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護られた宝箱

 長い年月をかけて大地の中で生成された宝石のように、この箱には一粒の奇跡が納められている。宝物を蒐集する。少女コレクション。宝石箱に宝石を大事にしまうように少女を大切に箱の中に入れておきましょう。永遠にこの姿を保存するため厳重に。誰にも盗られないようにこっそりと。

 この箱に入れておけばすべてが永遠に姿を変えずに保存されます。一瞬で散ってしまう花々も、ある一瞬だけ輝く少女性も。絵そのものもそういった願望の現れのひとつの形でしょう。だからこそここに描く存在はなによりも素敵に仕上げなければなりません。それほどの技術や表現力が自分にあるのだろうか?正直分かりません。でも目指しています。どんなものよりも惹かれる対象を描くことを。

 またこの永遠不変の少女は道祖神という石の神様をモチーフにもしています。多少角が取れて容姿がぼやけてしまって入るけれどはるか昔から残り続けその集落の人々を見守り続けてきた神様です。集落の境界や道の辻に安置されるのは人間と人間以外の世界の境界に立ち悪いものが侵入するのを防ぐ意味もあるそうです。そんな境界の神様は人と神との媒介者でもあったのです。この絵に描かれた虫は送粉者でありオスとメスを結ぶ仲介者。金魚は宙空を舞う地上と水中の仲介者です。
 ここに納められた少女は永遠の時を刻み、過去と現在と未来を結ぶ媒介者です。

護られた宝箱 (岐_a_少女蒐集)
サイズ:4S(333*333mm)
技法:パネルに油彩
価格:198,000円(税込み)

この作品は下記の展示にてご覧いただけます。

個展「静隠の大祝 〜眠る森の聖域にて〜」
2024.4.10(水)ー4.27(土)
11:00~19:00 
日・月休廊 
Gallery MUMON 
〒104-0061東京都中央区銀座4-13-3(入口は歌舞伎座側)
https://mumon.artcafe.co.jp/exhibition/upcomig/
絵の販売方法などの詳細は画廊ホームページよりご確認ください。


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