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1.ヒノvsイクル【競馬放談】
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――創刊準備号の【日曜メイン対決】で予想してもらったアイビスSDから聞きたいところですが……。

ヒ:うなだれている人がいるねぇ。イクル、どうしたの?(笑)

イ:土曜の小倉4R・3歳未勝利戦でミーティアトレイルが勝ったじゃないですか。ハープスターやシンハライトを筆頭に、名馬が多く出ている「ノーザンホースパーク・マラソンの景品」としてPOGドラフト時に人気を集めた馬でしたから、単勝108倍での勝利には驚いた人も多いことでしょう……。

――まさか3連単105万馬券を獲った……わけないか、その様子では(笑)。

イ:人気が無さすぎるのでリバプールタウンと2頭軸で3連複を買ったら1、4着……。そこまで額を賭けていないとはいえ、痛恨のレースでした。10番人気5着のアドマイヤカラットも低評価でしたが、ノーザンF生産馬は軽い馬場ではよく走りますね。一方で断然の1番人気を裏切ったサトノエターナルもノーザン馬というのは皮肉でしたが……。

ヒ:そのレースね。何度か予想にチャレンジしたんだけど、突破口が見えなくて。結局、内枠の差し馬ってことでリバプールタウンの複勝を買って見てたら4着だった。あ、僕のこと貧乏神だと思わないでね……(笑)。ところで、サトノエターナル(単勝1.8倍の断然人気)は消えると思った?

イ:消えると思っていました。いままで7番枠より内の馬番しかなかったのに、いきなり13番と最悪に近い枠番で。しかも中京芝1600mの前走の内容がベストだと思っていて、今回は小倉芝1800mへと条件がガラリと変わりましたから。単勝1倍台のこのオッズならまったく塗る要素がなかったですね。

ヒ:そこまで読めていたに……(涙)。3連複2頭軸以外の馬券は考えなかったの?

イ:考えませんでしたね。最初からミーティアトレイルが勝ち負けと考えていればもう少し買いようがあったのでしょうけど……。

――それでもミーティアトレイルが買うに足る馬と判断したのは、どのあたりでしょう?

イ:オッズがつきすぎだと思ったのが主な理由ですが、+10キロで出てきた今回でも馬体重が446キロと軽い馬で、ダート戦や直線に坂のある阪神は合わない。開幕週の小倉なら坂もなく馬場もキレイだし、実際に3走前の小倉芝1800mでは9着とはいえコンマ6秒差と、そこまで負けていなかったので。減量騎手(川又騎手)の起用や、ノーザン馬の休み明けも買い材料でした。

ヒ:なるほどね。

イ:3連複2頭軸のオッズを見たら、2番人気のメラナイトが相手でも10万馬券だったので、競馬カンタンだな~と思って、そこで思考が止まりました(苦笑)。

ヒ:握手会がチラついたんだね(笑)。

イ:ですね(苦笑)。しかし自分が思っているよりずっとオッズがつく、いうなれば「不意の不人気馬」への対応は難しいです……。ヒノさんのほうがこういうケースは多いと思うのですが、どう対応されています?

ヒ:僕も苦手。オッズに目が眩んで、保険かけまくって、結局、ハズレて傷口を広げてばかり。複勝買うイメージで、3連複1頭軸ヒモ9~11頭流しって買い方を試しているけど、そういう買い方をするとだいだい相手に人気が来る(笑)。

イ:10番人気以下の馬は1番人気とセットで来ることも多いですからね。ヒノさんでも苦手なのか……じゃあ無理だ(笑)。

――まあ今回は残念でしたけど、こういう単勝万馬券ホースでも平然と軸に据えられるのがイクル君の強さというか、怖さというか。

ヒ:みんな本当にいつか人生逆転しちゃうんじゃないかと思ってヒヤヒヤしてるからね(笑)。

イ:逆転……したいですね。

――プレミアム版のオリジナルコンテンツでは、このミーティアトレイルみたいな“単勝万馬券級の穴馬”をピックアップしてくれるそうなので、これは楽しみですね。

ヒ:プレミアム版に申し込まなきゃ(笑)。

イ:なに言ってんですか(笑)。さすがにミーティアトレイルは出来すぎだと思いますけど……頑張ります。

【Point of View】8月の3歳未勝利戦は「ノーザンF生産馬の距離延長」がウマい!

