巫女かガイドか語り手か。

いつだったか…3~4年くらい前の話。いつもの面子でいつもの如く喋っていたときに「ファンタジー(小説)とはなにか」という話題になった。そのときに「ファンタジーとは<行きて帰りし物語>である」ことについてちょっと盛り上がったんだった。

というのも、わたし自身が職業女王について似たことを考えているからだと思う。「職業女王はM男にとって巫女のようなものである」と語った先輩もいるし、そういう芸風の方も多いけれど、わたしは違う。<行きて帰りし物語>に連れていくガイド、もしくは物語を編集(原案はM男自身が持参するわけなので)して披露する語り手、それが仕事だと思っている。

「ファンタジーとは<行きて帰りし>物語である」だから、この仕事が辞められないんだと思う。そして「語り手」であることに自覚的になった途端、『吊るされた女』への興味が薄れた。娼婦たちが物語をねだる、あれは非常に象徴的なシーンという気もするし偶然という気もする。どっちなんだろうか。


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