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小さくて大きな変化が市議会で起きている話

 全議員の発言記録と会議資料を全てweb上で公開したらどうなる⁉南九州市議会では、ある分野でそれを現在実行中です。その結果、様々な変化が起きました。

 かなり長文ですが、ご笑読頂ければ幸いです。

新しい市役所が建設される⁉

 R2年12月。塗木市長は市役所新庁舎建設計画を発表しました。

 概算40億円とも言われるこの計画。詳しくは上の記事に譲りますが、もし建設するとなれば、南九州市にとってはこれまでとこれからを含めて、おそらく1番大きな事業となるでしょう。


議会の情報を全部公開した

 これを受けて市議会は、議員全20名による「新庁舎建設に関する調査特別委員会」を立ち上げました。そして、この委員会について、発言内容は全てwebで公開することとしたのです。しかも、委員長と副委員長の英断で、会議資料も原則全て公開することとしました。

 一見当たり前とも思える今回の措置ですが、実はフルスペックの情報公開は市議会14年目で初めてのことです。

 全てを公開したことにより何が起きたのでしょうか。

変化1:市役所の情報公開が進んだ

 1つ目は市役所の情報公開について。例えば、市庁舎建設についての詳細なスケジュール表。2月8日に市役所がHPで公表しています。

 2月8日公表というタイミングは、明らかに議会の情報公開を念頭に置いているものと思われます。なぜなら、同じスケジュール表を議会は2月9日にHPで公表する予定だったからです。

 もし議会がスケジュール表を公開する予定が無ければ、市役所はそもそも公開さえしなかったかもしれません

 議会が開かれるとは、すなわち市役所が開かれることです。

変化2:生々しい議論が見える化された

 2つ目は、議員の本当の議論が見える化されたことにあります。いわゆる表の議会(本会議)では見えない、温度感のある、ある種生々しい議論がオープンとなったことで、市民の方が各議員の考え方を知ることとなります。

 例えば、市長への申し入れ書を作る時、市庁舎建設について「市民の理解を得た後に」という一文を入れ込むか入れ込まないか。この一文で1時間近く議論したのですが、このやり取りはいかにも議会らしい展開です。詳しくは下のURLの3ページ目からどうぞ。

https://www.city.minamikyushu.lg.jp/giji/documents/4kaikaigikiroku.pdf

 結局提出された文章には、市民の理解を求めることについて、かなり強調された表現となりました。

 変化3:市民と議員の情報量が理論上同じになった


 3つ目は、理論上、市民と議員の情報量がほぼ同じになりました。フルスペックの情報公開により、市民の方が知ろうと思えば、この問題については議員と変わらない情報を得ることができるようになりました。ただし、これはいわゆる「条件が整った」という状態です。どういうことか?

公開された情報を議会がどう取り扱うかが大切

 
 いくら情報が公開されても、それが市民の方に伝わらなければ何の意味もありません。情報公開は時に「誰もがググればわかる状態にしているんだから、情報を知らない市民が悪い」というロジックに使われます。これは「市の広報誌に書いてあるんだから、読んでない市民が悪い」と同じロジックです。
  
 もちろん、市民の皆様には市政についてググってほしいし、市の広報誌は読んで頂きたい。しかし、情報が伝わらない理由を受け手の側に求めるのは、情報の出し手として恥ずかしいことです。大切なのは、「伝えたか」ではなく「伝わったか」です。

 市議会の情報公開は、「市民と議員の情報量が理論上同じ」という状態を作り出しました。これは確実に大きな変化です。しかし、実際に市民の皆様に伝えられるかは議員20名の活動にかかっています。この変化が実態に伴うものとなるように、1議員として、市議会として、励みます。

 最後に、全公開されている会議録と会議資料はこちらからどうぞ!

 なお、このことについてYouTubeにアップしているので、よろしければご覧ください!

それでは、長文失礼致しました!



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