過去3年、8月の3歳未勝利戦におけるノーザンF生産馬は延べ325頭が出走して勝率10.5%、単回値132円と妙味十分。特に「距離延長」に妙味があり、勝率14.8%、単回値232円と数字を押し上げる。ちなみに「距離短縮」では勝率8.7%、単回値92円なので、その差は歴然だ。

――ではアイビスSDに参りましょう。

ヒ:53秒8という凄い時計が出たね。ただ、台風の影響で、強めの追い風が吹いていたから、追い風参考記録なんだけどね。

イ:それでもカルストンライトオのレコードにはわずかに届きませんでした。当時はより風が強かったのでしょうか?

ヒ:単純比較は出来ないけど、昔のスプリント路線のほうがハイレベルだった気がするよね。ただ、追い風→向かい風で1秒以上時計が遅くなるから、向かい風だったらカルストンライトオでも53秒台は出せないと思う。

イ:土曜日の閃光特別は54秒9。決して遅い時計ではないですが、開幕週としては特段速くもない。これは風の影響はどのくらいあったのでしょうか?

ヒ:メンバーレベルを考えたら、54秒9でも追い風参考と思うけど……。あと、勝ちタイムが読めても、勝ち馬がわかるわけじゃないから難しいんだけどね(苦笑)。アイビスの予想もハズレちゃったし。イクルはどうだった?

イ:僕もハズレました。勝ったダイメイプリンセスを相手にとどめ、アペルトゥーラ(10番人気7着)を本命にしましたが、好時計決着で検討違いでしたね。

ヒ:1、2番人気で決まるようなレースは我々の出番じゃないしね(苦笑)。

――もう“直千”はファンがアジャストして、人気を買うコースになっちゃったんですかね?

イ:とはいえ、昨秋にウーマッハが勝つまで1番人気が23連敗していましたから。そもそも“直千”で人気になるような馬はバリバリ強いわけではないですし。

ヒ:バイアスと不確定要素のバランスが非常に悪辣なんで、理路整然と説明しようとすると、支離滅裂になっちゃうんだよね……。捻くれた考え方する人間には向かないコースじゃないの? 外枠や西田騎手を素直に買ったほうが当たるから。

イ:とはいえラブカンプーの好走は予見出来ないものでした。“直千”経験がない馬の適性を見抜くコツはあるのでしょうか。

ヒ:デムーロで51キロだから普通は買うんだよ。我々は無理矢理にアラを探そうとしているだけで……。

――おふたりの中で「〇〇な馬を狙うコース」みたいなキャッチーな狙い目はありますか?

ヒ:向かい風のなか「遅い時計で圧勝した馬」は買いなんだけど。ダンシングワンダーの邁進特別(9番人気3着)とか、バレるまでよく買ってた(編註…同馬は2走前の稲光特別を56秒8という遅い時計ながら2馬身半差の圧勝)。

イ:タイムトライアルみたいな“直千”で「遅い時計を評価する」というのは面白いですね。一般的には逆の思考でしょうし。

ヒ:でも、ダイメイプリンセスみたいに1戦でバレちゃう馬もいるから……。ダイメイプリンセスが初めて“直千”を走ったときが、56秒3という平凡なタイムの勝ちだったのに、次走で1番人気に推されちゃって、向かい風で時計の遅い強い馬が美味しく無くなった瞬間だった。ファンが時計を気にしないのか、風を意識しているのかはわからないけど。

イ:一般の人は……というか僕もですけど、風がまったくわからないですから。風を意識している、というのはなさそうですけどね。

ヒ:風は、ひたすら、天気予報とリプレイに映り込んでる旗を見る(笑)。風の馬券師・小林弘明さんの教えを忠実に守っているから。

――ほかに何か注意点というか、直線競馬で意識することはありますか?

