エソラゴト 名前の呼び方

エソラゴトであまねがヤシロを呼ぶ時、『ヤシロさん』呼びと『八尋さん』で表記揺れがある謎について、ちょっと本気出して考えてみました。

いろんな解釈があると思うし幻覚解釈甚だしいのでいや!!私はこうだと信じています!!という方は閲覧しない方がいいかもしれません。。
いろんな幻覚があるんだな~!くらいの気持ちで見て頂けたら嬉しいです。

まず前提として、エソあまねのヤシロさん呼びの表記揺れはシーン毎です。つまり当然写植ミスではなく先生が意図的にこだわりをもって変えていることになります。

【9巻 第41の怪】冒頭~映画デートお誘い⇒『ヤシロさん』
【9巻 第43の怪】プール掃除回 ⇒『八尋さん』
【9巻 第46の怪】天体観測⇒『八尋さん』
【9巻 第49の怪】「一緒に逃げよう」後⇒『ヤシロさん』
【9巻 第50の怪】筆バキ正体明かし回⇒『ヤシロさん』

こう見ると、プール掃除と天体観測はまるっと『八尋さん』呼びなんですね。

私は、この表記揺れは花子くんの意識の差だと思っています。

そもそも9巻冒頭は、ヤシロと光くんが気付いたらエソラゴトの世界に迷い込んでいたように、花子くんも気付いたら絵の中だったはず。状況把握が早かっただけで。

冒頭のHR時点では、
花(これは……四番の絵の世界か? だとしたら狙いは何だ…?ともかく今は様子を見るか…)

くらいに思っていたのではないでしょうか。
すぐにでも壊すことはできたけど、走って入ってきたのは愛しい助手で、今の自分は夢を見ることすら許されなかった彼女のクラスメイト。
四番の狙いはわからないけど、この時花子くんはこの虚構をすぐに手放すことを躊躇ってしまった。
だってそれは、本当の俺達には絶対にありえない夢物語だったから。

というわけで冒頭時点では柚木普のフリをしてはいるけど花子くんは結構楽しんでいたんだと思います。
クラスメイトだったらこんな風に話せるんだ、サッカーでゴール決めてちょっとカッコイイところ見せたいな、ああハイタッチもしてみたいな、頑張って!なんて爽やかに声かけちゃったりして、
……デートだって、誘ってみたりして。

「ヤシロさん、こーいうの興味あるでしょ?」
ヤシロさん呼びをしているこの時は、まだ"柚木普のフリをした花子くん”だったんじゃないかな。
いやずっと花子くんなんだけど、花子くんの気持ち的にね。クラスメイトの柚木普を楽しんでいたんじゃないかなあと思います。

ちょっとの間楽しんだら、「俺だよヤシロ!びっくりした?」なんて笑ってみせて、こんな世界壊してやろうと思っていた。

だけど気付いてしまった。
ここでならヤシロが〝生きて〟いられること。

ヤシロを生きたまま保護できる。現国の時間に花子くんはその事実に気付きます。
そうと分かればやることは一つ。エソラゴト世界の創造主である四番と接触しないといけませんよね。

どっかのタイミングで、花子くんは塔に赴いたんじゃないでしょうか。
本編では柚木普=花子くんの事実を隠すために描写されてないけど、気付いたら絵の世界に入れられていて、ヤシロを保護するために閉じ込めようと決めたのなら四番に話をしにいくのは自然ですよね。

現実世界にはなかった塔で、四番と話をしにいく柚木普(中身:花子くん)

七不思議四番は、人の望みを反映した世界を作る怪異。
この望みは誰のものなのか、この世界の主人公が誰なのか、
わからないわけじゃないですよね?

ここで、この世界から抜け出すゴールが『柚木普を殺すこと』であることも知らされたんじゃないかな。
でもそんなことどうでもよくて、現実に出たら死の未来が予定されているヤシロを助けられるなら、四番の狙いもどっかの誰かの思惑も、全部俺が利用してやる、と思った七番様。

ヤシロを生かすために閉じ込めるなら、〝花子くん〟としてこの世界に存在するよりも生きた理想の〝柚木普〟でヤシロを引き留めた方が都合がいい。

幽霊の俺(花子)より生きた俺(普)の方がヤシロにとって都合がいいだろう、というこの予想は後に痛恨の大誤算として計画を狂わせるわけですが、この時の花子くんはそこまで自分が愛されているとは思っていなかったことでしょう。

かくして花子くんはヤシロを閉じ込めるために、〝花子くん〟ではなく遙か昔に捨てたはずの〝柚木普〟として振る舞うことを決意します。
※これは意識の差であって、中身はず~~~っと花子くんです。

