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6月2日は裏切りの日

「裏切りの日」というと、海外の小説のタイトルみたいですが、記念日の一つです。1582年のこの日にかの有名な「本能寺の変」が起こったというのが由来です。

一応解説しておきますと、本能寺の変というのは戦国時代における最も有名なクーデターで、織田信長が家臣である明智光秀の裏切りを受けて暗殺された、という事件です。

それまで忠臣だった光秀がどういうわけで信長を裏切ったのか、その動機について謎が多い事件で、時々テレビ番組で見かけるたびに面白い説を聞きます。一番有名なのは、光秀の母親が信長によって生命を落としたため、というのでしょうか。しかしこれもあくまで説の一つであり、真相は闇の中です。

そもそも400年以上前の個人的な心情を読み取るような文献が残っている方が不思議なくらいですし、このくらいミステリアスな方が面白いと思います。悲劇的な見方をするもよし、喜劇的な見方をするもよし。シリアスに捉えようがコメディーな感じに捉えようが、それはもう人の勝手というものでしょう。

後世で勝手な物語を展開されたくなければ、自分から文献くらい残しておくべきでしょう。

そしてこれは、現代にも言える事かもしれません。死後何かの間違いで自分が偉人にならないと、誰が確信を持って言えるでしょうか。

生きているうちに、何かしら残しておくといいかもしれませんね、予防線を。

さて、裏切りの日。舞台は本能寺という事ですが……

この漫画、「大魔法峠」を紹介させて下さい。

見たところ少女漫画風の装丁ですが、中身は少女漫画感ゼロです。普通にカドカワ系列の漫画です。

魔法の国から来た主人公の少女が人間の学校に留学する……と、よくあるあらすじのこの漫画ですが、多分類を見ないレベルで王道を外れています。あまり詳しくは語りませんが、作者が「ムダヅモ」の大和田秀樹先生という辺りでおおよそ察して下さい。

全4巻ですが、非常に面白いです。5、6巻程度の短い漫画が多い大和田先生の著書の中でも、頭一つ抜けて面白いと思います。アニメ化もされていますし。

いつも通りの勢いとド迫力、そしてどこかシュールな世界観に、引き込まれる事間違い無しです。

さてこの漫画において、「本能寺」が登場します。修学旅行で訪れるという、実に平和でありがちな登場の仕方をします。

そして炎上します。

バトル漫画でもないのに「YAIBA」みたいに炎上します。この漫画、こういうのばっかりです。

アニメのOPでも本能寺を燃やしています。大和田先生は本能寺を何だと思っているのでしょうか。フィクションの建造物の使い方として、非常に理想的だと思います。

何だか何が言いたいのか分からないような紹介になってしまいましたが、要するにそういう漫画もあるという事です。

そういうわけで、明日は裏切りの日。何をするべきかは知りませんが、たまには期待を裏切る展開もいいでしょう。意外性を求めて下さい。

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