リード文100本ノック#6―Newsweek
リード文をすらすら書けたらいいなあという思いで、リード文をタイピング写経してみる週1企画。先週はお出掛け休みで、第6回はNewsweekさん。とくにリード文なるものは多くなかったので印象に残った記事をピックアップして冒頭をタイピング模写しました。企画趣旨と沿わないけど、ただただ、内容が興味深い。時代を感じる記事たち。今日は3本なので計31本。
27年間凍結されていた受精卵から女の子が生まれる――母娘は「同世代」……
松岡由希子
<1992年に凍結され、非営利団体「国立受精卵提供センター(NEDC)」で保存されていた凍結胚から女の子が生まれた。出生にいたった凍結胚としては最長記録となる……>
米テネシー州東部で、2020年10月26日、27年間保存されていた凍結胚から女の子が生まれた。出生にいたった凍結胚としては最長記録となる。
モリーと名付けられたこの赤ちゃんが生まれた受精卵は、1992年10月14日に凍結され、2020年2月10日までテネシー州ノックスビルの非営利団体「国立受精卵提供センター(NEDC)」で保存されていた。
テネシー州東部在住のギブソン夫妻がこの凍結胚と養子縁組をした後、2月12日、妻ティナさんの子宮に凍結胚を移植。ティナさんは11日後に妊娠し、10月26日、身長19インチ、体重6ポンド13オンスのモリーちゃんを出産した。ティナさんは現在29歳で、モリーちゃんが胚として凍結されるわずか18ヶ月前に生まれた。いわば、ティナさんとモリーちゃんは「同世代」の母娘だ。
(起きた事象+取り上げる理由+経緯の説明)
強制収容所に入れられた日系アメリカ人の苦難をゲームで学ぶ
フィリップ・マルティネス
<プレイヤーはアメリカ人として戦争に協力するか、不当な扱いに抗議するかといった選択を迫られる>
「ミッションUS」シリーズは、PBS(公共テレビ放送網)が提供する無料のインタラクティブ歴史教材。黒人奴隷やアメリカ先住民、ユダヤ人移民など、アメリカ史における難しい問題を、ロールプレイングゲームの形で10代の子供たちに「体験学習」してもらう試みだ。
この9月公開のシリーズ最新作『プリズナー・員・枚・ホームランド』は、16歳のヘンリー・タナカの目を通して、第2次大戦中の日系アメリカ人の苦難を紹介する。
真珠湾攻撃によって太平洋戦争が始まると、多くの日系アメリカ人はそれまで住んでいた家から立ち退きを命じられ、強制収容所での生活を強いられた。ワシントン州のベインブリッジ島に暮らしていたタナカの家族も、カリフォルニア州に造られたマンザナー収容所に送られた。
プレイヤーはタナカとなって、その過程を経験すると同時に日系人コミュニティーを助けるか、家族の生き残りに全力を注ぐか、アメリカ人として戦争に協力するか、不当な扱いに抗議するかといった選択を迫られる。
(ユーザーの直面する葛藤を紹介+商品の概要紹介+最新作の内容とその背景+ユーザーの体験するおもしろさの紹介)
【BTSが変えた世界】グラミー賞ノミネートのBTSとその音楽がこんなにも愛される理由
竹田ダニエル(音楽エージェント、ライター)
<数々のKポップアイドルが全米本格進出を成し遂げられなかったなかで、なぜBTSはブレイクしたのか? BTSが新アルバム『BE』で描いたものとは? 本誌「BTSが変えた世界」特集より>
2020年、世界が新型コロナウイルスに襲われ、音楽業界は自粛に沈むなか、急成長を遂げたアーティストがBTSだ。
彼らは韓国にいながら『トゥナイト・ショー』や『MTVビデオ・ニュージック・アワーズ』など世界的なテレビ番組や授賞式に出演し、国連の会議でスピーチをし、6月に開催された生配信ライブでは100カ国以上の75万6000人を超える視聴者を動員し、ギネス記録を更新した。
音楽業界全体では、今も配信ライブや授賞式はコロナの状況を踏まえ、無観客である上に演出が地味目なことが多い。世界ツアーをキャンセルせざるを得なかったBTSは、そのピンチをチャンスに変えた。
比較的早くからコロナの抑え込みに成功していた韓国で新曲のMVを撮影したり、オリジナルコンテンツを収録したり、派手で手の込んだ演出によるパフォーマンス映像をアメリカの番組に提供したり――この「音楽を届ける作業」のクオリティの高さを落とさずにファンの期待に応え続けるプロフェッショナリズムこそが、BTSをコロナ禍のアメリカで目立たせるきっかけの1つになった。そしてその映像がSNSで拡散されたことで、さらに爆発的な注目を集めた。
8月にリリースされた新曲「Dynamaite」でも米ビルボードシングルチャートの1位を取るなど、その他多数の記録を残している。アイドルでありアーティストである彼らは間違いなく、世界がいま必要としている唯一無二の存在だ。
彼らがなぜ特別であるかを説明するには、「人気」「売れている」というよりも、「愛されている」という言葉を使うほうが適切だろう。スマートフォンで音楽に無限にアクセスできる大量消費時代にBTSが輝ける鍵は、彼らが決して単純な消費で終わらず、代替不可能な存在として「持続的な信頼」を得ていることにある。
洋楽を模倣した浅いラブソングではなく、音楽的なジャンルを超越しながら自分を愛することの大切さ(「LOVE YOURSELF」シリーズ)や生きる上での哲学的な悩み(「MAP OF THE SOUL」シリーズ)など、その時々で伝えたいメッセージを突き付ける。
さまざまな解釈が生まれる「人間的な深み」のある歌詞を、時に社会問題を、時に文学を元にした世界観を乗せて歌う。
タブー視されがちなメンタルヘルスについても言及し、2018年の国連総会でのスピーチに代表されるように「学び続けること」「声を上げ続けること」の大切さを常に説いている。知れば知るほど深まるその知的な魅力。彼らはARMY(BTSファン)と共に自己の探究を行い、お互いを支え合うことで生活に希望や安心感を与える存在なのだ。
(紹介する人物の具体的な活躍事例+社会の情勢と登場人物のすごさ+登場人物の魅力)
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