ヒ:GⅠくらいハイレベルなレースになると、詰まらずスイスイ行けちゃうと脚が弾けない――だから、ちょっと詰まるくらいがちょうどいい、っていうけど。直線競馬はまさにその現象が起きていて、騎手が詰まらず競馬しようと思ったら、ゴールまでひたすら詰まらず競馬できちゃうから、それで脚が溜まらない、というのはありそう。あえて詰まる意識が、騎手の巧拙になっているかもしれないなぁ。

――普段は消極的で引っ張る騎手が総じて得意とかありますかね? 実際、今年はそういうジョッキーである秋山騎手が勝ちましたし。

ヒ:ダイメイプリンセスは見事に詰まってたじゃない? 秋山騎手といえばベッラレイアだけど、惜敗したオークスでスムーズに運べすぎたことを反省していたし(笑)。

イ:ローブデコルテの年でしたっけ? あの年のオークスは流れが速かった。流れが速いと脚が溜まらないといけないのかな。

ヒ:アイビスのパトロールを見ると、ずう~っと何処が開くか探しているように見える。一旦、外ラチ沿いを狙おうとして、すぐに思い直して内に切れ込んで行ってない?

イ:そこで脚が溜まったのが良かった、と。

ヒ:だと思うな。

【Point of View】直千でオイシイ!? 「遅い時計で圧勝」と「あえて詰まる意識」にアリ!

一般ファンが風まで考慮するのは手間だが“直千”を「遅い時計で圧勝」した馬がいたら、向かい風を克服した強い馬の可能性がある。追いかけてみるとオイシイ馬券にありつけるかも。また、“直千”では普段消極的な騎乗が目立つ騎手を狙うと、かえって脚が溜まって弾ける可能性も……!?

イ:もう少しヒノさんに聞きたいんですけど。ダイメイプリンセスの秋山騎手は、そのまま外に出しても抜け出せそうでしたけど、それをしないで内に切れ込んだあの騎乗がより確実な選択だったんですかね?

ヒ:早めに1頭下がってくれれば、そこに進路が出来るけど、そんな感じには見えなかったし。馬と馬の間も常に一定じゃないから、1頭分のスペースがあるように見えても、すぐになくなることもあるし。そこが騎手の勘を働かせるところなんじゃないですかね?

イ:なるほど、そこは先週から来日したモレイラ騎手の上手いところですね。

ヒ:おっと、これは大きな釣り針(笑)。クイーンSでは、竹之下騎手(逃げバテたティーエスクライ)のヒップアタック食らっていたよ?(笑)

イ:馬が弱いから前につけざるを得なかったですもんね。

ヒ:じゃあ、あれは馬の能力不足をカバーするために、少しでもロスを減らそうとイン先行にこだわった乗り方だったと?

イ:それはあるんじゃないですか。もしくは適当か(笑)。強い馬ならディアドラの進路でしょうし、内外の差があっても後ろだったのでは……まあ仮定の話すぎますがね。馬のタイプもあるでしょうし。

ヒ:モレイラ騎手は「直線に向いてすぐに馬をトップスピードに乗せ、266mしかない直線では後ろからは差せない」って札幌専用の騎乗ばっかりで。それが出来るのが凄いのかもしれないけど、ルメール騎手とか、これまでの騎乗スタイルを捨てて、札幌専用ジョッキーには絶対にならないでしょ。モレイラが勝てない東京でたくさん勝ちたいわけでしょ(笑)。

イ:タイセイパルフェはどう見ました?

ヒ:質問の意図がよくわからないけど(笑)。誰が乗ってもだいたい勝てる馬なのに、出遅れて、砂被せて大ピンチに追い込んだっていえばいいの? それとも、あの苦しいシチュエーションからよくリカバリーしたって褒めればいいの? 両方足して、普通だと思う(笑)。

イ:一般的にあの勝ち方は追えるように見えるんですよね。だから上手い、みたいなのはあるんで、モレイラ騎手を上手くないと評するなら、そっちもちゃんと否定してほしいなと。

ヒ:今週はルメール騎手が新潟に回るけど、ノーザンは新潟担当をルメール騎手じゃなくてモレイラ騎手にして欲しい(笑)。乗ったことのない、直線の長いコースで見てみたい。

イ:溜める競馬だと微妙、と思ってらっしゃる?

