漫画紹介「バイオレンスアクション」
ジャンル:アクション?、既刊6巻
「バイオレンスアクション」は小学館「ビッグコミックスピリッツ」連載の漫画です。原作者は沢田新(室井大資)先生、作画は「バケモノの子」のコミカライズを担当した浅井蓮次先生です。
・あらすじ
専門学校に通う女学生、菊野ケイはアルバイトで殺し屋をしている。あくまでアルバイト感覚で人を殺す彼女の感性は至って俗的で、極めて異常。
どこかがずれた感性の持ち主が主人公の、どこかが緩いアウトロー漫画。
・魅力その1、迫力のあるアクション描写
アウトロー漫画として、迫力は重要ですよね。
この漫画の作者である浅井先生は、アクション的な画力に優れた方らしく、激しい動きがよく映えます。
また、血や遺体などのグロテスク描写に関しても、アウトローものとしてしっかりと描写していながら、過度に臓物や生首のような強い不快感を与える類のものは出さず、ほどよい過激さで構成されています。グロ耐性が無い人も安心して読めます。
絵柄と画風が万人に薦められるというのは、大きな魅力です。
・魅力その2、登場人物のアクの濃さ
主人公のケイは、人を殺す事に躊躇せず、殺人に関して高い腕前を持っています。が、その事を誇りに思ったり驕り高ぶった様子は見られず、終始淡々としています。
彼女はどんな時でも、殺人という非日常を換算に入れずに日常的なリアクションを取ります。死体の横で勉強をしたり、危機的状況で可愛い物にときめいたり、完全に拘束された状態で武器を持った相手と普通の顔をして日常会話をするなど。
良く言えば肝が据わっていて、悪く言えば感情の一部が欠落しており、異常性が垣間見えます。
ですがノリが軽いせいで、言動の裏に闇は見えません。良くも悪くも緩い感じが、クセになります。
他の人物にしても準レギュラーから端役まで、言動が特徴的で面白いです。
・魅力その3、コメディーとシリアスの塩梅の良さ
シリアスばかりやるギャグ漫画の人気が落ちたり、バトルものにおける唐突な日常回が退屈だったりと、コメディーとシリアスの両立は難しいです。
が、この漫画はそれが抜群に上手いと思います。
前述の主人公の抜けた感じが、シリアスの中で唐突に現れると、空気が和みます。それでいてシリアスを阻害しないあの感じ……文章で表すのがすごく難しいのでなんとも言えませんが、とりあえずコメディーが鼻につかないという事です。
総評
アウトローものとしてはかなり風変りではありますが、非常に面白いです。個人的な事を言うと、大好きです。
私的好感度:93/100、オススメ度:89/100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?