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ソフトバンクでiphoneを買ったら、知らない間に割賦契約させられていた話

「スマホを買ったら、知らない間にSDカードを買わされていた!」
「料金明細を見たらよくわからないものが引き落とされていた!」

携帯電話は、今や一人一台持っているのが当たり前な時代。それなのに契約はとてもわかりにくく、こういったトラブルを耳にすることも多くあります。

今回は、私の母がソフトバンクショップで勝手に割賦契約を組まされていた件について。

記事前半に「事の発覚、契約時の店員とのやり取り・キャンセルの電話など今回起こったこと」、後半では「どうしたら回避できるのか・注意するべき点」について、携帯電話販売をしていた経験をふまえてまとめていきます。

※ブログ「ヒナスイッチ」 2017年10月9日の記事に加筆修正し、こちらに移動しました

事件発覚

ある日、母からケータイを新しくしたと連絡を受けました。

私「えぇ?!替える時は相談してって言ったのに!」

母「急に壊れたから焦っちゃって・・・それでね、その後から料金が高い気がするんだけど、気のせいかなぁ」

あぁもう、この時点で嫌な予感しかしません。ともかく母の話を聞いてみることにしました。

契約した時のこと(母の話)

母いわく、その日iPhoneが壊れてしまい、困ってソフトバンクショップに駆け込んだそうです。

以下は母から聞いた、店頭での会話です。

・・・・・

母「携帯がないと困るので、今この場で変えたいです。何もわからないので、とにかくiPhoneの安い機種にして下さい」

店員「そうですか・・・今はこの機種(iphone7)しかないんです。こちらでしたら今すぐ機種変更できますよ」

母「わかりました、じゃあそれでいいです。画面のフィルムとかって必要ですか?」

店員「この機種に、今ならフィルムとフラッシュメモリが付いていますよ」

母「フラッシュ・・・なんですかそれ?わからないし、あっても使えないのでいりません」

店員「気にしないでください、高い機種なのでいろいろ付いてるんです。フラッシュメモリは、パソコンがなくてもデータを取っておけるものですよ。
使い方がわからなくても、持っておけばいいです。付いてるものなので

・・・・・

以上の会話の後、母はiphone7に機種変更。

付いているというフィルムをその場で貼ってもらい、フラッシュメモリは未開封のまま置いてあるとのことでした。

・・・・・

引っかかる点はたくさんありますが、何より大きな問題は「割賦契約」です。

会員ページ(マイソフトバンク)で契約状況を確認したところ、機種変更と同時に付属品の割賦契約(1,005円✕24回=24,120円)が組まれていました。 

ところが、契約時にもらった書類は機種変更についてのみ。付属品の契約書は何度確認してもありません。

私「『付属品の契約書です』って見せられたものはない?サインした覚えは?」

母「わかんない・・・でも『付いてるから』としか言われなかったよ?いらないって言ったし、買ったことになるなんて聞いてない!」

本人がまったく気が付かないうちに、店員が「付いてる」と言ったはずのフィルム3,780円とフラッシュメモリ20,340円の割賦契約を組まされていたようです。

・・・・・

割賦契約以外にも引っかかる点はあります。

「iphone7しか在庫がない」って本当だったんでしょうか。母が何もわからないのをいいことに高い機種を売りつけただけなのでは?

「付いている」と言われたフィルムは、3,780円の強化ガラスタイプのものでした。もっと安い商品もあったはずです。母はただ「フィルムって必要ですか?」と聞いただけ。わからないのをいいことに高い商品の割賦契約を組ませたのでは?

