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【算数】『四科のまとめ』以上、東京出版『単問チェックで中学入試基礎固め』3部作

『中学への算数』の東京出版が出している『単問チェックで中学入試基礎固め』3部作。『中学への算数』のレベルアップ演習が毎月「数」「図形」「文章題」で構成されていて、それと同じ分け方なのがフックとなり購入。中身を見てみると非常に良い構成の問題集であった。

実際の入試問題の「単問」から収録

多くの学校で計算問題と1問1答式の小問が出題される。学校によってはこの小問集合を完答すれば合格点に達するなんてこともザラ。基礎基本を徹底するという意味と、入試で結果を出すという意味で「単問」の攻略は極めて重要。実際の入試問題を題材とし、単元・解法を網羅する構成となっていて、とても良い教材。

1ページの左側に問題、右側に解説

問題集として、問題を解く上ではすぐ隣りに解答があるのは構造としてあまり良くない。けれど、参考書として考えた場合、問題と解法を瞬時に照らし合わせることができ非常に便利。この点をして『四科のまとめ』以上と評価した。

1冊約200題が掲載されていて3冊で約600題という意味で、『四科のまとめ』よりも掲載問題数が多く網羅性が高いということもあるが。『四科のまとめ』の場合、問題と解答は別冊子になっており、単元名こそ明確なものの、この問題はこの解法パターンね、という風に瞬時に判断するのは、ベテラン塾講師でもない限り、かなり苦しい。

『単問チェック』の場合は板書っぽい図を含めた解説と、解説の下にある少単元名やマスコットの豚ちゃんによるワンポイント解説から辞書を引くように利用できる。東京出版編集部もこうして解法別に体系的に分類しているのだと勉強になった。

例えば、『中学への算数』のレベルアップ演習で解けない問題があった。解説を見て、同じ解法の問題を『単問チェック』から探し解いてみるという復習が容易にできる。『四科のまとめ』の問題文だけで同じ解法の問題を抽出するのは難しい、解説から探し出すのも面倒くさい。

入試会場に持ち込むのはこの3冊

受験勉強の最終盤、何で学習するかというのは難しかったりする。特に試験直前の場合は難しすぎて分からないまま入試会場へ、なんてことは困るので基礎基本の解法チェックが望ましい。今までは『四科のまとめ』『中学受験新演習コンプリーション』を推奨してきたけれど。解法を問題集に書き込んでいない場合、解答解説も持ち込む必要性がある。

『単問チェック』を参考書・解法集のベース・母艦に据えて学習をしてきたときに、参照した都度チェックを入れるという具合にしておくと、チェックが多くついている問題を試験直前に解いたり読んだりする。暗記科目の暗記チェックのようなスタンスで取り組めるのが良い。

取り組む時期

ラ・サール(四谷偏差値61)、早稲田佐賀首都圏(四谷58)、愛光東京(四谷58)くらいを目指す場合は、小5の終わりくらいまでにこれら3冊の解法をひと通りマスターし、『中学への算数』4月号から取り組むという流れ。レベルアップ演習を解く際の参考書として。

早稲田佐賀本校、青雲併願(四谷50ちょい)くらいを目指す場合は小6の1学期中のオプション教材・補強教材として、もしくは小6夏に総復習教材として取り組み、秋から過去問演習のお供として。

この問題はどの単元のどの解法だっけ?という視点で入試問題と対峙できるようになれば、それはもう塾講師の観点で冷静に俯瞰できている証拠。入試で算数が得点源になること間違いなし。