『ケンティータイム』に見る、上品で熱く美しいブログマーケティング
ジャニオタ(ジャニーズのどっかのグループのファン)を始めてから
薄々気付いてはいたことだが、
ジャニオタはけっこう忙しい。
追っかけるTV番組や情報媒体が多い。
さすがの最大手事務所、ありがたいことです。
で、今日のSexy Zoneファンは
そこそこ忙しい。
ケンティーの、WOWOWオンデマンド(スマホ視聴可能な、BS番組サービス)のMC出演と
風磨くん出演のドラマの初回放送が重なった。
いやぁ今日が勤務休みで良かったよ。
てか、風磨くん系のドラマは深夜多いけどな。
でも関西在住は追っかけ配信しかなかったから
時間関係なかったけど。
🌹
というわけで、こういう時のお楽しみのひとつ、
ケンティー先生による
「ブログでのマーケティングテク」を
ジャニーズの有料コンテンツ「Johnny‘s web」に見に行く。
ここにはジャニーズグループ・タレントさんのブログが並んでて、
すべてのブログが閲覧できるので
全ジャニーズ情報がリアルに見られて楽しい。
元々はタレントの写真禁止だったんだが、
昨年からタレント本人の画像も掲載されるようになった。
なんとお得なコンテンツなんだ。
ブログの更新頻度はタレントそれぞれなんだが、
中でも数人、たいていグループに一人くらいは
ほぼ毎日更新してくれるタレントさんがいらっしゃる。
Jr.さんに多い曜日担当更新や
俳優専業のタレントさんのブログ更新は一般に多いんだが
グループさんのブログでは
ジャニーズWESTの中間くん・桐山くんブログや
jumpの八乙女くんのグループブログ書き込み、
キンプリれんれん、ABC -Zふみきゅん、ふぉ〜ゆ〜辰巳くん、
そして皆さんめっちゃまめなキスマイさんたち、あたりが
ほぼ毎日何かしらブログ更新してくださってるので
毎日見に行っても飽きない。楽しみ楽しみ。
中でも徹底した毎日更新でジャニオタ界に有名なのが
セクゾの中島ケンティー氏のブログ。
一度システム障害で更新がなかった日に
「ケンティーに何かあったのではないか」と
ファン界隈が大騒ぎになったくらいの、
ものすごい毎日更新率なんである。
🌹
ちょっと話がそれるが
私がそもそもジャニーズチェックを始めたのは、
数年前に私が地域イベントの運営委員になって
そこの広報を担当するにあたって、
「どこかのエンタメのメディアの使い方を参考にして勉強しよう」と思い立ったから。
その頃我が家でちょうど娘がすでにジャニオタさんで、
家の中にすでに資料がたくさんあった。
「この綺麗なお兄ちゃんたちが表紙の『an.an』バレンタイン特集、
床に置いたら滑るからテーブルに上げといて!」と言いながら
パラパラとページをめくったり、
娘に「ライブDVD観たいからパソコン貸して」と言われて
一緒にいきなり特典映像から観始めて、
「ジャニーズのライブってコントもするんだ!」とびっくりしたりしたもんだ。
(その時にセクゾの「repainting」の俺ピから観たため、
私にとっての風磨くんの印象は最初っから
おもしろお笑い系ジャニーズである。)
当時はまだコロナ禍なんて微塵も予想してなくて、
イベントはリアルが当たり前だった。
それでも、私が関わってたような地域団体でも
遠方のイベントファンの方々にどうイベント情報を届けるか、が
課題になっていた。
そんな時、ちょうどジャニーズさんのほうも
SNSやYouTubeの配信が出始めた頃だったので、
「これは時代の流れとして参考にしていこう」と
ジャニーズさん配信やSNSをチェックしていくうちに…
いわゆる「沼落ち」する。
ミイラ取りがミイラ、である。
バラ観察がバラ園に迷い込む(笑)。
というわけで。
日々美しい映像にうっとりしながらも、
ここは大人ファンの品格と教養として
ビジネス面で観察するのも義務であろう
(と自分に言い聞かせて何とか冷静さを保っている)。
🌹
話を戻して、
そんなわけでJohnny‘s webの中島健人くんのブログは
その抜群の更新率で、まさにブロガーの鏡である。
多分めっちゃ忙しいタレント業しながらの毎日更新よ?すごくないか?
私も、自分のnoteが書けなかった日の遅い時間に
ケンティーのブログ(「Ken Tea Time」略してKTT)が
更新されてるのを見た時は、
「これぐらいの根性でブログ更新しろよ自分!」と
我に向かって叫んでいる。
まだジャニーズ事務所さんがSNSに消極的だった時代から
ケンティーブログはSNSを意識した作りや記事になっていて、
かなりの以前から、記事にハッシュタグが付いている。
私はFacebook出身でTwitterに疎いのもあって、
初めは「なんでいちいち『#』?」と思ってた。
ほんとにそれでブロガーか。
それが、私自身が一時期Facebookを離れて
Twitterを使うようになってから、
ハッシュタグの威力に気が付いた。
ハッシュタグがあれば、自分が関心があるテーマの
情報収集や拡散が容易だったんだな、と。
ジャニーズさんは昔は(今も結構)厳しいメディア露出制限があって、
SNSアカウントや投稿などもってのほかだった。
今でも個人のSNSアカウントは滅多なことでは持ってないし、
ということは
SNSで、自分のパフォーマンスに対するリアクションを拾うのは
エゴサーチをするしかない。
で、エゴサーチというのは
世の中の有象無象の発言を拾って目にしてしまうことになる。
一般人でもこれはけっこう滅入ることだし、
ましてや万人に身を晒すタレント業の人たちでこれは
気が狂うんじゃないだろうか。
それに、「有象無象の声をいちいち気にしていては
人間やってられない。
ただ、自分のファンでいてくれる人たちに
応えられるようにするために情報を得たい。」というのは
ビジネスやネットコンテンツを配信する者共通の
課題だろうと思う。
そういう意味で、ハッシュタグというのは
実に使い道のある方法だ。
自分の目的や意図に沿った情報を
集めやすいし、拡散しやすい。
SNSについては長年身動きが取れない所属におりながら、
その制限のある発信コンテンツの中で
かなり以前から『#』を忍ばせていたことが、
メディア発信者としての、ケンティー先生の
ど偉いところなんである。
そんなケンティー先生のブログは
今までも、CD発売時のプロモーションや
音楽番組出演直前の「グループ一斉ハッシュタグ」など
実に秀逸なものが多くて素晴らしく、
特に一般ブロガーもその発信の難しさに悩みがちな
「自分のコンテンツ以外のもののPR」(CM出演商品)の発信を
どうなさるのかなー、というのは
実に興味深いところなのです。
🌹
ということで、
今回の商品はWOWOWオンデマンド、という
無形商品である、と同時に
ペルソナ(商品売り込みの年齢層や性別、性格などを特定するためのモデル)が
絞りにくい商品である。
さぁどうする、ケンティー先生?
