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旧版「月姫」遠野家ルート:リプレイメモ

きのこの2011再プレイメモ(月姫通信あ〜る収録)の足許にも及ばないことは承知ですが、なんせこっちはオリンピックを待つような気分なんだ。
どういう課題に取り組んでほしいかというビジョンを、我々も持っておきたいよね…… 。

翡翠ルート 

リメイクの中ボス、さっちんじゃないかもね(ノエル先生が返り討ちに遭ってもたのしいけど) 
飲酒イベント、やれるのか?未成年ぞ? 
翡翠がはじめて笑うシーンに声ついたらたぶんヤバい プレイヤーはそれだけで惚れる 
志貴さま長らくBZDユーザーだった(親近感!) 
年末は四人で国内旅行じゃ〜 たのしそう 
広場に行くのが琥珀だったり翡翠だったりする これはなぜ? 
新版で、槙久の日記を読むシーンはバディを組んで来ようネ!とシエル先生に言われたじゃん、見張り役と調査役のふたりでって。もしかしてあれ、志貴が見張り役に回って他の人間(みお等)に見せろってことなのかもしれん。 
翡翠(琥珀)のフェラチオを何に代替するか。 
言語攪拌(呪いこそ呪いを。)と、「しりとりが嫌い」の関係について。 
[一人きりのまま、自分に騙されて、死に至ったほうが、キレイだ。]←この台詞がめちゃくちゃ効いてるなんて、新版プレイしなきゃ気付けなかったョ…… 
推理小説の独白のように事情をまくしたてる翡翠、ちょっと手を入れないと不自然だろう。プレイヤー全員表側を読んだという前提があるなら、裏側はかなり端折れるはず。 
遠野志貴の初恋の人は翡翠というのを加味しても、翡翠と志貴の関係はすこし母子的すぎるのではないか。聖母崇拝的な。 
そして率直に、翡翠から志貴に向く矢印が幼馴染への心配から恋愛感情に転換する契機に乏しすぎると思う。 
あの素晴らしいアルクェイドルートリメイクの後にあっては、あらゆる性交渉が性急で軽薄なものに見えてしまう。直後のシエルルートですらそうなのだ。家族的な親愛感情からいかにプレイヤーの体験をずらしていけるか、あるいはそれをしないのかに、色々なものが懸かっている(とりわけ琥珀√はモノアモリックな恋愛関係への移行が必須と思われるが……) 
Hシーンのスケコマシ眼鏡くんを金本氏が演じるところ、聴きたくないというと嘘になる 
琥珀さんの知っていること、知らないことを峻別する必要性がある 
令和にときめきメモリアルは無茶でしょ 
CVがはいると不可能なミスリード演出がいくつかあるわね(志貴が琥珀さんっ!っていうまで呼び出したのが誰か確証がない、という演出にはできないね) 
なんで琥珀の新しい名前が七夜なのか、いまいちよくわかっていない。(抹消された七夜の代償行為かな?) 
狂気の相対性……ヴローヴの目を見て同類だと認識したリメイク志貴がふつうにハルオと対峙したんじゃ、もの足りねぇよな! 
「なんだーーーー聞いていた外見と、全然違うじゃない、か」これは琥珀が偽証していたというよりも、ハルオの中で恨みが増大するあまり志貴像が歪んでいたという意味合いの方が大きい。 
陵辱って、もはや死語じゃね? 
「翡翠ちゃんにだけはキレイなままでいてほしかった」という琥珀の貞操観念、どこからきたの?8歳の子供に生来備わっているとは到底思えないのだが。 
いくら琥珀さん本人が悪人じゃないと言っても、プレイヤーは、精神的に参ったら性的暴行するやつが親子揃うと一族郎党皆殺せという気持ちになってしまう。○○民族はレイパーの蛮族だ!みたいな。ひとはそうやって危険なものを遠ざけて安全圏に逃げてしまう。主張したいのは「反転の容易さ」なのに。これだけは絶対に回避しないといけない。だから、リメイクはこういう独白にならない。できない。 
こんな『占星術殺人事件』っぽかったっけ? 
いくら薬理に詳しくても朝鮮朝顔(気狂い茄子)から便利なお薬を抽出するのは無茶があるので、整合性をとるなら魔術的な要因を入れた方がいいけど、そうなると「アラク、てめぇ!」になってしまう(アラクが黒幕になってしまう)ので難しいね。 
てかリメイクでは槙久氏は植物学者だし謎の植物園(Garden of Sinners?!)もあるからどうとでもなるわ、ガハハ! 
でも「都合のいい狂い方」なんてものはないとおもうぜ、琥珀さんよ。 
「操りの問題」じゃんね。これで新版の出来がよかった暁には、いよいよもって法月綸太郎や諸岡卓真が月姫を扱わねばならなくなるのではないか。ぜひそうなってほしい。(法月さんKey作品にはちゃんと触れているらしいし……) 
内因性の双極性障害があるにんげんに外因(麻薬)をプラスしたらどうなっちゃうのかな。 
マーリオゥや蒼崎橙子といった人形師のモチーフをだしたうえで、琥珀さんが人形人形いうと、そりゃみんな操り手の方に意識を遡行させていくだろうから、どこかで阻害して、地に足のついた議論にしなくちゃいけない。人形の実在論の次元を尋ねるには、人形師もまた人形であることを確認せねばならないのだ。 
遠野家ルートって、シュタゲなんだよな。 
翡翠のミサンドリーが琥珀への義理立てに基づくものという理路も、ちょっとな。(ミステリ的な筋にも絡む良いエピソードなんだけど、翡翠さんがツイフェミに不人気ところは見たくないし、純粋享楽として志貴とスキンシップを取ることができなくなってしまう) 
「翡翠」「琥珀」「翡翠の役」などの多様な自己イメージが同一の名辞のもとにまとめられているのが、ミスリードの種でもあるが、シンプルに統率できていないと思うので、もういっそわかりやすく記号的に整理してしまった方がいい。“七夜志貴“なるものにわかりやすいヴィジュアル&ボイスイメージをつけたのだから、それぐらいやっても罰は当たるまい。シキと志貴の自他顛倒も、あんまり主眼じゃないならいっそ四季と呼んでしまった方がいい。 
それにつけても、ロードエルメロイⅡ世の事件簿アニオリ3話、30分ってことを加味するとめちゃくちