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幸せに近い場所

 ここは聖域。森の奥深くで苔生した樹はどれだけの時をみつめてきたのだろう。それはもはや時の流れを忘れてしまうほど長い長い時間。まるで時が止まったような静かな空間がここにはある。
 苔生した樹はここではない何処か幸せに満ちた世界に繋がっている。この樹を伝っその国の空気が流れてくる。この世界と別の世界の交じるこの場では存在間にある壁は意味をなさない。他者に感じる恐れのない場所。少女そんな出会を媒介する巫女。


 今年の目標は緑を描く1番になる事です。絵を描き発表するにあたって自分にも何かしらの個性がほしいと思ったのがきっかけで、誰の追従も許さないくらい緑を上手に描けるようになろうと決意しました。
 もともと緑は描いていますし、描くのはとても大変なんですけど、作業的なものであって難しくて描けないという事は殆ど無いです。このようにすでにある技術の面でも1番を目指せるのではないかと思っています。
 そして何よりも今回の作品のように苔生した青色の濃い緑に囲まれた場所は心が休まります。取材した地は我が故郷の長野。八ヶ岳の森です。以前にも書きましたが、標高が高く紫外線も強いことから光の具合が綺麗なんです。すごく落ち着く空気です。静かです。
 僕の住む東京は嫌なことばかりで、うるさくて、殺気に満ちています。こんな地獄のような場所から逃げ出したいと常日頃考えています。そんな心境だから自然と絵にはここではないどこか静穏な楽園のようなイメージを求めているのです。

幸せに近い場所 (湛_a_安寧の地へと繋がる樹)
サイズ:6P(410*273mm)
技法:パネルに油彩
価格:198,000円(税込み)


この作品は下記の展示にてご覧いただけます。

個展「静隠の大祝 〜眠る森の聖域にて〜」
2024.4.10(水)ー4.27(土)
11:00~19:00 
日・月休廊 
Gallery MUMON 
〒104-0061東京都中央区銀座4-13-3(入口は歌舞伎座側)
https://mumon.artcafe.co.jp/exhibition/upcomig/

絵の販売方法などの詳細は画廊ホームページよりご確認ください。


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