見出し画像

メイキング

ジャージメイド虎牙道のメイキングです!
過去のイラストを見返して、いつも「これはどんな風に色を選んだんだっけ」となってしまって再現ができないので、メイキングという形で残してみようと思いました。


ラフ

最初は資料などをなにも見ずに、脳内のイメージだけでラフを描きます。
これをすると、描きたいものと描けるもの(実力)の差をしっかりと叩きつけれられる感じがあって、それが好きでやってます。

この絵は「#315プロジャージメイド部」というタグをつけてアップしたいと思っていました。

・なんとなく学校の部室っぽい
・窓の外の光で逆光っぽい、春~夏の日差しっぽい
・ドアを開けて、部室への来客者に対応する感じのシーン

みたいなイメージです。

設定

必要なことをいろいろ決めます。
ここから色々な資料を探します。

まず間取りを決めました。

・ジャージメイド部の部室という設定
・メイドのお仕事や道流の生活などから想像が派生して家庭科準備室に決定
・右側:扉付きの棚。家庭科準備室の画像検索を参考にしました。
・左側:オープンな棚。モノタロウで調べて決めました。

次にカメラ場所を決めました。
カメラの話、全然うまく文章にできなかったので、ここは読み飛ばしてもらってOKです。

2種類の案を出しました。というか、もともと案①(黄緑のカメラ)のイメージで9割固まっていたのですが、

・窓の位置はラフの時点から決定してる(画面の奥側)
・窓=校舎の側面なので、窓の反対側=廊下になる

というところで、「家庭科準備室って、鍋とかアイロンとか置いてるってことは、廊下じゃなくて「家庭科室」からつながっている」のでは?と思って、急遽、より実際的な案②(赤色)のカメラを追加した感じです。
(伝わるかな・・・?)

結局、案②だと納得いく画角にできなくて案①にしました。
設定は細かくリアルに決めた方が説得力あるけど、追及しすぎて邪魔になるならうまく排除する、このバランスが悩みどころだと思います。

設定の最後、寸法を決めました。

この数字は絵としては表に出ることはないです。
でも、これを決めておかないと必ず、本当に「必ず!!」絵を描いている途中でつじつまが合わないことが起こるので、すごく大変ですがやるようにしています。
寸法決めにより、右側のクローズ棚は「ドア1枚で開き戸で幅750mmって無理だ。しかも椅子と机あるから開かないし・・・」となり、引き戸に変更されました。

つじつまが合わない例としては
・机といすの高さがあってなくてバーカウンターみたいになってる
・棚に小物置いてるのに物の大きさと人間の大きさがあってない
・というかそもそも人間が中途半端な小人/巨人みたいに見える

とか、挙げたらきりがないですが必ず、必ずこういうことが起きるので
寸法を決めることは絶対に必要だと思います。

というか、、今まで寸法決めずに感覚で進めた絵も何枚もあるのですが、その全てにおいて後から辻褄が合わなくなって、仕方なく途中から寸法決めをやって、泣く泣く大掛かりな修正をして、、という経験が何回かあって、、本当に心折れる大変な修正なので、今は全力で回避してる感じです。

先の設定で、モノタロウを使って棚の具体的な商品まで決めていたのもこのためでした。

(細かいところ辻褄あってなくても大目にみてください)

構図決め

構図決めです。

絵の印象にかなり大きく関わるところなのに、決めたら後戻りできないとこなのでかなり苦手です。

手順としては、
・3Dをくるくるしながら構図を決める
・下書きを描く
・朱書きする
これを納得いくまで繰り返す感じです。今回は3回やりました。

朱書きで、「この構図のどこが気に入らないのか?」をしっかり言語化すると、修正の方向性も固まるし他の絵でも生かせるかな~とか思いながらやってます。

1回目

2回目


3回目(確定)

ちなみに3Dはこんな感じです。
プリミティブという箱のオブジェクトを変形して使います。

前までは、「棚」とか「ドア」とかを検索して、3Dを使っていたのですが、
あまりディテールのある3Dだと、縮尺的に合わなかったり描きたいイメージを邪魔する要素になったりで、箱が一番いいなという結論になりました。

とはいえパイプ椅子はいい3Dがあったのでそのままなぞって使ってしまいました。

線画

線画です。
後から結構塗り重ねてしまうので、線画と言っていいのか微妙ですが・・・。

こだわりとしては、直線や円などの描画ツールを使わないことです。これを使うとそこだけ機械的に見えて好きじゃないのでやらないようにしてます。
とはいえ線画のガイド線としては使用したいので、

・描きたい線をパース定規のガイドで追加
・ガイドをなぞるように手書きで線画を描く

って感じで書いてます。

あとはジャージ着て絵と同じポーズとって写真を撮りました。

また、背景を描く色々な都合でキャンバスが大きくなりました。白い部分が完成絵サイズです。

ベース塗り

ベース塗りです。

手前のタケルと道流はベース塗りの段階から彩度低め、
奥の牙崎や家具は普通の明るさ(?)の感じでやってみました。

色は青・緑・オレンジ系でまとめてます。
色選びは絵の雰囲気に合うように、配色のサイトとか自分の好みとかで毎回変えてます。

色について、「赤か青か」の"色相"より、明るさのバランス(うまい言い方が分からない)が合ってるかが、そのキャラがちゃんとそのキャラに見えるかの印象になると思ってます。

例えば、タケルの髪だったら本来は紺っぽい色ですが、それよりも、肌の色や一緒にいるキャラの髪色と比較して暗い色になってるかの方が大事、みたいな・・・。なので、色は固有色ではなく、描きたい絵のイメージで選ぶ感じにしてます。ここ1年くらいの気づき。

