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心休まる時

 ここは聖域。無限とも言える長い歳月を見守ってきた苔生した樹の生えている。この樹にしてみたら今この瞬間は時間は止まっているようなものだから、この場所も時が止まったかのように深い静寂に満ちている。
 この樹に寄りかかり彼方を見つめ続ける少女。ああ、なんて穏やかな気持なのだろう。決して他者の攻撃性に晒されることのない安心できる場所。ゆっくり休んで次の世界へ行こう。さらなる安寧の地を求めて。

 この絵をはじめ今回の個展の作品にはハエやアブが登場します。一見するとハチに見えるでしょ?でも彼らは双翅目、翅が2枚なのはハエやアブの特徴です。どうやらハチみたいな見た目なのはハチに擬態して天敵である動物に襲われないようにしてるからのようです。
 さてなぜハエやアブなのか。それは今回の展示の絵に通底しているテーマが“送粉者”だからです。花に食事や出会いを求めて来た虫は花粉を体につけて、雌しべへと運ぶのです。この行動によって花は受粉し新たな生命の誕生を促します。そんな媒介者の役割を自身の作品のテーマであるこの世界と別の世界を繋ぐ媒介者である少女と重ねているのです。

心休まる時 (湛_a_苔生した聖域)
サイズ:3P(273*190mm)
技法:パネルに油彩
価格:115,500円(税込み)

この作品は下記の展示にてご覧いただけます。

個展「静隠の大祝 〜眠る森の聖域にて〜」
2024.4.10(水)ー4.27(土)
11:00~19:00 
日・月休廊 
Gallery MUMON 
〒104-0061東京都中央区銀座4-13-3(入口は歌舞伎座側)
https://mumon.artcafe.co.jp/exhibition/upcomig/

絵の販売方法などの詳細は画廊ホームページよりご確認ください。

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