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漫画紹介「いぬまるだしっ」

ジャンル:ギャグ、全11巻

「いぬまるだしっ」は2012年まで週刊少年ジャンプで連載していたギャグ漫画で、作者は「トマトイプーのリコピン」「メゾン・ド・ペンギン」の大石浩二先生です。

・あらすじ

またたび幼稚園の信任保育士たまこ先生は、初日のバス送迎にて下半身まるだしの園児と邂逅する。

その名はいぬまるくん。明らかに他の園児達と異なるオーラを纏ったこの問題児は頑なにズボンもパンツも履かず、エキセントリックな言動でたまこ先生を翻弄する。

果たしてたまこ先生は、いぬまるくんにパンツを履かせる事が出来るのか。

・魅力その1、意外と少ない下ネタ

この漫画は見ての通り、表紙から主人公がアレをまるだしにしています。この絵面を見て、下ネタ漫画であると確信しない方はほとんどいないのではないでしょうか。

もちろんこの表紙は詐欺ではありません。作中において、いぬまるくんはほとんどの場面にてパンツを履いていません。そこは真実です。

が、だからといってこの漫画が下ネタのみで構成されていると思うのは早計です。むしろこの漫画、驚くほど下ネタが少なかったりします。

ギャグの種類としては、かなり独特と言えましょう。

文字数が多く、持って回ったような言い回しや妙にインパクトの強いセリフや単語で笑わせてくるその一方で、絵面を最大限に利用したシュール系の笑いも誘ってくるという二段構えの構成で、隙の無い構成です。

そしてパロディーや時事ネタこそ多いものの、下ネタはほとんど登場しません。健全な園児漫画と言ってもいいのではないのでしょうか。

主人公がまるだしだからって、下ネタ漫画だとは限らないのです。

いや、まるだしな時点でアレですけれども。

・魅力その2、やたら印象が強い大人達

この漫画は主人公のたまこ先生といぬまるくんが所属する幼稚園が中心のはずなのですが、園内だけでお話が進む事は、実はあまりありません。

いぬまるくん達は子どもですが、話に登場するゲストキャラの多くは大人で、しかも変人ばかりです。幼稚園児のいぬまるくん達が異質に見えるほど、周りには大人が溢れています。

その絵面だけで既に面白いですし、一回こっきりの登場人物がすべからくアクが強いせいで、シュールさが際立ちます。

・魅力その3、冴えわたるツッコミ

この漫画、主要キャラのほとんどがボケキャラです。そしてそのツッコミはモブキャラか、さもなくば全てたまこ先生が引き受けています。だからこそ彼女にツッコミ能力が集約され、「ボボボーボ・ボーボボ」におけるビュティのような扱いになっています。苛烈でキレが強く、テンポの良いツッコミを繰り出すたまこ先生は、ギャグ漫画の登場人物の鑑です。

・総評

文字だけではいまいち伝わりづらいかもしれませんが、これはすごく笑える漫画です。ギャグ漫画として、相手を選ばない面白さがあります。万人受けとまでは言いませんが、ギャグ漫画好きは必見です。

私的好感度:92/100、オススメ度96/100

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