Johnnys’ webのKTTを、ポチ。
おおお!
有料コンテンツで、しかもそもそも肖像権があるので
具体的な画像や文言の引用は出来ないのですが、
今回の商品の特性と課題を上手く扱って
PRを入れつつも、
ブログ記事としての品格を失わない記事になっている。
宣伝しつつ個性を保った読み物にするって、めっちゃ難しいのよ。
そもそもケンティー先生のブログ写真は
いつもさりげなくご自身の活動風景に重ねてあるので、
こういうPR込みの記事の時に商品の写り込みがあっても
違和感やいきなり感がない。
今回も背景のWOWOWオンデセットの写り込みが
まるでステージセットのように美しい(注:多少主観こみ)。
このサブリミナルが出来るのって、
記事と画像掲載の継続的な工夫の成果かと思う。
🌹
今回の記事で特にすごいと思ったのは、
商品が「WOWOWをスマートフォンでも視聴できることによって
より広い視聴者層を獲得したい」という
商品提供側の意志に沿った形の
PR文章になっていること。
セクゾさんのファンの年齢層は若い女性が多い、と
容易に想像は出来る。
一方、WOWOWさんの方は
「月極課金契約をして、家でBS番組をよく観る層」が
今まで多かっただろう。
となると、家で課金契約ができてBSで映画や韓流ドラマを見るのは
ある程度年齢層が高い女性が多い。
そこに、WOWOWさんはスマホでいつでもどこでもBSチャンネルが観られるよ、というのを
ぶっ込んでいきたいわけである。
今までのWOWOW視聴者層の「年齢層が高めの女性」から
ケンティー起用で「年齢層が若い女性」にまで広げる目的はあろうかと。
(で、斎藤工さまは、今までの視聴層のさらに深堀りや強化の担当かと思われる。)
なので「ファンのみんな、観てみて!」だけでも
ケンティーのブログ効果はあったはず。
ですが、ケンティー先生はそこでは終わらない。
今回は、わざわざペルソナを3タイプに分けて、
それぞれの層に対して発信を分けてこられたのである。
しかも「WOWOWオンデを使えば、あなたの生活がこう変わりますよ」という
それぞれの層への提案力が素晴らしい。
ケンティー先生、天才か。
セクゾさんのファン層が「若い女性」だったとしても、
実際には年齢が高い層、男性ファン、海外在住などの
「ファン層として一般的ではない層」も
少ないだろうが存在するし、
それぞれのファンの周りに存在する「ファンである身内知人を通して何となくセクゾを知る」層は
もっと多種多様なはずである。
同じように既存のWOWOW視聴者層にも
「メジャーではないマイナーな層」もあるはずで、
出来ればそういうマイナー層も拾っていきたい、という願いは
ある方向性を持ち始めた企業・団体なら
少なからず持ち始める。
その方向性とは、いわゆる「世界進出」である。
ケンティー先生が自らのボーイズグループとしての可能性で
「世界進出」を視野に入れているのは
まぁファンも知るところですが、
こうして「既存のメジャーファン層だけでなく、マイナー層も拾う」という意志を
ブログマーケティングから拝見すると、
「この人、本気なんだ」ということに
改めてハッとさせられるんである。
マーケティングは技法がよく取り沙汰されるが、
そこに相応の熱量がこもっていなければ
ただの器用な人の便利そうな道具に過ぎない。
しかも匿名で出るモデルではなく
矢面に立つ形のCMなので、
CMを打つ企業と、起用タレントとのイメージが
一致していなきゃいけないから
下手に熱くなって企業の求めるところとズレても
空回りする。
そこを上手く共通する方向性を見つけて
自分が育ててきた手持ちのカードで
熱量を込めてくるところが、
ケンティー先生のマーケティング力の的確さで
KTTブログの見どころでもある。
何より言葉選びがいつもとても綺麗。
あんな上品で熱いマーケティングが今まであったろうか。
と、ケンティー先生のブログマーケティング論を
散々好き勝手に論じたところで
そろそろ「ケンティー先生のエンタメコミュニケーション学」も考えたいので、
WOWOWオンデマンド観ます。
今日明日(1/16・1/17)はWOWOW30周年記念で
無料番組がとても多くて、
ケンティー先生もMCや
夕方には映画監督さんたちへのインタビュー番組もなさってるので、
実に勉強の機会なんである。
てか、ケンティー髪金メッシュなの?早く観なきゃ。
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