ブールバールの敗戦に思う

メルマガ木曜配信「ココを見た!」では私とヒノが先週のレースから3頭ずつ注目馬をあげています。
メルマガプレミアムのコンテンツ、ノーザンファームの生産馬から穴馬や危険な人気馬を探す「タンマン」のコーナーで、21日の日曜京都3レースに出走したブールバールを「危険な人気馬」として取り上げました。次走もどうせ人気だと思うので、わざわざ取り上げませんでしたが、同馬は馬券から離れれば取り上げる価値が高い馬だと考えます。以下にその理由を記しましたので、興味があるかたはコーヒーでも飲みながらご覧いただければ幸いです。

同馬は単勝1.8倍に支持されました。1400mの走破時計はメンバー中2位で、今回と同コースの京都1400mでは馬券内を外したことがなく、重賞馬・ノーワンに先着しています。前走も2着で今回はルメール騎手への乗り替わりと人気になる条件はそろっていました。もちろん、勝つ確率が高い一頭であったことに異論はありません。ただ、ここまで人気になる馬か?といわれると疑問点がありました。それはルメール騎手への乗り替わりです。

ブールバールはデビュー2戦目、昨年7月の未勝利戦で逃げて負けている馬でした。前走、1月の中京で行われた未勝利戦で福永騎手はそれを踏まえ好発も番手に控える選択をしました。

今回、テン乗りだったルメール騎手は逃げることを選択します。これは、福永騎手の前走の競馬ぶりを考えるとチグハグな選択でした。目論見通り馬券外になった、というと言いすぎかもしれませんが、同馬をよく観察していれば過剰な人気を集めるのは危険で乗り替わりがあまり良くない結果をうむ可能性は考慮できたはずです。

一般的に福永→ルメールなら鞍上強化に見えますよね。しかし、ブールバールはクセのある馬でココでポンと逃げたのは結果的に失敗でした。
もし、仮にルメール騎手が福永騎手から話を聞いて、それを尊重するならこの戦法はとらなかったでしょう。
ただ、話を聞いた上でほかの状況を鑑みて逃げた可能性もあります。ブールバールはズバッと差すような末脚はなく、好位でうまく立ち回るタイプです。馬の個性を尊重する福永騎手の乗り方では勝つ確率が低いと踏んで、「テン乗りだし逃げてみるか」と考えても不思議ではありません。
スタートで出遅れた、直線で詰まったなど物理的な不利はともかく、人気を裏切ったからといって一概にダメな騎乗とはいえません。もちろん、結果は大事ですが過程を思案することで理解が深まると私は考えています。

ただ、過程の分析を重視しすぎるのは本末転倒でしょう。大事なのは将来的な予測に役立てることです。予測は完璧には行かないですが、結果と過程を見つめなおすなかで仮説は立てることが重要なことではないでしょうか。
たとえば、ブールパールの次走の騎手がどうかを考えてみます。
1)過去に実績のあった騎手に戻る
福永騎手や酒井学騎手など過去に同馬で実績をあげた騎手はクセをよく知っています。今回のルメール騎手のように逃げることはないでしょう。反面、これまで同様に勝ちきれない可能性もありますが、ルメール騎手からの乗り替わりであれば配当妙味が発生しそうです。
2)次走もルメール騎手
今回、逃げた反省を踏まえて同じ戦法はとらないでしょう。一方で好走したイメージがないので、1)のパターンより位置取りを必要以上に下げてしまう可能性もあります。ただ、下げた分だけ勝つ可能性が上がるかもしれません。
3)テン乗り
テン乗りの騎手へ乗り替わる場合、今回のルメール騎手のように逃げてしまうかもしれません。ただ、次回は逃げて圧勝かもしれませんし、適切でない戦法をとったから必ずしも負けるとは限らない。単勝馬券を買う場合はむしろこのパターンがもっとも確率が高いかもしれません。
おそらく安定度でいえば1)>2)>3)の順だと推測されます。ただジリっぽい同馬が勝ちきるかと言われれば真逆になるような気もします。
もし、今回掲示板を外したことで次走でオッズが上がり狙えるとなった場合、こういった仮説を作っておけば騎手起用に応じて馬券の券種を変えることができますよね。

また、すぐに馬券に役立つかわからないような仮説を用意しておくことも全体を俯瞰する上で同じぐらい重要だと思います。
ブールバールの場合、福永騎手がもっていった「逃げないほうがいい」というイメージがルメール騎手に伝わってなかった可能性があります。
福永騎手とルメール騎手の間でそういったクセの共有が出来ていなければ、同じ乗り替わり、またはその逆(ルメール→福永)でふたたび齟齬が発生するかもしれません。
馬のクセと乗り替わりを組み合わせることで新しい「危険な人気馬」、または穴馬の発見に繋がるでしょう。
また、馬の情報は他の騎手だったら伝わる場合もあります。同エージェントなど騎手の位置関係と馬のキャラクター、結果などを組み合わせながら観察すれば、漠然と「福永→ルメールだから買い」ともならないし、消しともならず、じぶんだけの意見が持てるはずです。漠然と購入している人とはそれだけでも大きな差をつけることができます。
また、馬のクセは調教師から伝達されることもあるでしょう。ルメール騎手のように格高の騎手は「おまかせ」で「逃げないほうがいいのに逃げてしまう」場合もありますが、格が低い新人騎手などではこう乗ってくれとオーダーがあって騎手の技量の差とは関係なくうまく行く可能性があります。もちろん格が低い騎手が好走したほうが配当的な妙味が高くなるケースが多いのはいうまでもありません。調教師と騎手の間でどのようなコミュニケーションがとられているのか、また格によって指示が変わりそうなのか、馬主次第で意見が変わるのかなど騎手+調教師で観察すべきポイントは無数にあるのです。ブールバールのような馬を定点観測していくことで理解は深まるのではないでしょうか。

「ココを見た!」では競馬観を伝えるより、次走以降馬券を買って妙味があるかに絞って簡潔に紹介しているので、ここまで理由を書くことはありません。
たとえば今週ならヴィクトリアループ(12番人気12着)、先週ならオメガラヴィサン(8番人気14着)といった「そこまで人気になっていない大敗馬」を推奨しています。
闇雲に前走大敗馬を拾うよりは精度が高いと自負していますし、ちゃんと集計はしていませんが、おそらく次走ないし次2走ぐらいまでの回収率は100%を超えているはずです。
レース予想はせいぜい1レース3時間ぐらいが正直限度ですが、これに関しては膨大な時間をかけて全レースを見た上で3頭に絞っているので個人的にはもっとも注力している自信のあるコンテンツになっています。シンプルにリストアップして単複を買うでもいいし、予想のヒモに加えるでもいいでしょう。また、なぜその馬を推奨したかを考えるのも予想力の向上に役立つと思います。ヒノの取り上げる理由は私以上に高度ですし、もっと参考になるはずです。

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「ココを見た!」は一か月で4週だとして、4x6の24頭の注目馬を1か月で見ることができます。

話題になっているキンコン西野のような手法ではありますが、ご購買いただければ何よりで御座います。

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