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眉よ

もともと濃いほうではないが、大人なので時々手入れする。
その時に思うこと。

まゆよ、君はどこまでを自分の守備範囲だと思っている?

そこは、まぶた
そこは、こめかみ

立ち位置を間違えているにも関わらず、
結構ちゃんとした太さで生えている。

抜くと痛い。


(ああ、自分の身体なのに、毛が思う場所に生えてこなかっただけで抜くなんて)
毛が生えてこなくて悲しむ人も居る中で(小声)

生きることの無常を思い出させる痛み。


眉は、その動きから感情をあらわす。

「眉間にしわを寄せる」「眉をひそめる」など多くのことわざや慣用句があることからも、
私たちは眉から心を読むことがわかる。

昔の高貴な人たちが眉を抜いたのは、
人相や感情を読まれないようにするためだったそう。


高畑勲監督の「かぐや姫の物語」という映画がとても好きなのだが、

高貴な姫君になるために、かぐや姫が眉を抜くシーンがある。

映画のラストに向けて明らかになっていく、かぐや姫が地球に来た理由。


感情を忘れることは生きる目的を忘れること。


眉を抜き、かぐや姫が涙をつーっと流すあのシーン。

あの痛みは、感情を失う痛みだったのかもしれない。


ただ守備範囲外に生えてるのは邪魔なので抜きますけどね。

かぐや姫もそれは抜いてたと思うよ、知らんけど。











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