見出し画像

上手な入院生活の過ごし方 手術後編

こんにちは。
私の勤務先はコロナ受け入れ病院ではありませんが、発熱外来はあって毎日何人かが検査にやってきています。第5波が収まってからは陽性者ゼロだったのが、オミクロンが流行り出してから陽性者がポツポツと出てきています。
皆様も、手洗い、うがい、鼻呼吸に睡眠たっぷり、を心がけてお過ごしくださいね。

さて、今日は上手な入院生活の過ごし方、医療従事者との関わり方について書いてみようかと思います。
とは言っても、入院する理由はさまざまですので、今日の一例として手術を受ける患者さんに対象を絞ってみましょう。
意識不明ではない場合で、整形外科や消化器科などの手術を主に想定してみましょう。


①痛みに関して

手術と聞くと、真っ先に痛みについての怖さがありますよね。
手術後は麻酔が徐々に切れてきますので、痛みもどんどん感じてきます。
術後の痛みは我慢していいものではないので、積極的に薬で取っていきましょう。痛い時には遠慮なくナースコールをしたり、訪室したナースに言いましょう。

ただし、鎮痛薬の使い方にはルールがあり、1回使った後は時間を空けないといけないこととなってます。薬の効き目が出てくるまでのタイムラグ、効いている時間の個人差、薬と患者さんの相性、などで効き目や痛みの度合いも変わってきます。鎮痛薬は1種類だけではないので、医師の指示のもとナースがあれこれ思案して使います。

鎮痛薬を使っても痛い!!とナースコールをバンバン鳴らすのはやめておきましょう。
痛いのは重々承知で、魔法のように痛みを取り去ってあげたい!のは誰もが思うことなのです。術後翌日くらいから、痛みは軽減してきます。

それを信じて乗り切ってくださいね!
あと、痛いのは我慢しないでと伝えているのに我慢して転げ回り、傷から出血しリネンや病衣が血まみれスプラッター、という人もいます。
我慢せずに!頼みます!


②喉が乾いた!について

手術後はしばらくの間は飲み食い不可となります。
でも麻酔の副作用やら体液が失われているなどで、喉の渇きが結構あります。
喉が乾いた、ってつらいですよね。

飲めないけど、うがいは大丈夫です。体は寝たまま顔をちょっと起こしてむせ込まないように、うがいをして乗り切ってください。
口の中の水は、ガーグルベースンという入れ物に吐き出します。ナースが水と一緒に持ってきてます。

ぺ!!!!と勢いはつけず、顔を少し傾けガーグルベースンの淵に顔をつけ、口の端から漏れ出すように静かに水を出します。そうすると、こぼれて首や病衣を濡らさずにできますよ。


③排泄について

大抵は、バルンカテーテルというおしっこを流出させる管が入ってます。なので、寝たままの状態でもトイレに行く必要がありません。でも、おしっこしたい、と感じてナースコールをしてくる人は多いです。

おしっこは管から自然に流れ出てる状態なので、膀胱に溜まらないため、尿意は感じないもののはずですが、違和感などを尿意と感じている場合がほとんどです。

排便の方は、こちらもトイレには行けないのでベッド上で差し込み便器を使ったり、おむつに出したりとなります。手術前に胃腸を下剤で空っぽにしているので、手術後1〜2日は排便がしたい、とは思うことはほぼないですが。

排便がしたい、と思う頃には、ベッドから起き上がってベッドサイドに置いたポータブルトイレにできるようになっている、ことが多いと思います。


④ベッド周辺のさまざまな機械について

手術から部屋に戻ってくると、何人ものナースがわー!と群がり、ストレッチャーからベッドへ体を移したり、いろんな機械を取り付けたりします。その後はサーっとほとんどいなくなり(笑)受け持ちナースがあれこれとチェックをしていたりします。

しばらくの間は、酸素マスクをつけ、自動血圧計を腕に巻いたままになり、酸素チェックのクリップを指につけたり、心拍モニターを体に貼り付けたりなど、いろいろな機械が取り付けられます。

酸素マスクや心拍モニターは医師の指示によって違いますが一晩くらい、自動血圧計などは数時間で外れます。
鬱陶しいと感じますけど、あなたの体をチェックして、異変に早く気づいて対処したり、手術後の体を早く戻したりするのに必要です。少し我慢していただけたらと思います。

どうしても血圧計に繋がれてるのが嫌だ!とかいう場合は、測る時に都度巻き付けます。どっちが大変かは、患者さん次第でしょうか。
自動血圧計や酸素チェック計は都度測定で外してもいいとするナースは多いですが、心拍モニターと酸素マスク(または鼻に当てるチューブ)は譲れませんのでごめんなさいね。


④呼吸について

手術前に手術室ナースから説明があると思いますが、手術後は傷が痛くて呼吸が浅くなりがちです。そうすると体に酸素が不足がちになって体の回復に支障が出ます。

痛みが出ないようにでいいので、ゆっくりたくさん吸って、ゆっくり吐き出す、ことをなるべくやりましょう。呼吸、大事です!


長くなりましたが、こんな感じです。手術を乗り切って翌日「だいぶ痛みが取れました」とちょっと晴れ晴れした顔の患者さんを見ると、私もホッとします。
この後は鬼のようなリハビリの洗礼が待ってます。がんばってね!


というわけで、この辺で。この記事を読んで「こんな場合も聞きたい!知りたい!」と思ったら、ぜひご意見くださいませ。
それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?