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願いの祠

祈りを捧げる対象
蒐集される対象
”もの”に対する信奉と物を愛でる欲望
聖なるものと俗なるものの近さ

 禁止は欲望を生み出し促す。欲求や要求が成立しない場所に迂回路として欲望が生成される。聖なるものは聖なるものである限りこの迂回路を人の心の中に生み出し続ける。この迂回路の先にこそ聖域がある。貴賤の区別も渾然一体となって幸福な環境が生み出されつづける。

 道の辻に祀られる道祖神を参考にしてある種オブジェとしての少女像を描いてきました。信仰の対象であるということはその対象には意志は認められません。反対に人の意志を受け止めるために意志を持つことを否定されます。石なのに。さて、この石の神様が意志を持ったらどうなるのでしょう。万能の力を持った存在に意思があるというのは非常に怖いことです。人の意志とは関係なく襲いかかる天災のようなものです。その兆しを感じるからこそお供え物をして大人しくして頂いている面もあると思うのです。

 コレクションも同じ性質を持ちます。コレクションはあくまで集めるものでありそれ以上の機能は求められません。大人しくキャビネットに収まっていればそれでいいのです。

 こういった共通点を少女像にも適応し描きました。神様であり、コレクションされるただの物でもある存在です。例えるならお人形さんのような存在です。見る人の欲望や願いを受け止めてくる安心できる対象(オブジェ)です。

願いの祠 (岐_a_少女蒐集)
サイズ:8P(455*333mm)
技法:パネルに油彩
価格:264,000円(税込み)

この作品は下記の展示にてご覧いただけます。

個展「静隠の大祝 〜眠る森の聖域にて〜」
2024.4.10(水)ー4.27(土)
11:00~19:00 
日・月休廊 
Gallery MUMON 
〒104-0061東京都中央区銀座4-13-3(入口は歌舞伎座側)
https://mumon.artcafe.co.jp/exhibition/upcomig/
絵の販売方法などの詳細は画廊ホームページよりご確認ください。

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