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【Vol.84】週刊市政報告!新庁舎について一般質問しました。

みなさんこんにちは、南九州市議会議員の日置友幸です。
  
今週は3月議会一般質問、15人の議員が登壇しました。
  
私も質問しましたので、ご報告いたします。 

0.結論

 
 過去最長となったので、結論だけ先に差し込みます。
   
 新庁舎建設について、将来負担額は当初計画通り(45億円の時代と変わらない)となりそうです。

1.新庁舎のこれまで

    
 総事業費45億円と言われていた市役所新庁舎。昨年3月、市から総事業費が65億円に膨れあがるとの報告がありました。増えた20億円のうち、国から約10億円の支援が見込れますが、残りの約10億円についてはそのまま市の負担増となる情勢でした。
  
 このことについて、当時の議会は事業継続を認めました。

 負担が増えての事業継続に多くの批判が集まります。昨年12月の市長選挙では、新庁舎建設の是非がほとんど唯一にして最大の争点となりました。
  


 結果は、現行計画を推進する塗木市長の当選。
  
 しかし、新庁舎について納得のいかない方々も多く、市長選対立候補だった西さんを代表として、住民投票の直接請求が起きるまでの状況となっています。

 新庁舎建設を決めるのは、議会です。3月議会では、このことについて多くの議論がなされており、私も議題に取り上げました。
 

2.3月13日一般質問

   
 今年2月、新庁舎について詳細な設計が出て、総事業費は63.8億円と見込まれています。
  
 45億円といわれていた時代と比べて総事業費で約19億円の増、そのうち市の実質負担額は約9億円の増が見込まれます。
  
 じゃあ、この約9億円を支払うのは誰なのか
  
 この論点について市長と議論してきました。
    
 結論から言うと、返済が本格的に始まる2030年を目途に、最大10億円の返済用貯金(減債基金)を用意することを目標とすることが決まりました。市の貯金は約110億円ほどあり、事実上そこから用意される見込みです。

 ①将来の返済について、当初見込みと比べて約10億円増えた。
 ②将来の返済に備えて、新たに最大10億円の返済用貯金を用意する。

 ①と②より、将来の支払い額についてだけ言えば、プラスマイナス0となります。
     
 紆余曲折ありましたが、将来世代の返済額については45億円といわれていた当初計画通りとなる見込みです。
  
 ただし、これは世代間負担の割合を変えたというだけで、市が支払う額自体は変わりません。
      
 賛否あるとは思います。
  
 私としては、子どもたちに追加支出をお願いするくらいなら、これまでの蓄えで追加支出を賄う方がまだマシだと考えています。当初計画通りの負担額で子どもたちに引継ぎたいと思っています。

3.新庁舎建設の是非について

   
 これまでの文章は、新庁舎建設を前提とした文章でした。それでは私がこのことについてどう考えているか。
  
 これまでと変わらず、このことに賛成します。賛成の主な理由については2年前から変わっていません。以下のnoteをご覧ください。
   

    
 政治的な意味において新庁舎建設が揺るぎないものとなったのは、令和5年12月でした。
  
 令和5年12月投開票の南九州市長選挙は、65億円の新庁舎建設がほとんど唯一にして最大の争点だったと思います。
   
 この争点について、2つの民意が示されました。
  
 1つ目は、新庁舎建設を中断すべきという民意。「新庁舎建設に納得できない、説明責任が果たされていない、計画も見通しも不十分だ。今の計画は中断するべきだ」という民意です。

 2つ目は、現行の65億円規模の新庁舎建設を継続すべきという民意。これが多数の民意でした。
   
 私は多数派=正しいとは思いません。歴史を振り返れば、多数が間違っていたことなど数えきれないほどあります。
  
 ただ、多数の民意をベースに物事を進めて行こうというのが選挙の本質だと思います。
  
 同時にもう一つ選挙の本質を述べるならば、少数派に対する配慮です。 

4.少数派であること

       
 私は新庁舎の件で、今回たまたま多数派となりました。
  
 が、議員生活を振り返ってみれば、私は共産党さんを除く全議員の中で少数派(反執行部派)になった回数が一番多い議員でもあります。
    
 自分が少数派となった時、周りの議員がどうだったか。
  
 私が少数派で反対していることを馬鹿にせず、むしろ私の発言の機会や主張の場を守ってくれるような同僚議員がほとんどでした。私が結構な勢いで相手を批判している時でさえも。
   
 この「相手にプレッシャーを与えて潰しにいかない、論戦で勝負する」というのは、南九州市議会の誇る素晴らしい文化だと思います。
  
 今思い返せば、そういう文化じゃなかったら、いまにも増して生意気だった20代の私は、どこかで足元をすくわれて政治的に殺されていたかもしれません。
    
 そういう経験を経てきたからこそ思います。
     
 とにかく相手の発言の機会を確保する。オープンにする。可能な限り相手の意見を取り入れる。そういう態度が求められると思います。

5.相手の意見を取り入れる


 「可能な限り相手の意見を取り入れる」それも踏まえての、今回の一般質問でした。

「将来負担額は45億円の時と変わらない」
  
 このことで反対している方の考えが変わって賛成してもらえるとは思っていません。
 
 反対される方の多くは、計画の中身そのものというよりも、十分な説明なく20億円増えたこと対する怒りや、将来への心配があるように感じました。住民団体の方の意見交換会や、陳情の審査などを通して感じました。
  
 それに対して計画の根本を崩さずに可能な範囲で意見を取り入れた自分なりの答えは、将来負担額を45億円の当初計画と同額とすることでした。
 
 同様の提案は過去にもしましたが、もし住民団体の意見交換会に行かなければ、改めてこの提案にトライすることは無かったと思います。
     
 あと足りないことと言えば住民説明の不徹底だと思います。このことについては、議会終了後に、単独でも実施するし、同僚議員とも共に実施しようという話をしています。
  
 そこで出された意見のほとんどは今回の決定には反映されません。でも、南九州市は新庁舎が建設された後も続くし、また大きな公共施設の計画があるでしょう。
  
 その時に、今よりも多くの方が納得した形で計画を進められるように。そのための意見交換会です。
  
 そして、意見交換会をやる理由はもう1つ。計画を実施した議会に対して、やり場のない怒りを抱えている方もたくさんいると思います。
  
 その怒りをしっかりと受け止めるのも、賛成した者の責任です。
  
 私はよく合理主義者と言われますが、まったくそんなことはないです。最終的に人を動かすのは論理でもなければビジョンでもなく、情熱や感情だと思っています。
  
 その部分において、責任を果たす必要があると思っています。
   
 先ほども書きましたが、多数が正しい保障など何もありません。どちらが正しいか判断できるのは将来の人です。
  
 将来の人の検証に耐えられるよう、とにかくオープンに。議論の過程を残していくことが大切だと思っています。


 この投稿は、ひおき友幸が市議会議員としての活動や市政情報などを毎週末に報告するものです。
 
 また来週金曜日もお付き合いいただければ幸いです。

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