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穴馬の目利きに優れたオーナーは⁉【馬主絞り出しメーター】

騎手の実力を比較するために、騎乗馬の人気以上の成績を収めているかどうかをパーセンテージで示した「馬力絞り出しメーター」なるものを開発しました。それを騎手の評価の指標のひとつとして使っているのですが、騎手の部分を他のものに変更しても使えるものです。そこで、調教師や種牡馬、馬主、生産者などでも試しに調べてみました。

この記事は、それの馬主編になります。

「馬力絞り出しメーター」の説明と、以前アップした調教師編と種牡馬編は以下のリンクよりご覧ください。


データの集計期間は18年1月1日から20年7月26日まで。順位は集計期間内の勝利数順になっています。筆者が独断と偏見で選んだ注目オーナーに関しては詳細データも載せました。

ブランド力が高く過剰人気になりやすいと100%を割る数字になり、地味で人気になりにくい馬を所有しているオーナーの数字が高くなると予想していますが、結果を見ていきましょう。

1位~20位

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パッと見は、ノーザンFや社台Fが生産した良血馬を多く所有しているオーナーの数字は低く、非社台生産馬を多く抱えているオーナーの数字が高く出ている印象。

一口クラブの場合は出資している愛馬への応援票がたくさん入りそうで、数字が低く出る傾向があると考えていましたが、サンデーR、キャロットF、シルクRのランキング上位の3クラブはほぼ人気通りの成績。

サンデー

単勝万馬券になるような馬の好走はほとんどないが、それ以外のオッズ帯ではほぼ人気なりの成績といった感じ。

キャロット

人気時も堅実だが、注目すべきは単勝50倍以上の大穴馬での活躍の多さでは。この傾向はサンデーRやシルクRでは見られない傾向なので、注目したい。

シルク

キャロットとは対照的に単勝50倍以上の人気薄では期待薄。その代わり、人気時の確実性が高い印象。

ゴドルフィン

単勝万馬券以外のほぼすべてのオッズ帯で平均以上の勝ち星を挙げており、それが単の絞り出しメーターの数字を押し上げている。ただ、穴の2、3着はほぼ人気なりといったところ。

メイショウ

平均以上の成績を示す青いゾーンが多いが、注目は単勝30倍以上の穴馬では単複連すべて平均以上の成績を残しているところ。穴党の心強い味方のオーナーでは。

マイネル

単複連すべてで100%超え。単は5倍から20倍くらいの馬で数字を稼いでいる印象。2、3着はほぼすべてのオッズ帯で平均以上。馬券的においしいクラブといえそう。

ウイン

一口クラブだが、過剰人気になることがなさそうで、ほとんどすべてのゾーンが青く染まっている。オークス2着のウインマリリンなど活躍も増えており、それを上手く馬券に活かしていきたい。

21位~40位

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西山

知り合いの競馬ライターのN中氏は、「ニシノ」「セイウン」の馬は絶対に買わないという鉄の馬券ルールを持っている。それを自分の著書で書いたら、西山オーナーの耳に入り、食事に誘われてオーナーのブログに登場したという逸話を持っている(笑)

N中氏の姿勢は正しいのか?(笑) 3部門すべてで100%割れなので、間違ってはいなかったのでは。ただ、単勝30倍以上の穴馬になると平均以上の成績を残しているので、人気で疑い、穴で狙うというのが良さそうだが。

栗本

穴党の味方の栗本氏。単勝万馬券での活躍は少ないが、単勝15倍から100倍未満の穴を量産しているように見える。

41位~60位

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テーオーとホウオウの小笹氏対決は、絞り出しメーター的にはテーオーの弟・公也氏に軍配。

61位~80位

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岡田繁幸氏の数字の高さが目立つ。やはり、期待している馬は自分の名義にしているのか……。

81位~100位

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山口

ノーザンFの生産馬を多く抱えている個人オーナーはブランド力の高さが人気を押し上げるのか、控えめな数字になっていることが多い。

しかし、山口オーナーの場合は単の絞り出しメーターが100%を大きく超えており、さすがの目利きといったところでは。単勝15倍以上の穴での勝利はなく、それ以下のオッズの時は平均以上に走る。

101位~120位

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121位~140位

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絞り出しメーター的に好成績を収めているオーナーが多いゾーンに見える。代表馬を見てみるとダートで活躍している馬が多く、ノーザンFがあまり力を入れていないダート戦で活躍する馬を発掘するのが上手いのでは。

141位~160位

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ノースヒルズ軍団のオーナーは軒並み好成績を残しているが、前田幸喜氏の数字は特に高いので、水色の袖の勝負服の馬には特に注目が必要では。

161位~180位

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181位~

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8月21日付けで厩舎を開業する伊坂師の実父が伊坂重憲氏。息子の厩舎がシングン軍団のメインステーブルになるようで、シングンバズーカなどが転厩する。貴重なシングンオペラの血をつなぐ仕事を息子が継ぐことになるのでは。馬券的にも注目の存在なので、今後の動向に注目したい。

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少数精鋭の戦略をとっているオーナーや、とにかくたくさんレースに使うことをよしとするオーナー。ダート戦に狙いを絞ってたり、逃げ馬が好きだったりと馬主の戦略も様々で、そういうところも考え合わせれば馬券にも、大いに活用できるのではないでしょうか。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


みなさんに競馬を楽しんでいただくため、馬券の参考にしていただくため、頑張ります!これからもよろしくお願います!