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みっちゃんは何故目覚めない?2022年版こどもの一生を考察する

松島聡くん主演の「こどもの一生」を観劇してきました。

超わがままな製薬会社社長の三友と秘書・柿沼は、心のケアが専門の孤島のクリニックを訪れる。 共に治療を受けるのはデジタル庁勤務のエリート藤堂、コールセンター勤務の淳子、現役地下アイドルの亜美。 院長・木崎と看護師長・井手のもと、5人はストレスを取り除くため10歳の「こども」に返り、共同生活をすることになるが……。

こどもの一生 | PARCO STAGE -パルコステージ- 公式HPより


いや~~~~~~~~~~~~
ストーリー難しくなってない?????

大好きな戸次重幸さんが出演されていた2012年版「こどもの一生」をテレビで観たことがあり、予習もしてきたのですが、追加設定やラストのオチまで変更点が多くあったように感じました。

解離性障害や強迫性障害、"昭和"のこどもといった表現…現代社会に即した変更だったのかなと感じました。

さて、今回の2022年版「こどもの一生」最大の謎とも言える「みっちゃんは何故目覚めないのか」を私なりに噛み砕いてみたいと思います。

2012年版「こどもの一生」でみっちゃんが目覚めなかった理由は「"山田のおじさんが『おいでよ一緒にやろうよ楽しいよ』と言ってみっちゃんを浴槽に沈めていた"というのが、実は山田のおじさんではなくこどもたちによるものだった」という罪の意識なく悪事を行うこどもの残忍さを描いたラストでした。

その上で私の2022年版仮説は次のふたつです。
①解離性障害である柿沼のもうひとりの人格がみっちゃんを浴槽に沈めた
みっちゃんの持病が起因したもの

色々考えましたが、私は②の説を推していきたいなと思ってます。
(ちなみに考察内に出てくる医学的知識は全てGoogle先生を頼っているので間違っている可能性もあります。あしからず。)

柿沼の台詞の中で、カレーを食べるみっちゃんに「血糖値があがりますよ」と伝えるシーンがあります。
この部分から恐らくみっちゃんには持病(糖尿病?)の気があったのではないかと推測しました。
また院長の台詞から、過度なストレスが人を殺めることがある(=血圧が低下し、血液凝固することで、血栓ができて死んでしまう)といった話題があがりました。

柿沼の分もきのこ入りカレーを食べていたみっちゃんは暗示の力が強くなっています。
突然現れた山田のおじさんに対し過度なストレスを感じ、そして入浴中という環境(=血液がドロドロになり血栓ができやすい)により、血栓ができ心筋梗塞のような状況に陥ってしまったのではないでしょうか。

ここで思い出したいのは2012年版のオチです。
10年前のラストではこどもの残忍さが描かれていました。

今作はどうでしょうか。
みっちゃんは「山田のおじさん」というこどもたちが作り上げた架空の存在が過度なストレスとなり、こどもたちの意思とはかけ離れたところで、倒れることになってしまいました。
亜美がみっちゃんに目覚めてほしいと思っている通り、こどもたちは本気で殺意を抱いていたわけではないのに、結果としてそうなってしまった。
今作でもこどもの残忍な部分が出ているのではないでしょうか。

また柿沼のもうひとりの人格は、主人格がストレスを溜めた結果現れる存在だといっています。
作中でもうひとりの人格が現れたのは、こども返りする前でまだパワハラを受けている初日の夜。そして、洞窟の中で山田のおじさんと対峙する時と認識しています。
つまりその間、こども返りし、みっちゃんとかっちゃんが対等な存在になり、こどもたちがみっちゃんを仲間外れにするようになってから、柿沼は深層心理の中でそれまでのようなストレスを感じていなかったのではないでしょうか。

今作の2022年版「こどもの一生」は、本人たちにその気がなかった中での残忍な行為がめぐりめぐって大きな事故事件に繋がってしまった怖さ・一見気が弱く見える柿沼の主人格の怖さを描いているのではないかと考えました。

もう一回観て、伏線拾い直したいな~~~~~!!
聡ちゃんの空手かっこよかったな~~~~~!!