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【Vol.105】週刊市政報告特別版。南海トラフ大地震が起きたら。

 みなさんこんにちは、南九州市議会議員の日置友幸です。
    
 昨日8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード(M)7.1の地震が発生しました。最大深度は日南市の震度6弱。被害を受けた皆様の無事を祈るとともに、いち早い復興を願っております。
  
 これを受けて、気象庁は初の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発令しました。
  
 もし南海トラフ地震が来たら、南九州市にはどのような被害が想定されるのか、どのような備えがされているのか。今日はそれを記します。


1.南九州市の被害想定

    
 東日本大震災を越える規模の被害が想定されている「南海トラフ地震」。想定震源と比較的遠く、太平洋側にない南九州市ですが、それでも被害は想定されています。
  
 鹿児島県が令和6年4月に作成した「鹿児島県地域防災計画」。ここでは、南海トラフ地震が起きた最悪のケースを想定しています。





 上は防災計画の中にある図となりますが、南九州市では、一部地域で震度5弱、最大津波高3.91mが想定されています。ただし注意していただきたいのは、東日本大震災がまさにそうだったように、国の想定した最大の被害を大きく上回る可能性もあり、予断を許さないものです。
  
 また、南九州市にも「南九州市地域防災計画」が策定されており、地震や津波が起きた場合の行動計画が示されています。

2.予定調和の防災訓練

  
 前章では「県や市がどのような備えを想定しているのか」という話をしましたが、どんな自治体もそうであるように、完璧な備えなどありません。それでは、さらなる充実に向けて、どのような備えが必要でしょう。
  
 私が提案するのは「抜き打ち型自治体災害対応訓練」です。

 先月、東京であった「地方議会サミット」に参加しました。そこでは、元鳥取県知事の片山さんが登壇されており、防災訓練のお話が印象的でした。

 片山さんは、知事になって1年目の防災訓練に愕然としたそうです。誰もがどうなるかわかっている、予定調和の訓練。知事の役割は、事前に決められた文章を読むだけだったそうです。
  
 これを受けて、2年目以降の防災訓練では、防災安全部署の一部職員しか知らないシナリオを災害訓練当日に発令して、各職員が実際の対応に当たると訓練を実施したそうです。
  
 この動きは全国的に広がっております。中には、防災訓練自体をいつやるか知らせていない自治体もあるそうです。
  
 私としては、これを9月議会で提案する予定です。

3.まずは自分の備えを

   
 先ほどの片山さんの「予定調和の避難訓練」の話ですが、いかにもお役所仕事な感じがして、会場にいる参加者は思わず苦笑してしまいました。しかし、防災で本当に大切なのは、自身の備えであることは論を待ちません。人を批判して笑う前に、自分は備えているのか。
  
 例えば、実際どれだけの方がご自宅で就寝するときに防災セットを枕元に置いているでしょうか。

 災害が起きてから特に初動において、自治体ができることは限られており、ご自身の自覚と備えが命の有無を大きく左右します。

 個人個人の備えについて、各種機関からいろいろな指摘がなされていますが、私から僭越ながら1つだけ。どうぞ防災セットを枕元に置いて就寝できる環境を整えていただきますよう、お願い申し上げます。


 この投稿は、ひおき友幸が市議会議員としての活動や市政情報などを毎週末に報告するものです。
 
 また来週金曜日もお付き合いいただければ幸いです。
                              日置友幸


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