母から伝え聞いた話なのでどこまでが事実かはわかりませんが、それにしてもひどいと思います。

契約キャンセルまでの流れ

今回の割賦契約は無効なはず。絶対にキャンセルする。

そう決めたのは良いものの、知識がない母がキャンセルを訴えたところで、言い負かされるのは目に見えています。

かといって私が「母の件で」と電話しても「ご本人でないと対応できません」と門前払いにあうのはわかっています(過去に似た事例を経験済)

そこで今回は、母に直接ショップに行ってもらい、母の携帯電話から私が交渉することにしました。

少し長くなりますが、以下が私と店員のやり取りです。

・・・・・

私「母がそちらで契約したものに関して確認させてください。強化ガラスととフラッシュメモリの割賦契約が組まれているようですが、母は契約した覚えがないと言っています。契約書もないようですが、どうなっているのか確認してもらえませんか?」

店員「・・・少々お待ち下さい」

店員「調べたところ、割賦契約は組んでいないと思うのですが・・・」

私「組んでいない?では会員ページに表示されている『付属品1,005円✕24回』は何のことなのでしょうか?」

店員「・・・確認してみます」

店員「保護フィルムとフラッシュメモリの割賦契約を組んでいました。機種変更のご契約をされたあと、別で付属品の契約をされています。その間に説明をされているかと思うのですが」

私「フラッシュメモリに関して、母は『使い方がわからない』『いらない』とハッキリ言ったそうですが?それに対して『iphoneに付いているから持っておけばいい』と、○○さん(店員名)に言われたそうです。母には買ったという意識はまったくありません」

私「そもそもこちらに割賦契約の控えがありませんが、どうなっているのでしょうか?母はサインをしたのですか?」

店員「キャンセルということになりますと、料金調整をして、今までお支払した分も返金させていただきまして・・・」

私「キャンセルできるということですね?」

店員「センターの方に今から問い合わせをしてみるので、それ次第でキャンセルができるかどうかは・・・」

私「ではすぐに問い合わせて下さい」

店員「フラッシュメモリは未開封のため、そのまま回収となります。今までお支払いいただいた分は料金調整し、割賦契約は削除できます」

私「詳しく説明してください」

店員[「1,005円✕24回で割賦契約を組んでいただいており、すでに3回お支払いいただいています。その3回分は翌月か翌々月にご利用料金の方から引く形になります。残っている割賦契約は削除します」

店員「フィルムとフラッシュメモリに関しては、センターに送り返すため回収となります。よろしいですか?」

私「フィルムは、今付けているものを剥がすということですか?」

店員「そういうことになります。新しいものが必要であれば、購入していただければと」

私「一応お聞きしますが、おいくらですか?」

店員「157円の24回払いで・・・3,780円です」

私「あ、いらないです」

店員「では、この場はフィルムを剥がして終わりとなります」

私「この件に関しての書類は?サインは必要ないんですか?」

店員「書類は出せないんです、サインなども必要ありません。口頭のみでのご案内になります」

・・・・・

私と店員の会話はここで終了。その場でフィルムを剥がして返却し、母も帰宅となりました。

数日経ってから会員ページを見ると、割賦契約は削除・支払い済分(1,005円✕3回)が利用料金からマイナスされていることがわかりました。

「センターに聞かないとキャンセルできるかわからない」という言葉はなんだったのか。ソフトバンク側から連絡が来ることはもちろんなく、この件はただ『何もなかった』ことにされたのだと思います。

携帯電話は「必要がなくてもセットで売れ」がフツウ?

本人の承諾なしに割賦契約を組ませるなんて、絶対におかしいことのはず。それなのに、携帯販売業界にはこういった売り方が溢れています。

今回の件も、もし私が動かなければ総額24,120円を騙し取られていたことになります。

母「なんでそんなことするの?いらないって言ったのに、なんで?」

本当に「なんで?」ですよね。

ここには、携帯販売スタッフが受けている教育(売り方)が関係していると思われます。

・・・・・

私は一時期、家電量販店内のauスタッフとして働いていました。

そこで教わったのは「客が欲しいものだけを売っていたのでは儲からない。他のものを一緒に買わせなくてはダメ!」という売り方。

「一緒に買わせるもの」とは、

子ども用ケータイ
高齢者向けの簡単ケータイ
月額制のデジタルフォトフレーム

などなど。こういったものを、言葉巧みに何とかして一緒に売りつけるように指導されるんです。

たとえば広告に「iphoneが今日だけ○○円!」とお得な情報を載せた時は「客にはセット販売が必須ということにして、必ず子ども用ケータイかフォトフレームを付けて売れ」と言われました。

本来はそんな決まりはありませんし、もちろん広告にも書いてありません。それでも店舗スタッフには「iphoneのみでの販売は禁止」「広告に書いてないと言われたらうまくごまかせ」という指示が出されていました。

