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カナダのオイルサンド産業中心地で山火事
カナダのオイルサンド産業中心地で山火事、石油・天然ガス生産に影響
最終更新日: 2024年7月12日
カナダのオイルサンド産業の「首都」とも呼ばれるアルバータ州フォートマクマレー周辺で発生した山火事が、世界第3位の石油埋蔵量を誇る地域の原油生産に新たな脅威をもたらしています。
山火事の状況
発見と広がり:
7月10日以降、フォートマクマレーの南および南西で8件の制御不能な山火事が発見されました。既に北部では3件の山火事が発生していました。
アルバータ州を襲った高温乾燥の強風により、州北部の遠隔地を中心に新たな火災が相次ぎ、フォートマクマレー市周辺では10件前後の火災が発生しました。
石油・天然ガス生産への影響
サンコア・エナジー:
サンコア・エナジーは、フォートマクマレーの南東部での火災の影響を受け、1日あたり231,000バレルの原油を生産するファイアバグ油砂鉱床で減産を余儀なくされました。
この火災は2万8000ヘクタールに及び、南東部と西部方面に燃え広がっています。
天然ガス生産への影響:
アルバータ州エネルギー規制局のデータによると、1日あたり約30,000バレルの石油に相当する天然ガス生産施設の10キロメートル以内に制御不能の火災が発生しています。
制御不能の火災の近くで多くの生産を行っている企業には、スパルタン・デルタ、TAQAノース、ウェストブリック・エナジー、サンシャイン・オイルサンズなどが含まれます。
フォートマクマレーの歴史と現在の状況
フォートマクマレーは2016年の火災で壊滅的な被害を受け、数千人が避難し、1日あたり100万バレル以上の石油生産が一時的に停止しました。今年5月にも山火事が発生し、住民の一部が避難しました。
今年の山火事の状況
今年のアルバータ州は、昨年の猛暑と比較して穏やかな山火事シーズンを迎えています。今年は690件の火災が発生していますが、昨年同時期は840件でした。焼失面積も昨年の同時期の10分の1以下で、現在までに影響を受けた面積は約18万3000ヘクタールです。
ケベック州の状況
ケベック州では現在74件の火災が発生しており、カナダのエネルギー・天然資源省は北部での火災の危険性が非常に高いと警告しています。今年は州南部で約1万6000ヘクタールが焼失しましたが、昨年同時期には100万ヘクタール以上が焼失していました。
この山火事は、カナダの石油および天然ガス生産に深刻な影響を与えており、特にフォートマクマレー周辺の生産活動に大きな脅威をもたらしています。
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