漫画紹介「アホガール」
ジャンル:ギャグ、全12巻
「アホガール」は週刊少年マガジン連載の漫画で、作者は「ドージンワーク」「マンガ家さんとアシスタントさんと」のヒロユキ先生です。「まんがタイムきらら」から少年誌に移った珍しい経歴の持ち主で、だからこそかなり幅広い層から支持を受けるタイプの作風です。
・あらすじ
女子高生、花畑よしこは筋金入りのバカである。テストで0点は当たり前の知能と小学生並みの精神年齢で、自由気ままに生活する。
幼馴染でクラスメイトの阿久津明……通称あっくんはそんな彼女をまともな人間に仕立て上げようと尽力するも、いつもバカなよしこに振り回されて、貧乏くじを引いてばかり。
あっくんの気持ちなど露知らず、迷惑も敵意も顧みず、よしこはあっくんを振り回す。そんな一話完結型のギャグ漫画。
・魅力その1、勢いがすごい
この漫画、勢いがとんでもないです。よしこがバカゆえに常にハイテンションなせいか、ギャグもツッコミもほとんどが絶叫です。
一つのエピソードあたりのページ数も多くないせいで、勢いが良い時は最初のテンションのままラストまで駆け抜けたりもします。
よしこにあてられた場合、どのキャラもテンションが上がります。そんな風だから、読んでいるこちらもテンションが上がります。
勢いゆえに、元気をもらえる漫画です。
・魅力その2、登場人物全員バカ
よしこは言うまでも無くバカですが、他の人物も総じてバカです。
あっくんはよしこを矯正する立場にありますが、そんなよしこに振り回されるあまりに着地点を見失って暴走する事が多々あります。元来真面目な彼の性格上、一度走るとよしこ以上に止まらずに、バカ一直線に突き進みます。シュールです。
よしことあっくんの友達「さやか」は真面目で懐が広いがゆえに、よしこやあっくんに振り回されっぱなしです。が、そんな優しい彼女だからこそ、見て見ぬふりが出来ずにおかしなところで暴走してしまう側面があります。優しさゆえの暴走というのも、なかなか不憫です。
他にも登場人物はたくさんいますが、皆別ベクトルでバカです。回を増すごとに増えていくバカに癒されます。
・魅力その3、謎の中毒性
この漫画、勢いこそすさまじいですが、ギャグに関しては賛否両論ある部分があります。勢いがすさまじいゆえに、ゴリ押しな部分が少なくないからです。
正直、当たりはずれは激しい部類だと思います。はずればかりの回が続く事もあります。
ですが一度読みだすと、何故か漫画を読むのをやめる気はおきません。それどころか次の巻を引っ張り出して読みたくなります。そして読み終えた時の読了感が非常に独特で、クセになります。
理由は分かりません。が、漫画というものがギャグの面白さだけがすべてではないという事の、これが証明だと唱えても良いでしょう。
この漫画は、紛れもなく名作です。
・総評
まとめると、非常に面白いです。普段ギャグ漫画に触れない方にも、本棚に置いてみてほしい逸品です。
私的好感度:73/100、オススメ度91/100