpoo.jp/ を主宰されているヤスノリさんに、生涯のお話をお伺いしました。話してネタになることは何もない…と仰っていましたが、結果的には幼少期の話からもりもりで、長丁場の密室トークとなりました。ここではその一部をかいつまんでレポートします。

10代の頃は割と普通で、高校の行き帰りに一人で降りたことのない駅で降りて散歩するくらいで、特にマニア要素はなく、友達同士で流行っていたゲーム(ファミコン、スーパーファミコン)をしていた、と話していました。しかしひとしきり話が進んだ後に、そうとは言い切れない個性ある話が徐々に掘り出されます。子供の頃から家にパソコンがあったことで、プログラミングやゲーム創作、曲作りをしていた、ということがあとで分かります。高校では書道部に一人で入っていた友人からの勧誘で入るものの、数人の友達はそれぞれの得意分野を進めるというカオスな部活だったようですが、文化祭では自作のゲームを出しますが、パソコン部に入らずに書道部でやっていた、というのがミソです。

純粋な理論は突き詰めるマニア性が求められるがその性分がなく、どちらかというとあるものを活かす方に興味があったと話すヤスノリさんは、大学では応用物理を選考しますが、今になってみると応用物理も応用物理でマニアックさがあって難しいと振り返ります。仙台でみちのくよさこい祭の実行委員となり、観客動員数数十万人の大きなイベントに成長していく過程を共にしますが、東北6県のお祭りを見に行ったり、自作の曲を提供したり、連を作って踊り手になる等、よさこいは大学時代の中心的な活動になっていきました。その他、大学時代はインターネット黎明期で、テキストサイトのブーム勃興に乗り、認知されるサイトを作り、あわせてみちのくよさこい祭りのWebサイトも製作します。

卒業後、ライターの仕事をするか迷いつつも、結果的にはプログラマーとして就職します。その後、サーバー運営、不動産ベンチャーを経て、現在は独立してクライアントワークでWebサイトを企画を行う他、ネットショップ向けの便利ツールも開発しています。総じてネットサービスができた後の成長を後押しする仕組みを作っていくのが好きだと話します。

さまざまな仕事をする中で、利益は考えずに自分本位に振り切ったのが「サンポー」。散歩始めたら見方が無限だなと思ったので、おもしろいかどうかは二の次にして、散歩の視点を集めようとしたサイトです。自身だけでなくさまざまな方に応募があり、複数のライターが書くに至ります。散歩の可能性を考えているときに、散歩で優劣つけたくはないが、勝負決まったほうがおもしろいなと思い、街を回ってお題に沿ったものを見つけてきてを競うルールのカードゲーム「散歩王」を制作。マニアフェスタ出展の誘いがあったこともあり、カードゲームをパッケージ化したとのことです。その後、サイト全体のクオリティを上げるべく、現在は編集部員を入れた体制にしています。

「やりたいことは、お金にならない。」それと同時に「おもしろいことも、それだけでは金にならない。」と話すヤスノリさん。おもしろいこととお金になることの、重なる部分は見い出せないが、落とし所を見つけつつそれぞれやりきる、というのが現状のようです。お金になる部分と、ならない部分と、思いっきり分ける…というスタイルで、これは9月の石井さんのスタイルと通じるところがあります。「好きなことを仕事にする」だけでなく、「仕事をしているからこそ、好きなことができる」ことも、好きなことを極める一例でだと言えるでしょう。

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