2019年12月25日
【12/25 水野良樹と音楽にまつわるアレコレについてともに考える
クリスマスミーティング!】
こちらの模様を、私が書き留めることができた範囲でレポートいたします。
WE DO宣言:2020年4月から独立予定
→今後の活動について考えたい。
1. "みんなのうた" は実現できるか
どんな人にも届く歌は可能なのか。
メディアの優劣の差が小さくなっている。
2. 広場になれるか
プロジェクト「広場」
タレント性からのヒットや、作品と人の繋がりが強かった時代があった。
創作→届ける(媒体=メディアは、音楽番組やフェスなど)
アーティスト自身がコンテンツやメディアになることは
可能なのか?
3. "ぼくらだけ" は実現できるか
ビジネス↓に影響を与える。
(CDという規格、流通システム、小売店の販売など)
決済システムなどを個人で作るのは難しいので、noteのようなツールは
助かる。
自分たち独自のやり方を考える必要があると思っている。
<参加者からの質疑応答>
どのメディアを選ぶ?
→1つだけに絞ることが、今は難しい。
ただ、多数のメディアとのコミュニケーションは大変。
メディアを介する意味は?
→出逢うはずのない人と出逢うきっかけになるのではないか。
今、用意されているSNSは、利用する個人に特化されてしまう。
違うコミュニティに出逢うためには、いろいろなメディアに出る必要を
実際に感じている。
インタビュアが何を引き出そうとしているかで、出てくる話も違う。
CDは残っていくのか?
→趣味のもの(私の解釈=レコードのようなもの?)になっていくのではないか。
CDの聴き方も知らない時代になる。
CDへの思い入れは大きい。制作の時間、工程、作品に対する愛着はある。
AIが最初に人に近づくのは、作詞、作曲、編曲のうち、どれか?
→変数が一番少ないのは作曲かな。
人間は「不完全」で「偏って」いる。それが個性。
AIは「完璧」だと思う。「不完全」を再現することは
難しいのではないか。
今まで作った曲の中で "みんなのうた" に近づいた曲はあるか?
→「ジョイフル」かな。
文脈がないことで、誰にでも...だったのかな。
→しかし、目指しているのは誰にでも受け止めて貰える文脈のあるもの。
矛盾していますが、本当はそこである。
「ありがとう」が、結果的に、文脈があって、かつ受け止めてもらえた曲
だったかもしれない。個人の考えを出していなかったことが、
結果に繋がったのかも。
そもそも、戦略的に考えて作ったことは無いと思う。
いろいろな場面、例えば...
カラオケで若い人に歌われたり、それを聞いたおじさんたちが
「知らないな...」と感じたり...そういう想像はしながら書いていたと
思う。
個人表現をしたいという気持ちは、あまりないと思っている。
ただ...影響を与えたいとどこかで考えている気もする。
例えば「上を向いて歩こう」という曲のように、聞いた人を全員
一定の方向へ向けてしまうような。
それは、とても怖いことだけれど、ただ、それはロマンでもある。
今はツールがたくさんある。仕事としてやるのと趣味としてやることの違いは?(質問者:大学生の方)
→何の欲望が一番強いのか、大事なことは何なのかということではないか。
生活が第一ならそういう選択になるだろうし、音楽を作ることが第一なら
大きなリスクをとってもそれをやるのでは。
阿久悠さんは、何故実現できたと思いますか?
→実現できた時期と、実現できなかった時期があると思います。
そもそも、阿久悠さん自身がプラットフォームだったと思う。
これからは、プラットフォーム同士、広場同士の競争になるのでは?
いかにして、この広場で内包できるかが重要だと思う。
以上が私のスマートフォンで書き留めたメモです。
アーティストは音楽を制作するだけではなく、自らメディアとの
コミュニケーションを行ったり、ビジネス面を考慮して動く必要がある
ということが、私には、とてつもなく大変なことだと感じました。
来年4月から現在の事務所から独立なさるとのことで
今からでもあらゆる準備が必要なのだろうと思います。
前提として、日本での音楽業界がどこへ向かっているのか、聴く側の私には
わからない状態です。
媒体としてのCDは、レコードのように趣味で収集するものへ変化するだろうと私も以前から思っていますが、それ以外の媒体が混沌としていて
制作者やアーティストが、音楽を続けていけるのかどうか(=ビジネスとして成立するのかどうか)ということを、何年も前から不安に感じておりました。
サブスクリプションの最初の数秒で引っかる曲でなければ
曲全体を聴いてもらえないという話を、最近耳にしました。
そうなると、サビではなくてイントロや歌い出しの部分で
聴く人の興味をキャッチできないと、どんなに素敵な曲でも
聴いてもらえないということになります。
そんな時代に、独自の道を選択した彼らに
どうか、幸多かれと願います。
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