網戸一枚の別世界

お福ちゃんが2日間ほど来ていない

三賀日、様子が変だった

ご飯を要求するだけしておいて

ワタシが用意したのを見ると

食べるどころか匂いすら確認せず

立ち去る………

という不思議な行動をするようになっていた

ガリガリに痩せて

顔はゲッソリしていて

体はとても汚れていた

1年前のお福ちゃんは

見るからに強そうで

とても美しい毛並みの

地域のボス猫で女王だった 

昨年初夏頃から、その面影は次第になくなり

犬猿の仲だったテトちゃんと

とても仲良くなったりして

本当に穏やかになっていた

そんな仲良しのテトちゃんが旅立って

約2.5ヶ月

ワタシの先入観もかなりあるけれど

お福ちゃんが寂しそうに

ベランダに独りでうずくまっているのを

毎日のように見てきた

恋仲のキョンは

オスだからかお福ちゃん達より行動範囲が広く

まるで単身赴任の夫のごとく

時折しかお福ちゃんの傍にいない

そこへ最近

お福ちゃんの実の子供達が

お福ちゃんとキョンを襲撃する為

我が家にやってきては

大乱闘を繰り広げる

戦争開始当初は

お福ちゃんが優勢だったのだけど…

持久力では息子達には敵わないらしく

年末辺りから劣勢になってきて心配だった

美しく

そして珍しい色合いで有名な福ちゃんの体は

いつ見ても泥で茶色く全身が汚れていた

お福ちゃんの子供達がいる地域の人達と

お話しもしたけれど

この問題に人間は入っていけぬとの見解

でもワタシは…

お福ちゃんがここを追われるのは嫌だなって思う

嫌だけど、何度考えてみても

やっぱり野良の世界に人間は関与できない

とてもとても、もどかしい気持ち

この網戸一枚で

猫の生きる世界ってのは大きく変わる

この網戸一枚で

割り切って考えなければならなくなる

それでも

テトちゃん

いつでも帰っておいでね

お福ちゃん

いつもありがとう

まだ教えて欲しいコトが沢山あるよ

これからも末永く我が家にいてね

明日の朝もご飯食べにおいでね

そんなふうに

今日も思うんだよね