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診療報酬(コロナ関連項目)

みなさま、こんにちはm(__)m さりゅの干物です。今回は、新型コロナウイルス感染症に係る検査等の診療報酬の動向について少しまとめてみたいと思います。(参照:厚生労働発出・5月22日分の事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査における診療報酬の請求等に関する取扱い及び留意点について」)

新型コロナのPCR検査等、特例的に「DPC等でも出来高算定」可能に!

DPCでは検査料が包括されているが、新型コロナウイルスのPCR検査(核酸検査)や抗原検査などについて、臨時特例的に「出来高で算定する」ことを認めるとのこと。

うん・・・今更?という感じが否めない感じはしますが、ようやくDPC病院でもPCR検査が保険請求が可能となりました。内容を詳しく見ていくと当然算定に関する条件があります。

1、資源病名が新型コロナ以外の場合、DPC等でもPCR検査等を出来高算定可能とする。

先般より、医療提供体制に関しては「感染者鑑別」「重症者への入院医療体制確保」が最重要課題となり、その鑑別検査については、3月6日に「PCR検査」(核酸検査)が、5月13日に「抗原検査」が保険適用となりました。また、5月15日に事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その12)」では「新型コロナウイルスのPCR検査について、医師が必要と判断した場合には『無症状の者』に実施することも可能」とすることを明確化。現場から「無症候の患者に手術を実施し、後に当該患者が新型コロナウイルスに感染していたと判明するケースがある。患者にとって合併症発症のリスクが高く、医療従事者にとっても感染リスクが高い。こうしたハイリスクな患者の事前鑑別のために、術前に医師が必要した場合には、無症候の患者であってもPCR検査を保険診療で実施することを認めるべきだ」との強い要望が根強かったためへの対策とみられます。

しかしながら、DPC制度などでは検査点数が包括評価されており、「医療資源を最も投入した病名が新型コロナウイルス感染症である場合(全て出来高となる)」を除いて、PCR検査等の費用は別に算定することはできません。(鼻拭い法:5点は算定可能か?)

これでは、陰性であれば検査等の費用は病院負担となる(持ち出し)だけで検査施行のインセンティブは全くないように思われます。

さらに、新型コロナウイルス感染症により病院経営は予想をはるかに超える打撃を受けている(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の病院3団体調査で、2020年4月の医業利益率は新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院で平均11.8%減、病棟を閉鎖せざるを得なかった病院では平均で16.0%減に落ちている)背景もあることから、「PCR検査をDPC病院でも算定可能を」との要望が多かったようです。

このため、今般の特例措置として、DPC病院・特定機能病院においては新型コロナウイルスに係る検査の点数(PCR検査、抗原検査の実施料及び判断料)を出来高で算定可能とされました。内容は以下の通りです。

▷ DPC対象病院(特定機能病院であるDPC対象病院を含む)
包括点数を算定する患者に対し、PCR検査(SARS-CoV-2核酸検出)を実施した場合                         ▼ SARS-CoV-2核酸検出                    ▼ 検体検査判断料の「微生物学的検査判断料」             

包括点数を算定する患者に対し、抗原検査(SARS-CoV-2抗原検出)を実施した場合                         ▼ SARS-CoV-2抗原検出                   ▼ 検体検査判断料の「免疫学的検査判断料」

特定機能病院(DPC対象病院を除く)
 ※ 基本的検体検査実施料
入院中の患者に対し、PCR検査(SARS-CoV-2核酸検出)・抗原検査(SARS-CoV-2抗原検出)を実施した場合         ▼ SARS-CoV-2核酸検出                   ▼ SARS-CoV-2抗原検出                   上記2項目は基本的検体検査実施料に含まれないものとし、別に算定することを可能とする。

基本的検体検査判断料
入院中の患者に対し、SARS-CoV-2抗原検出を実施した「微生物学的検査判断料」及びSARS-CoV-2抗原検出を実施した「免疫学的検査判断料」は基本的検体検査判断料に含まれないものとし、別に算定することを可能とする。

▽「微生物学的検査判断料」は月1回に限り算定することができる点数であり、SARS-CoV-2核酸検出を実施する以前に、同一月に外来等で「微生物学的検査判断料」を算定した患者については、当該判断料を別に算定することはできない。

▽「免疫学的検査判断料」は月1回に限り算定することができる点数であり、抗原検査(SARS-CoV-2抗原検出)を実施する以前に、同一月に外来等で「免疫学的検査判断料」を算定した患者については、当該判断料を別に算定することはできない。

上記の要件も明確となりました。

2、5月22日時点での未請求患者が対象へ

また、今般のDPC等における臨時特例措置を踏まえて、5月22日発出の通知「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の取扱いについて」も一部改正がありました。

4月1日以降に実施した診療分から適用される。            ② 3月診療分のうち、行政検査(PCR検査)に係る診療報酬が5月22日時点で未請求であり、同日以降に請求が行われるものについても適用する。 ③ 仮に再審査等により5月22日以降に請求のやり直し等を実施した場合であっても、「本人への支給額と齟齬が生じる」などの不都合が生じることを避けるため、従前の例による。

等が記載されております。下記よりダウンロード可能です。

また、DPC対象病院・特定機能病院において、検査料等が包括算定されている場合でも「抗原検査料および免疫学的検査判断料について出来高算定」となり、患者自己負担分が公費で補助されることが明示されています(医療機関と都道府県とが契約することで、検査に係る患者負担が公費補助される)。

3、DPC病院等は通常レセプトと別に、「新型コロナ検査費用のみのレセプト」を書面で提出

ん??何を言っているんだ厚労省!と思った人も多いやもしれませんが厚生労働省発出の5月22日の事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査における診療報酬の請求等に関する取扱い及び留意点について」を示した内容が衝撃的で・・・

▷ DPC病院・特定機能病院において、新型コロナウイルスに係る行政検査(PCR検査や抗原検査)を実施した診療月については、次の2種類のレセプトを提出する
(1)PCR検査料・微生物学的検査判断料、抗原検査料・疫学的検査判断料が含まれないレセプト
(2)PCR検査料・微生物学的検査判断料、抗原検査料・疫学的検査判断料のみが記載されたレセプト(書面)

(#^ω^)< ナニイッテルノ?

新型コロナウイルスに係る検査料のみのレセプトを、書面で提出しなければならないという点が非常に面倒になります。ベンダーとの調整も必要かと思いますのでご留意ください。

▷3月診療分の公費補助について、従来では「医療機関から都道府県に直接費用の請求を行い、2件当たり定額の補助を行う」こととされていましたが、「3月診療分のうち、PCR検査に係る診療報酬が5月22日時点で未請求で、同日以降に請求が行われるもの」については、「審査・支払事務を社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険団体連合会に委託する」ことができる(都道府県でなく、通常のレセプト請求と同じく審査支払機関に請求可能

とここまでまとめてみました。1週間ごとに新たな情報が出ますのでこれからも注視していきたいと思います。まぁ契約していない当方には全く関係のないお話ですが、今後体制整備に努めてまいりますm(__)m

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