ヒ:香港も競馬場の数多くないし。ワンパターン戦法が何度でも通用するコースはもういいから、違うところでどういう騎乗を見せてくれるかに興味がある。溜めないかもしれないし。新潟外回り直線入り口でトップスピードかも(笑)。

イ:外回りなら、溜めるとは思いますよ。乗るのはノーザンの馬ばかりですし。“直千”とかは皆目見当もつきませんが(笑)。

――モレイラ騎手に関しては、日曜最終の道新スポーツ賞のテラノヴァ(2番人気1着)の騎乗を絶賛するツイートをあちこちで見かけましたが、おふたりはどうご覧になりました?

イ:普通にインから抜け出しただけでは?

ヒ:レースリプレイを見るとゴール前でルメール騎手のフローレスマジック(1番人気2着)が迫って来てるように見えるけど、公式の上がりタイムは2頭とも33秒7で同じ。これはモレイラ騎手とルメール騎手の脚の使い方の違いがハッキリ出たレースなんじゃないかな。ルメール騎手もモレイラ騎手を意識して早めに動いているんだろうけど、いかんせん直線が短い(笑)。だからって、ルメール騎手は全面的に騎乗スタイルを変えたりしないわけで。

イ:ヒノさんはそこに落としこめようとしますけど、僕はそれは違うと思うんですよね。香港ではデザインズオンロームもエイブルフレンドも追い込みだったじゃないですか。逆に僕は、ルメール騎手に対応力がないような気がします、むしろ。まあ今回は乗っているのがちょっと難しい馬だったんで、このレースこそ鞍上が逆で見たかったですけどね。

ヒ:ルメール騎手に対応力を感じないのは確かだけど、だからって、モレイラ騎手に対応力があることにはならないと思ってる。そこを見てみたい。ヴィブロスのドバイターフだって陣営の指示だし。

イ:戦略がワンパターン、みたいのはわかるし、そこはネックに見えます。ただし、僕は香港での騎乗を考えても、モレイラ騎手がそこまで前に行くのが好きな騎手だとは思わないんですよね。それが指示だとしてもハマっていたわけじゃないですか。よくわからん競馬場、馬で取りあえず前に行っておくのは対応力のひとつだと思います。

――いつになくアツいですね。

イ:あと、追える追えないは避けずにしっかり判断してほしいですね。やっぱりそこがキモみたいなところはあるじゃないですか。先行は出来るけど追って微妙……みたいな騎手はたくさんいるのでしょうし。この辺の機微をぜひお聞きしたかった。ここも特筆出来ないなら出来ないでバッサリほしいところです。

ヒ:政治騎手って本を読んで貰えればわかるけど、僕は日本競馬においては、騎手の技術はどうでもいいと思ってる。それよりも、自分の乗る馬の特徴や、相手の特徴、馬場状態、風、それらを踏まえて展開がどうなるか、さらにレース中の駆け引き。こっちのほうが圧倒的に騎手の巧拙を決めると思ってる。結果が騎手の上手さも真理だけど、それじゃあまったく馬券の役に立たない。クイーンSもモレイラ騎手以外は、ティーエスクライがバテて下がってくることをわかっていて、あらかじめ外に避けていたけど、そんなのプロなら当たり前でしょ。

――追えるという部分に関してはどうです?

ヒ:追える追えないってみんなよくいうけど、それも9割以上が馬の能力でしょ。先行できるけど追ってイマイチの騎手も、僕にいわせたら、向かい風で押していったとか、ほとんどがバテるにたる動きを道中してる。追える追えないは関係なくて、馬が強けりゃそれでも持つってだけじゃないのかな? だから、モレイラ騎手は駆け引き≒戦略力が高い可能性もあるけど、判断材料が少な過ぎるから、色々な条件でみてみたいってのが正直なところ。今日の大井も見てたけど収穫なかった……。

イ:日本と海外の違いはどこにあるのでしょうか

ヒ:馬場がタフだから、いわゆる技術がモノをいうんじゃない? エプソムダービーだと、溜めて溜めて直線勝負以外の選択肢がないでしょ? だから、スローの一団のおしくらまんじゅうになるわけで、少しでもロス減らしたいし、それができるくらい流れも遅いから、馬と馬の距離も近くなる。日本の競馬場も、芝丈を長くして、水撒きまくって、高低差50mくらいにしたら、駆け引き関係ない欧州チックな競馬になるでしょ。今の日本でおしくらまんじゅうしたら、大逃げ決まりまくりだし、外マクリもバンバン決まるでしょ。

――モレイラ騎手によって思わぬボリュームになってしまいましたので、とりあえず今週はここまでにしましょう。モレイラ騎手については継続審議ということで、次週以降も折に触れて取り上げていきましょう。

【Point of View】モレイラ騎手の真の実力は!? 戦法がワンパターン? それが対応力!?

