武藤雅騎手【政治騎手名鑑2021】

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人気での取りこぼしが減り、単のUSMが急上昇

19年9月のUSMを振り返ると、単131.1％、連97.6％、複96.3％。それが1年後の20年9月は、単94.8％、連109.5％、複108.6％に。ピンパー傾向の強い騎手から、着拾いタイプに変化していっているように見ていましたが、再び単が急浮上。3部門すべてで100％を大きく上回っています。

武藤雅騎手のジョッキー・バイオリズム

ただ、今年の単勝回収率が190％もあり、100鞍以上騎乗している騎手のなかではトップの数字を残している。複勝回収率も94％と高く、複のUSMが高いのは納得です。でも、これほど高い回収率なのに、どうして単のUSMがマイナスになっていたのでしょうか？　答えは割と簡単に出てきます。

人気薄での活躍が多くても、人気馬でキッチリ勝てていないから。回収率は人気で取りこぼしても影響が小さいのですが、USMは違うのです。

ただ、11月以降、1～3番人気馬で【5－2－1－4】と巻き返したことで、単のUSMが急浮上したと思われます。

とはいえ、ローカル回りをせず、中央場所で一流騎手の中で頑張っている。手ごわい相手の中で武藤騎手が人気になるときというのは押し上げられたものが多いということはいえるのではないでしょうか。なので、やはり人気薄時に狙いたい騎手。

エージェント変更効果で関西で爆発

とくに今後、要注意は関西馬の騎乗時です。

○関西馬

18年：3勝（42鞍）、単勝回収率234％、複勝回収率93％
19年：0勝（56鞍）、単勝回収率0％、複勝回収率58％
20年：6勝（48鞍）、単勝回収率130％、複勝回収率142％

今年の2月から武藤騎手は、エージェントを戸崎騎手も担当している中村氏に変更。中村氏は戸崎騎手をずっとサポートしてきた剛腕エージェント。回収率の高さを見ると、その変更効果もありそうです。

印象的だったのは平安S（アシャカトブ8番人気8着）。この時はまだ土日で違う競馬場に移動して騎乗できなかった時期。お手馬の重賞挑戦なので遠征は当然としても、一鞍入魂になってもおかしくない状況でした。

しかし、そこは敏腕エージェントの中村氏。土曜5頭、日曜7頭もの馬を集めて見せたのです。しかも、それが泡沫候補ばかりかと思ったら……。

土曜12R：ギャッビー（13番人気3着）
日曜1R：メイショウマサカツ（11番人気2着）
日曜5R：アズマエピカリス（11番人気3着）
日曜6R：ファイヤーテーラー（1番人気2着）
日曜12R：マイネルカイノン（7番人気1着）

1着は1回だけでしたが、人気薄での驚異の暴れっぷり。馬券圏内が5回もありました。もともとの遠征の目的はなんだったのか？　忘れてしまうくらいの活躍でした。中村氏の真骨頂は相馬眼の確かさ。このように、人気がなくても可能性のありそうな馬を見つけてくるのです。

関東馬でも人気薄での活躍が増えているのは中村氏の貢献が無視できないのでは。ハンデ戦で軽ハンデの馬に騎乗してきたときなどは注意が必要。

人気時以外の課題となると、重賞でしょうか？　ジョディーやアトミックフォースで2、3着はあるがまだ勝っていない。早く重賞タイトルを手にしてください。

武藤騎手の戦法データ

バランス型。逃げは少なくはないが多くもない。後方からの競馬をする割合も低くはないが、高くもないといった感じ。

騎乗馬の平均オッズは66.3倍

※戦法データの集計期間は20年1月1日～12月6日まで。戦法はtargetの判定方法に従っています。また、戦法の特徴がよりわかりやすくなるよう、リーディング順位の近い騎手と比較できるようにしました。さらに、騎乗馬の人気と戦法は切っても切り離せない（人気馬は能力が高いので前で競馬できるが、人気薄ではなかなか前に行けないなど）ので、騎乗馬の平均オッズとオッズ別の戦法データを合わせることで、よりその騎手の戦法の特徴が見えるようにしています。

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