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漫画紹介「MAJOR」

「MAJOR」は1994年から2010年まで週刊少年サンデーで連載していた野球漫画で、作者は満田拓也先生です。

現在同誌で続編である「MAJOR 2nd」が連載されています。が、とりあえずこの「MAJOR」を語りたいと思います。

・あらすじ

プロ野球選手の父親を持つ少年、本田吾郎の野球人生を描いた物語。

・魅力その1、長期連載に伴う主人公の成長

あらすじでも述べた通り、この漫画は主人公である吾郎の成長物語です。幼稚園児だった彼がその後メジャーへ行って活躍するまでの期間の出来事が濃厚に描写されます。一人の人間の野球人生そのものに焦点を当てた野球漫画というのは、非常に珍しいです。

そのためか、通常の野球漫画で注目されがちな「甲子園」や「全国大会」はあまり重要視されない印象です。最終的にプロというトーナメント方式ではなくリーグ方式の舞台に上がるという事を見越してか、勝ち負けすら重要視されていないように感じます。もちろん重要な試合までのトーナメントで負けるような事はありませんが……主人公チームが最終的に必ず負けるというのはなかなか変わった構成です。それでいて試合内容そのものが面白いので、漫画的な魅力に溢れています。

登場人物もたくさん出てきます。小学校時代のライバルがその後二度と出てこず、プロにも上がってこないという辺り非常にリアルですが、昔ながらのチームメイトと袂を分かって試合をするという展開が多く、手に汗を握らせます。こういうのは、舞台を一世代に絞らない形式ならではの展開です。

・魅力その2、主人公の力量

主人公である吾郎の野球能力は非常に高いです。

野球漫画の主人公が野球能力に優れているのは当たり前のような気がしますが、この漫画では特にその印象が強いです。

あまりに能力が高いその一方で、吾郎には様々な困難が降りかかります。家庭内の不和はともかくとして怪我や精神疾患、転校によるチームの弱体化など、吾郎自身の野球能力の高さとは裏腹に、常に逆境との戦いになっているのが少年誌っぽくて熱いです。

しかしそんな状況に陥っても尚、吾郎は強いです。

怪我やチームの弱さが丁度良いハンデになるほどの能力の高さは、読んでいて小気味が良いです。その上でしっかり「熱さ」があるのは、少年誌としてこれ以上無いくらい魅力的だと思います。

・魅力その3、友情と感動

漫画内で、チームメイトとの友情はかなり重視されています。こう言うと大概の野球漫画も同様ではあるのですが、この漫画では特にチームワークに関する美徳を物語に落とし込む展開が多く、熱い涙を誘います。

総評

累計5000万部売り上げの大ヒット漫画であるだけに、非常に面白いです。全78巻とやや敷居が高いかもしれませんが、是非ともたくさんの人に読んで欲しい野球漫画です。

私的好感度:87/100、オススメ度:96/100

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