もちろんセット販売のすべてが悪いわけではありません。子ども用ケータイやフォトフレームもうまく使えば便利な商品ですし、お得なキャンペーンと組み合わせれば買う側にもメリットがあります。

ただ、買う側がわからないまま「とにかくセットだから」と売りつけるのはやっぱり納得がいきません。

あるキャンペーンでは「セット販売が必須です」という店員と「単体でも購入できますよ」という店員が混在。どのスタッフに当たるかで販売内容が違う、なんてこともありました。

・・・・・

私が働いていたのは家電量販店で、そこでは「スマホ」「子ども用ケータイ」などの機種そのものしか販売できませんでした。

「auショップ」「ソフトバンクショップ」などキャリアの直接店舗では機種だけでなく、SDカード・充電コードといった付属品も一緒に購入することができます。

ここで便利なのが割賦契約。

付属品を携帯本体と一緒に24回払いにしてしまえば、月々の支払いはほんの数百円で済みます。しかも毎月の利用料金と一緒に請求されるので、数百円プラスされたところでほとんどの人は気づかないレベル。

これを悪用されたのが、今回のパターンです。

どうしたら防げるのか

では、どうしたらこういった詐欺(あえてこの表現を使います)を避けられるのか。

これはもう「詳しい人に相談する」「携帯電話を買うときは一緒に来てもらう」に尽きると思います。

携帯電話の契約って、正直とても面倒です。

よくわからないし時間もかかるし、話を聞いているうちに疲れてしまって「言われたところにサインしておけばいいや」となってしまう気持ちもよくわかります。でもそれだと、本当に危険なんです。

わからないときは、契約を確定する前に詳しい人にチェックしてもらってください。

店舗についてきてもらうのが無理なら、電話で相談するだけでもいい。契約書の写真を送って見てもらうのもオススメです。

・・・・・

携帯電話を購入する際、気をつけるべき店員のセリフがあります。

たとえば、

「これはゼロ円です」
「セットでの販売です」
「タダなので、使わなくても持っておいて損はないです」

など。この言い方の裏には、

「これはゼロ円です(あくまで実質ゼロ円、割賦契約はあります)

「セットでの販売です(本当は単体でも買えるけど、セットで買ってくれたらラッキー)

「タダなので、使わなくても持っておいて損はないです(今日この場での支払いはタダ、こっそり割賦契約を組んでおこう)

なんて売り方が隠れていることがあります(もちろん本当にお得な場合もあります)

特にオープンセールなどキャンペーン時は要注意。売上を伸ばすため、無理なセット販売をされることがあります。うまく活用してお得に買うにはテクニックがいるので、ぜひ詳しい人と一緒に挑んでください。

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「知らない間に買わされていた」という状況を避けるため、携帯電話の料金明細は毎月きちんとチェックすることをオススメします。

よくわからない方は、ここもやっぱり詳しい方に見てもらうのをおすすめします。

もし知らない契約をさせられていたら

もし、今回の母のように、勝手な契約を組まれていたら。

基本的にはキャンセルできるはずです。

自信なさげに訴えるとまず話が通らないので、毅然とした態度で。クレームではなくあくまで正当に、店員に言われたことと事実が食い違っていることを訴えるのがポイントです。

契約した時間・対応した店員名などを伝えると、話が早く進むこともあります。

もし断固として向こうが折れないようなら「わかりました、消費者センターの方に相談してみます」と言うだけでも効果があるとか。

もちろん、そんな事態に巻き込まれないのが一番なのですが・・・

・・・・・

別のソフトバンクショップにて、叔母もやられました。

スマホ(Android)を購入すると「この機種だと容量が足りないからSDカードが必要」「一緒に買わないとこのスマホは使えない」と言われ、中にSDカードをセットした状態で渡されたとのこと。

もちろん、SDカードがないと使えないなんて事実はありません。不思議に思った叔母が私に相談してきたことで発覚しました。

店舗に行って「店員は絶対に必要なものだと言ったが、そんなことはないと聞いた。どういうことなのか」と訴えた結果、あっさりキャンセルできたとのことでした。

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