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アメリカの砂漠

※2022年1月に公式LINEにて配信されたコラムを編集し再掲したものです。



親愛なる友だちへ、ひねもです。

年始は”灼熱大地の男たち”を見て過ごした。


アメリカの砂漠で過酷な生活をする男たちのサバイバルドキュメンタリー。


酔っ払って見ていたので細かいディティールはあまり理解しないまま見始めてしまった。

が、めちゃくちゃ面白い。


登場人物は5人。


チワワ砂漠の”ハウディ”はいわゆるカウボーイ。

現代でも開拓時代的生活を営むカウボーイがいるとはビックリだ。

ハウディは馬じゃなくラバに乗る。

ラバは2、3日くらい水を飲まなくても大丈夫らしい。

初めて知った。

通は馬じゃなくラバに乗る。

もはやカウボーイじゃなくラバボーイ。

いやまぁカウボーイはカウには乗らないけど。。

馬の調教や牛の捕獲、泥棒の追跡等が仕事。

ピストルを腰に挿して、投げ縄で牛を引っ捕らえる。

暇な時は動物の骨を拾って売る。

足跡や枝の折れ方で追跡するシーンがカッコよかった。

映画で見るピンカートン探偵社そのまんまだった。

老体で荒野を一日中走り回る。



ソノラ砂漠の”ジェイソン”は父親、奥さん、娘と4人で生活している。

メキシコとの国境が近く、密輸ルートに近い場所に住んでいる。

街までは数十キロ。

そのため自衛するしか手段が無い。

ボロボロの車を自力で補強する。

“砂漠では全ての物を何かで代用するしかない”

というセリフが印象的だった。

水さえ安定して手に入らず、離れた場所まで泥水を汲みに行く。

家族4人分の水400リットルを確保するのに池まで何往復も。

濾過しても茶色い水。

気温は40度以上。

熱中症になりかけながら水汲みをする。


ハイランド砂漠の”チャーリー”は1人でインディアン的原始生活をしている。

自分で作った弓を最高にカッコよくしたいという中二病的ワンパクおじさん。

弓の持ち手にガラガラ蛇の皮を巻きたいと、知り合いの蛇おじさん(この人も砂漠に住んでいる)と洞窟を探検したりと楽しそう。

冒険する中で飲み水が見つからず脱水症状になりかけパニックになるシーンがリアルだった。

矢尻用の石を探す為に入った洞穴では土砂崩れが起きる。

少しでも遅れていたら生き埋めになっていた。

石で家も建てる。

明るい性格でタフネス。


レッドロックキャニオン砂漠の”デヴィッド”は石採り名人。

大家族を養う為に砂漠に行き何週間もかけて鉱石探しをする。

登場人物の中で一番好き。

途中から息子と2人で旅をするんだけど探しているのは

”太陽にかざすとキレイに光るオレンジ色の石”

という。

光る石を探して果てしない荒野を息子と旅するなんてまるで漫画みたいだ。

名前が確か”オレンジアラバスター”という石で。

それを掘り出すのに使うのもオリジナルな”掘り棒”とかいう木の枝の束。

息子は

“ツルハシやスコップを使えば良いじゃないか”

と 言うんだけど

“そういうのを使うと石が割れたりする危険があるしナチュラルじゃないね”

と。

自然破壊はなるべくしたくなくて、ほんの少し大地から恩恵を貰うだけだってスタンス。

何十キロもの石を背負って砂漠を旅する。


デス・バレー砂漠の”リック”は退役軍人で、砂漠からスクラップを拾って生活している。

登場人物の中では唯一の街に住んでる人。

街と言っても数十人しかいない集落だけれど。

とはいえ他の出演者はみんな街まで数十キロの距離で生活している。

親友も誘って移住してていつも2人で砂漠に出かけて楽しそう。

爆弾とか危険なモノが好き。

酷暑の砂漠で車を盗まれたりマッドマックスっぽい世界観。



以上のキャラクター豊かな5人が登場する。

砂漠でのサバイバルを見ているとやはり人間には水が必要不可欠なのだなと改めて思った。

でも水1リットルは当たり前だけど重さが1キロあるわけだ。

徒歩移動で必要な分を持ち運ぶには限界がある。

そのため常に脱水症状の危険と隣り合わせでいる。

行動もかなり制限されてしまう。

蛇口をひねれば水が出る生活してる僕には想像も つかない。

とはいえ、このドキュメンタリーに出てる人たちは自ら望んで砂漠にいる人々。

そこは原住民とは全然違う。

元々は都会の暮らしをある程度は知っているわけで。

ジェイソンの父親は薄型テレビが欲しいなぁとか、そういったことも言うのです。

ウサギや蛙を本当に最高だ!!と思って食べてるわけでもなさそう。


やはり”知ってる”って辛いなぁと。

最初から砂漠で生まれ育って色んなことを知らなきゃそういうもんだと思って生活できる。

でも文明の利器を知ってしまっているとどうしても比べてしまう。


全員、痩せ我慢的な雰囲気はあるのです。

自分がどこまでやれるかを試しに砂漠に来てるわけで。

あえて過酷な状況に身を投じる。

なかなか見れない貴重な映像でした。



ブラザー、シスター、最後まで読んでくれたお礼に豆知識をプレゼント。

オスのウマとメスのロバの間に生まれるのが“ケッテイ“。

オスのロバとメスのウマの間に生まれるのは“ラバです。

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