下の画像は、ベース塗りの絵をグレースケール化したやつです。今回メイキング用にやってみたんですが、髪の明るさがちゃんと
(明)牙崎⇒道流⇒タケル(暗)になってて、ちょっと自分に感動しました。
明るさのバランスってつまりこういうことを言いたかった。

グレースケール化した時の明度のバランスが大事な気がする

光・影

光と影の工程は試行錯誤でいつもやり方が違うので、あまり突っ込まないでほしいです・・・。今回も今まで全然やったことないこととかやってるし次はやらない気がします。

どんな風に説明したらいいかわからなかったので、通常100%のレイヤーと共に画像を添付します。

(描いてるときに通常100%レイヤーの状態なんかを気にしたことがないので、選んでる色とかを今見ると、自分でも、へえ~こんな色使ったんだ?って感じになってます。)

影① たぶん普通に乗算でも良かった
影②
影③ 影②をコピーして色を整えたのかな?たぶん
光①

色調補正

色調補正です。
これも前工程と同じで、ベース塗りで選んだ色や書きたい絵の雰囲気によって、毎回全然違う工程をやっています。

絵全体で表現したい色味、光源の色、時間、その場所の気温、風、、みたいな、そういうものを目指して試行錯誤してる感じ?

だいたいいつも満足するまで色調補正レイヤーを重ねていって、気づくとやりすぎていて途中のレイヤーを非表示にしたりしながら調整して・・・という感じです。
グラデーションマップ/合成モード/透過度は総当たり戦でやってます。髪とか影とかパーツ毎にマスクすることもあります。

下のレイヤーから順に表示してます。
後からレイヤーを途中に差し込んだりもするので、作業工程とレイヤーの順番がぐちゃぐちゃで・・・今となっては作業の順番がどうだったかは分からない。本当に軽い気持ちで見てほしいです。

あまりにぐちゃぐちゃで載せるのはすごく恥ずかしいんですが、、、自分も記録したいので細かく残します。これは最終的に残ったレイヤー達です。

コントラストと色の調整
光の色が夕方(黄色)すぎると思って白っぽくした(んだと思う)
コントラストと色の調整
道流の顔色を直したっぽい。
どう考えてもグラデマップではなく赤系を重ねるだけで良かった気がする
牙崎のところにピンク系を入れたくて色を重ねました。
牙崎以外もバランスを見てピンク系を追加
目の修正。ベースの時に白目をちゃんと塗分けしてれば不要だった
窓の光ふわっと
顔色の修正

青・緑を強く出したいけどオレンジも鮮やかなまま残したい・・・みたいなことを考えていた気がします。

レイヤーの透過率、意味わからない細かい数字になってますが、こだわってその数字になってるのではなく、apple pencilで透過度のバーを動かしてるのできれいな数字で止められてない、それだけです。

線画~色調補正までのタイムラプスです。

(色トレス)

線画の色トレスです。
色調補正でかなり色味が変わるので、色調補正後にやってみました。
レイヤー構成は

 L 色調補正フォルダ
 L 色トレス(線画にクリッピング)
 L 線画

となっており、色調補正フォルダの下に色トレスレイヤーを差し込んだので、うまい具合に思った色にならなくて大変でした。

この後の描きこみの工程で線画は塗り重ねてしまうので、まあやらないよりいいかなという感じです。

書き込み

書き込みです。
前工程の色調補正までで、工程としては9割型終わっている感じです。
気持ち的には後は消化試合。

工程としては9割ですが、時間はここから結構かかります。時間にするとここまでで5割くらい・・・?

見てみるとレイヤー2枚でほぼ完了してますね。レイヤーは全部100%通常です。右側のはそのレイヤーのみ表示したやつです。

工程としては、
・スポイトで色を拾う
・線画を整えたり好きな色で上から塗り重ねたりしていく

細かいところはすべて書き込みでやるので、色や構図以外のもろもろはこの工程で何とかなると思ってます。
うまくいかなかったら新しいレイヤーを足して重ねていけばいいので、気が楽です、厚塗りのいいところです。

書き込みのタイムラプスです。
書き込みは感覚的にゴリゴリやってます。ハイライト足したり、線画消したり、細かいディテールをやったり。


仕上げ

仕上げです。
youtubeとかgoogleとかで検索して、良さそうなやつを試したりします。

一応記録のために全部載せるんですが、あまり手数を持ってないし得意ではないので、軽く見てってください。

光をほわっとさせるやつ。youtubeで見た
手前側に濃い青色を落とした。気持ち暗くする感じ
奥に明るい水色を落とした。背景を淡くする感じ
キラキラのエフェクト
太陽の光のやつのエフェクト
明るさ微調整
ガウスぼかし。
手前にぼかしやったけどこの絵だったら奥側をぼかすでもよかったかも・・・と思った

完成

当初のサイズで書きだして完成です!

終わりに

ここまで見ていただいてありがとうございます。
とても恥ずかしい気持ちです・・・すべてを明かしてしまった。

私は、普段イラストに対して「こういうシーンを描きました」と明言するのを意図的にやめています。
私自身、この人はこういうことを考えて描いたのかな~とか、こういうシーンなのかな~とか、想像しながら見るのが楽しいというのもあって、おこがましくも私の絵でもそういった楽しみ方をしてもらえたら嬉しいなと思ったりしてます。

ただ、「みんなに自由に想像してほしい」と同じくらい、「こういう要素を詰め込んだよー!!」ってのを言いたいのも事実で、今回、メイキングという形で普段言わないようなバックグラウンドのことも少し言えたかな。機会があったらまたやりたいです。

これからも虎牙道をたくさん書いていきたい!
最後まで見ていただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?