今年も札幌にモレイラ旋風がやってきた。先週の2日間だけで7勝を挙げるなど、【7.2.2.6】で勝率41.2%、複勝率64.7%、単回値124円の大暴れ。ただ、昨年の安田記念デーの東京で、2勝を挙げたとはいえ、精彩を欠いたのは明らか。JRA騎手試験の受験も明言しており、今後ますます目が離せない。ちなみに、前付けのワンパターン戦法がよりハマるダートのほうが信頼して買えるのが毎年の傾向で、今年も同様だ。

※各馬への評価は、あくまでも馬券的な扱いについての評価であり、他意はございません。ご気分を害された関係者の皆様にはお詫び申し上げます。

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2.ヒノは先週のレースのここを見た!(7/28,29)
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1)日曜札幌3R:ナポリタン(12番人気12着)

1着馬が4角10番手、2着馬が4角6番手、3着馬が4角5番手。レース上がりが40秒0で、後方でジッとしていた馬が上位を独占するズブズブのレースとなった。そのズブズブの展開を演出したのはモレイラ騎手。というのは、モレイラ騎手はダートでは砂を被らないポジションで競馬することを優先的に考えるので、ネル(1番人気10着)のように最内枠で先行力のある馬に騎乗したら逃げるであろうことは誰にでも予測できる。他の騎手もモレイラ騎手を放置しておかないので、当然のようにマークされて息を入れる隙を与えてもらえなかった。このレースから次走の狙い馬を探るとなると、普通なら、前に行って粘ったメイショウアドリア(4番人気4着)やミツオサウスポー(3番人気5着)とになると思うが、爆穴をみつけることが目的でもある。敢えてナポリタンを抜擢したい。
12番人気で単勝93倍の馬が2秒差の12着に負けているので、次走人気が下がることはあっても、上がることはなさそう。心配なのは勝ち上がりをあきらめてしまって抹消されることだが、開幕週の札幌に合わせて馬を持ってきているので、もう一戦くらいは使ってくれるだろうと判断。(前述のとおりで)きつい流れを向こう正面で外からマクリ気味に進出。3、4コーナーは強烈な向かい風だったのだが、前を行く3頭に追いつけば勝てると思ったのか、そこで一気に脚を使い切ってしまった。展開を考えてじっくり運べば違った競馬になっていた可能性があるし、きつい流れでポジションを上げる機動力を見せたということは、ダート適性の証明にもなるのではないだろうか。一変の可能性を秘めていると思う。

2)土曜札幌4R:シネマソングス(4番人気3着)

前走はスタート直後に落馬競走中止。馬の能力が完全にブラインドになっていたので、おいしい馬券にありつけるのではないかと、密かに狙っていた馬。辛うじての3着とはいえ、盛大に期待を裏切られてしまったので、次走もう一度狙おうとこのコーナーで取り上げることに。1コーナーで大きく外に振られるロス。ただ、砂を被りたくなくて、わざとの可能性がある。寛大なヒノはその程度では怒らない。しかし、実は砂を被っても平気なのか向こう正面でインに入れるし、(内に入れたことが裏目で)3コーナー過ぎからはバテて下がってきた馬が邪魔で上がっていけずに、前との差がぐんぐん開く。さらに、4コーナーでも詰まってブレーキ。結果は離された3着だが、あれだけのロスを考えれば、楽勝していた可能性も十分にある。

→次走、3番人気1着! 単勝690円!!


3)日曜小倉9R:ナンヨープルートー(7番人気4着)

原因不明の惨敗を喫した馬よりも、力を出し切っても馬券圏内に入れなかった風の馬のほうが人気になりにくい印象があるので、4着とはいえ人気にならないのではないかと抜擢してみた。日曜の小倉は台風の影響で向こう正面が強烈な向かい風。ナンヨープルートーは向こう正面でマクってポジションを押し上げているので、見た目以上にきつい競馬をしているし、あれだけ長く脚を使って4着なら、次走はもっとやれるはず。1コーナーで同じような後方のポジションだったホーリーブレイズが3着と先着したが、こっちは向かい風の向こう正面で脚を溜めていた分の差で、レース内容ではナンヨーの圧勝だったはず。

→2走後、7番人気3着! 複勝420円!!
→3走後、6番人気1着! 単勝1210円、複勝280円!!

