他学部から一年で北海道大学ロースクール既習に合格した方法



プローフィール
・都内中堅私大の文学部。GPAは1.67です。終わってますね。

・勉強開始は大学3年生の1月です。勉強開始時点では、法律に関して何の知識もなかったです。民法の講義で「債務者」というワードが出てきた時に、「民法の世界にはギャンブルで借金を背負う人がこんなにもたくさんいるんだ、、」と思うくらいには知識がありませんでした。憲法の表現の自由はちょっと聞いたことがある。刑法は、殺人罪、窃盗罪が存在するくらいは知っていた気がします。

・入試までの勉強期間はちょうど1年だったので、とりあえずロー入試に通ればいいやという気持ちで勉強をしていました。
・予備校はアガルートです。受講した講座は。総合講義300、重要問題習得講座論証集、(論文答案の書き方は民訴以外ほぼ見てないです)
・受けたロースクールは北海道大学後期のみです。
・TOEIC 890(R400 L490)(当初一橋を志望していたため)


・勉強のすすめ方
 1月→5月 総合講義300を聞きました

1.5倍速でひたすら聞き流しました。1回目で理解できた箇所は2割もないと思います。実際、総合講義を聞き流して得られて知識はほとんどないです。ただ、講義を聞き流すことには一つ重要なメリットがあると思います。それは、「司法試験に必要な知識を少なくとも一度は目にした」という状態になることです。丁寧に復習することが理想ではあると思いますが、そんなことをしていては、いつまで経っても1科目目の民法すら終わらず、試験そのものを挫折するきっかけになりかねません。この状態にすることをひとまずの目標として、北斗の眠い授業を耐え切ることに全力を注いでみてはいかがでしょうか。

 6月→2月 とにかく重問を回しました
 民法と刑法は全ての問題を5周。憲法は1周して挫折。商法は手形小切手を除くほぼ全ての問題を4周。民訴は0.5周。刑訴は2周。行政法は頻出論点の問題を2周。

正直最初は自分が何をしているのかまったくわからず、答案例を写経してみたりしましたが、まったく書けるようにならずしんどかったです。ですが、ある日論文答案が、「問題提起、規範、あてはめ、結論」に分解できることに気がついて、以降、全ての模範回答をこの四つに分解して考えることにしてみました。そうすると、ある二つのことを覚えさえすればとりあえず答案的なものが完成することに気がつきました。それは、「論点抽出(どの条文が問題になるかも含め)」と「規範(論証)」です。

論点抽出とは、問題文を読んだときに、どの論点が問題になりそうか分かることです。例えば、AがBに土地を売って、そのあとBがCに対してさらに土地を売った。そして、その後、AがBとの契約を詐欺を理由の取り消したとします。この事例では、詐欺の話が出てきているので、民法96条が問題になりそうです。されに、BがCというまた別の人に土地を売っているわけですから、「第三者」(96条3項)の意義が問題になりそうですよね。これで「論点抽出」は完了です。

二つ目は、「規範(論証)」です。論点抽出ができたところで、規範を暗記していなければ、答案は完成しません。なので、次は規範を暗記することが必要です。規範を暗記するときのコツはまず最初に「これを知らないとそもそも答案が完成しない部分」を暗記することです。今回の例で言うと「第三者(96条3項)」とは「取り消し前の第三者」をいうのが原則なので、まずはこれを覚えてしまいましょう。理由づけや趣旨はひとまず後回しです。ただ、理由づけや趣旨を理解して暗記することは必要です。

以上のことを、重要問題習得講座のすべての問題で意識して実践すれば、論文答案の骨格は完成すると思います。重問を回すことで一番身につく力は、「論点抽出能力」ですので、ある程度抽出できると思ったら、論証をひたすら繰り返して規範部分を中心に理由づけや趣旨を暗記していきましょう。僕はこの論証暗記を試験の2ヶ月ほど前から繰り返しました。

ただ、この勉強法はガチの初学者が一年後のロー入試までに基本7科目すべてで一応そこそこの論述を用意しなくてはならないことを念頭に置いた勉強です。実際、短答や過去問を解いていると、まったく基礎基本の理解ができていないことに気がつきます。特に短答は絶望すると思います。基本的に重問のテキストと論証集の知識しかないので、条文の知識もつきません。なので、条文を中心とした勉強をしてほしいですし、論点はいわば条文の文言だけでは解決できない例外的なであることを強く意識するべきです。予備試験や司法試験に一桁で合格された方はみな同じことをおっしゃっていました。

本音を言うと、どうしても短期間でロー入試に間に合わせなくてはならない学部4年生以外はあまり真似してほしくないのですが、ロー入試レベル(少なくとも北大レベル)は突破できてしまうのもまた事実です。ご自分の置かれている状況とよく相談して、最善の勉強方法を模索してみてください。

ただ、一つ間違いなく言えるのは初学者が基本書を通読しようとするのは有害であると言うことです。基本書を読むのは、重問、予備過去問、短答、ローの過去問をこなしてから、時間があれば読むくらいでいいです。ましてやロー入試には100パーセント必要ありません。

北大の問題について

憲法
判例を知っていますか?という問題がでます。

統治も出るますが、ノー勉で挑みました。

ですが、統治もAランクの論点だけは押さえておいた方がいいと思います。

意味不明なチンパン答案を書いた割に半分くらい点数が取れてたので、本当に自分含め、周りのレベルは高くないと思います。

民法
基本的な論証パターンを押さえても解けない問題がでます。難しい論点ではみんなが書きそうなことを、条文を指摘しつつなんとか書けばOKです。(多分)

刑法
論証覚えれば大丈夫です。

商法
大問が二問あって、一問は重問に乗っているような典型論点の問題です。もう一問は制度の趣旨を説明させる問題がでます。二問目は勉強方法がよくわからなかったので、本番でもできませんでした。

刑訴法
基礎的な問題が出ますので、論証覚えれば大丈夫です。本番も実況見分調書の問題が出て、アガルートの論証をペタッと貼り付けただけです。

民訴法
わかりません。本番もひどい点数でした。

論証は覚えて損はないですが、論証を覚えれば大丈夫かと言われると、、、って感じなので過去問を解いてみて、無理そうならそこまで時間をかけない方が賢いのかもしれません。

北大のローは民訴だけガチガチのソクラテスが行われるらしいので、もしかしたら教授が厳しい方なのかもしれません。

行政法
勉強が間に合わず、処分性と原告適格の論証を覚えた程度のカスみたいな実力で挑んでしまいました。訴訟選択をはじめとした基本的な問題がでるので、基礎を固めて過去問を解けば大丈夫だと思います。(多分)

総括
ロー入試は基本的なことがきちんと理解できているかを問う試験なので、Aランクの論点を瞬殺できるように重問や論証周を何度も繰り返すのが大切です。

たまに重問や論証集に載っていないことが問われたりしますが、みんなできないので気にしないでください。

ちなみに未修も受かっていますが、全く勉強しなかったのでよくわからないです。小論文の勉強をするくらいなら、法律の勉強をした方がむしろいい小論文が書けるような気すらします。

TOEICは890点ですが書類点を見て貰えばわかる通りほぼ見られていません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?