はじめて自分で着た「キモノ」でのお出掛け体験記~冒険~
街を歩いて、水溜まりをよけて、階段登って、電車に乗って…。
いつものふるまいが、身に纏う衣服によって、新しい体験になる。はじめてのお出掛けは、心地いい緊張感とワクワク感。ちょっとした冒険のようでした。
なぜ着付けを習い始めたのか
着付けを習い始めたのは、5ヵ月前。
着物いいな、私も着たいな…。電車で和服姿の女性を見かけるたび、いつも頭によぎる思いでした。
そんな中、着物のご縁があり、京都の友人たちと着物を着ようと企画しました。昨年の年明け早々のことでした。私は母の着物を持参。
どれにしようかな。
晴れ晴れとした空のもと、京都御所をお散歩。
思い思いの着物を着て、所作に気をつけながら歩く私たち。
背筋も伸びて、みんな自然と笑顔。
日本の女性は、みんな着物が好きなんじゃない?
と思うほどでした。
365日、毎日着物で暮らしているという女性に着付けてもらった私たちは、
「全然苦しくない」
「ずーっと着てたい」
「苦しくないの不思議だね」
着物に対するイメージが、がらっと変わった人もいました。
あれから
「また企画しようね」
「あの心地いい着付けしてもらいたいよね」
といいつつ、月日が流れ。みんなのスケジュールもなかなか合わず…。
もう、待っていても仕方ない。
まずはこっちで、習いに行こう。
とにかく、着たい!
調べると、1レッスン、ワンコインで習えるとわかり、体験レッスンへ。
やっぱり、たのしい!
そのまま申し込んで、習い始めました。
長襦袢の着方、腰ひもの結び方、着物の着方、帯の結び方、畳み方…。
腰ひもは、なぜ五角形に畳んで仕舞うのか…。
反物が出来上がるまでの工程…。
何もかも、興味津々です。
ステイホームでしばらく中断していたときは、母の着物で自主練をしていました。せっかく覚えたのに、忘れてしまうのは、悲しいから。
繰り返しながら、帯の結び方だけが、どーしても分からずゆるんでしまう…。試行錯誤で汗だく…。
教室再開して、帯の謎も解けて、念願のお出掛け。
(お太鼓が長すぎて、この写真のあと先生が整えて下さいました)
いただいた着物
この着物と帯は、母の着物ではなく、知り合いの方から頂きました。
習い始めたとお話ししたら、もらって欲しいとおっしゃってくださって…。暑い夏、着れる着物がないと思っていたところに、うれしいお電話でした。
もう着ないから、と。娘さんもいらっしゃるけど、着ないからいい。自分では捨てられないと…。お会いすることのなかったこの方のお母さま、お婆さまのことも想像しながら、お言葉に甘えて沢山いただきました。ありがたいです。大切に着ます。
コーディネートは難しい?!
京都の呉服屋さんの友人に、お出掛け前、コーディネートを聞きました。
最初に送った写真はこちら。
小物もほとんど持っていない中、なんとか合わせたけど…。
黒がキツすぎ。
季節も合わない。今は夏だから、
ろー、とか、
らー、とか、
しゃー、とか…。
アドバイス頂いた言葉の意味も、さっぱりわからず、ちんぷんかんぷん。
着物って難しいんですね…。
頭が、イタくなってきました…。
とにかく、爽やかな色にしよう!
夏着物には、夏の小物を合わせるのか。慌ててメルカリで探しました。うす~いオレンジ。アプリコット色の「絽(ろ)」の帯揚げ。白とベージュの帯締め。なんとか、早めに発送して頂き、お出掛けまでに間に合いました。出品者様に感謝です!
ワンポイント柄の位置も、先生にアドバイスもらって、中心よりずらしました。なるほど…。こっちの方がいいな。
着心地は、風をまとっているかのよう
絽の着物、初めて知りました。とっても涼しい着心地でした。
街を歩きながら、風をまとっているようにも感じました。半袖・スカートよりも、涼しいんじゃないかと思うほど。汗でペタペタすることもないし。
まぁ~、綺麗に着れたわね~。涼しそうね~。
先生たちからの、お褒めの言葉に調子に乗って、自宅までも着たまま帰ることにしました。
が、しかし…。
暑すぎて、寄り道しすぎて、なかなか家にたどり着かない…。あほでした。ついつい調子に乗ってしまう私。
まほろば館で「柿氷」。
ひと息入れながら、気持ちだけは橿原神宮へ…。
次は、夏用の長襦袢を用意しようと思います…。
絵本「はじめてのおつかい」
今回のお出掛けを振り返って、一冊の絵本を思い出しました。子供の頃、サンタクロースからプレゼントされた絵本。物語の詳しいことは忘れてしまったけど、なんとも言葉で表現しきれない、どきどき、そわそわ、わくわくした体験。
心地いい緊張感と、新しいことへの好奇心。
ちょっとした冒険のような体験は、この感覚に似ていました。
久しぶりに読んでみたくなりました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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