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3.イクルは先週のレースのここを見た!(7/28,29)
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1)土曜新潟5R:グレイシア(3番人気1着)

開幕週といえ、1分21秒6の勝ち時計は掛け値なしの速さだ。「1分21秒7より速いタイムで芝1400mの新馬戦を勝った馬」は94年以降、わずかに14頭しかいない。そのうち、2着に1秒以上の大差をつけた馬はエイシンバーリン、ノーブルジュエリー、エイシンカラット、グレイシアの4頭だけ。エイシンカラット以外の2頭はOP特別のレースを制しているならば、グレイシアも順調に行けばオープンクラスでの活躍が見れるはずだ。レースぶりも終始馬なりで、これだけの時計を出しながら試走に過ぎない走りだった。
ワンペースで脆い可能性もあるが、ゆくゆくは重賞タイトルを狙える素材だろう。当馬の馬主、吉田勝己氏の所有馬は2歳世代(5.1.2.3)で複勝率は7割以上と好調が続いている。セレクトセールを見てもノーザンFの生産馬を持ちたい馬主が多いのは明白だが、高騰している現状、手が出せないオーナーも多いはずだ。その救済として吉田勝己名義のオーナーズ(個人馬主による共有)にいい馬を回しているのではないか。今年のクイーンCを制したテトラドラクマやこのグレイシアのスピードはそれを証明する形になっている。吉田勝己氏名義の馬はノーザンF生産がほとんどで、好走率が高い割に人気にならないため、馬券的に美味しい。メドウラークの七夕賞も記憶に新しいところで、古馬を含めマークしておきたい。

→次走、1番人気1着! 単勝140円、複勝110円!!

2)土曜小倉4R:ミーティアトレイル(13番人気1着)

この時期の3歳未勝利戦に出てくるノーザンF生産馬の「買ってはいけない」条件はふたつある。まずは「前走からの距離短縮」で、この臨戦過程ではほとんど馬券にならない。なぜなら、距離短縮でアッサリ勝てるほどスピードがあるなら、さっさと勝ち上がっているからだ。そして、もうひとつが「ダート戦」。毎年ダービーを目指す同ファームの生産馬にはダート向きの馬は多くない。勝ち上がれずに仕方なくダートを使う馬は出てくるが、適性がないため好走できないのだ。裏を返せば、その逆の条件に「買ってもいい(穴)馬」が潜んでいる。「前走と同距離もしくは距離延長」か「ダート→芝替わり」を狙えばいい。単勝108.1倍で勝ち上がったミーティアトレイルは前走がダートで今走は芝。さらに、距離は同じ1800mと狙える条件が揃っていた。

3)土曜札幌5R:ライデンシャフト(10番人気6着)

単勝7番人気のサクララージャンと調教では互角かそれ以上の動きを見せていた馬。しかし、当日はサクララージャンが7番人気(単勝59.1倍)だったのに対し、当馬は124.6倍と2倍以上のオッズ差があった。新馬戦のオッズには、過去走がないぶん、その馬の持つブランド力が人気に反映されやすい。当馬はよほどブランドがない馬なのだろう。大穴を連発したミナレットがデビュー戦から単勝万馬券で勝利したように、稀代の穴馬は新馬戦で不人気なことが多い。こうした例は枚挙に暇がなく、未来の穴馬を見つける際に新馬戦のオッズを確認することはひとつの手段になるのだ。翻って本馬だが、ブランド力が皆無なのはわかったが、肝心のレースぶりが伴わなければ仕方ない。だが、その点も大丈夫だろう。というのも、レースでは発馬で大きく出遅れながら終いはラスト3ハロン2位の末脚を見せた。ゲートに課題は残すものの、脚力は十分にある。未来の穴馬候補として、ぜひストックしておきたい1頭だ。

→次走、1番人気1着! 単勝280円、複勝120円!!


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