そのため、物語が場転したプール掃除回からは『八尋さん』表記になるんですね。
『ヤシロ』と呼ぶのは〝花子くん〟であって、〝柚木普〟が呼ぶはずないから。だからクラスメイトの『八尋さん』なんです。これは、俺は〝花子くん〟じゃないよ、という花子くんの意識の表れです。

あくまで〝柚木普〟だから捨てたはずの天体への興味も全開にして、〝花子くん〟の時には一度も語らなかった天文の話をペラペラしているのかと思うと……ヤシロのために……どんだけ………?(泡吹いて倒れる)

物語の特性上、語られてないだけで花子くんの方にも葛藤があったことが『八尋さん』呼びに込められてるのかと思うと、先生の手腕…ヤバじゃないですか……??


ずっと怖いな~~~と思っていたところなんですけど、9巻の最後でつかさが出てきた瞬間、花子くん見るからに動揺してるんですよね。

こんだけ動揺してて、ヤシロが着替えに走って行った後なんも話さないわけなくない????

あまね「…やっぱり、つかさの仕業だったんだね」
つかさ「んー、何のコト?」
あまね「……まあいいや。ヤシロは俺を殺せはしない、つかさの思い通りにはならないよ。悪いけど、利用させてもらうから」

くらいの会話してたんじゃない!?!?!?(※※幻覚です)

つかさの狙いは『寧々があまねを殺す』という事実かな~と思っているので(※幻覚です)その狙いに気付きながらもヤシロは俺を殺せないとタカをくくっている花子くんですよ。
誰よりヤシロを信じているからヤシロが出られないよう理想の〝柚木普〟で閉じ込められると思っていたんですよ。


ところがどっこい「(花子くんが)好きなの」と言われてしまった。

これには動揺したと思う。俺の考えたヤシロにとって理想の〝柚木普〟がよりにもよって〝花子くん〟に負けちゃうんだもん。

君を守るために捨てた〝柚木普〟を演じてるのに、
それが一番ヤシロの望む理想の相手だって思ってたのに、
「なんで…?」ですよ。

閉じ込められててよ。俺(花子)のこと求めないでよ。〝柚木普〟で満足してよ……つ、つれぇぇ~~~~~~~~~;;;;;;;;

ヤシロに〝花子くん〟だって見破られちゃって、口では行かないと言ってるけど、花子くんの本当の心はもう〝柚木普〟の皮をかぶれてないんですよ。
だから第49の怪からは『ヤシロさん』表記になっちゃってるんですね。

もう『八尋さん』と呼べないほどに素の花子くんが出ちゃってるのに、それでも校門前で引き留める。

「ヤシロさんはここが嫌なの?」

これは花子くんが問う言葉。
そしてダメ押しの「私の好きなひとがいるのはここじゃないから」ですよ。

これ、ここ、ここさぁぁ~~~~~!!!!!!!
めちゃくちゃ嬉しそうなんだよな花子くん………もうさぁこんなん演技できないほど嬉しいの。ヤシロは俺のことが好きで、俺(花子)がいないから現実に帰りたいって言ってるの。
こんなのめちゃくちゃ嬉しい口説き文句じゃん。こんなんもう素が出ちゃってもしょうがないじゃん嬉しいんだもん……

でもそれじゃ君を守れない。

というわけで筆バキをすることになる花子くんですね。
めちゃくちゃ嬉しいけど大好きな君からの愛を捨ててでも俺は君を守りたい。
な、何……?ホワイ………??おまえは何を目指しているんだ………?????お前という奴はァ~~~何を目指しているんだ~~!!?!?


というわけで、ヤシロの呼び方の表記揺れは花子くんの意識の差じゃないですか?説でした。

真相は原作者様にしかわからないし、人の数だけ解釈があると思うけど、こういう幻覚もあるかもね〜という話です。
だってそしたら『ヤシロさん』呼びで映画デート誘ったのはただただ花子くんがヤシロとデートに行ってみたかっただけ!っていうのがめっちゃエモくない??

あの映画デート、ヤシロを閉じ込めておくための餌のつもりだったのかもしれないけど「俺のことキライじゃないなら一緒に行かない?」な~~んて誘い方をしたのがクラスメイトの柚木普を全力で楽しんだ結果の花子くんなのかと思うとデートくらい幽霊の花子くんでも行けよ!!!!断らないよ寧々ちゃんは!!!!!って思っちゃいますね。そのままちゅーして♡

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