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#15レモンで街づくり(エディブルタウンの泉北)

昨日、友達からいただいたレモンのフロマージュで朝食。
レモン好きの私は、レモンのイラストが入った瓶を見た瞬間から、すぐに食べたいのをグッと我慢していた。

泉北レモン-フロマージュ-


いつもはコーヒーから始まる朝も、レモンに合うのはお紅茶だと思い、寝る前に水出しで紅茶を作り、美味しいバゲットも用意し、今朝を迎えるのを楽しみにしていた。
軽く焼いたバゲットに、たっぷりとレモンフロマージュを塗って、少し胡椒をガリガリ…
口にいれた瞬間、爽やかな香りが広がり、クリームチーズに包まれたレモンのほどよい酸味がたまらない!
この美味しさは、バゲット1本は軽く食べてしまいそうだ…
美味しいだけではないのだ。そそられることが、もう1つある。このレモンが、近隣のニュータウンで作られているということだ。
住宅街でレモン?
レモンのフロマージュと住宅街、どういう関係?

私の住んでいるところから20分ほど北東に行くと、堺から和泉市に拡がる泉北ニュータウンというベッドタウンがある。50年ほど前、山を切り拓き作られたその街は、緑豊かで素敵な家が立ち並ぶ都会的で洗練された住宅街…同じ地域でありながら、私の住んでいる田舎の風景とは随分違った印象だ。
そう、昔流行ったドラマ「金曜日の妻たちへ」の舞台のような街である。
そのニュータウンで、レモンを作り、加工して商品化し地域の特産物として販売していると云う。
住宅街で一体どうなってそんなことになっているのか、とても興味深い…

日本の高度成長期に開拓されたあらゆるニュータウンは、どこも問題を抱えている。
街ができたと同時期に入居し、年数が経った今では、高齢化と建物の老朽化、商業施設や公共施設の活力低下で「オールドタウン」と顕在化している。
てっきり、この泉北ニュータウンもその1つだと思っていた。

その泉北で生まれ育った2世たちが、町おこしをしようと始まったのが「泉北レモンの街ストーリー」プロジェクトだそうだ。
この泉北地域は、自然に囲まれており、周辺にはまだまだ農村集落が残り、昔ながらの風景が隣り合わせにある。温暖の気候から近隣農家はみかんや桃を育てているので、レモンが育つ環境であることは間違いない。

このプロジェクトのきっかけとなったのは、この泉北に住む刈谷さんが、お庭で育つ大量のレモンに毎年困り、知り合いに分けたり、ジャムやレモン酒などを作って人にあげたり、としていたことからイベントへと発展。そして刈谷さんもいつしか「泉北をレモンの街にし、特産品としてブランド化したい」と想い、それに賛同するひとが集まって街づくりを進めている。


イギリスのトッドモーデンという小さな街では、街中の空いているあらゆる場所に野菜や果物を植え、誰でも自由に食べられる「エディブルガーデン」という取り組みをしている。食を通し、コミュニティが構築され地域が変化していったいう。
まさに泉北の取り組みも同じようである。

一過性で終わる町おこしとは違い、住民が中心なり、住む街の未来を思い描きながら長い年月をかけて作っていく。同時に、自然と地産地消や食育、地域コミュニティにまで発展させるレモン。
街中がレモンの香りが漂い、レモン色に染まる泉北ニュータウンの変貌が楽しみである。

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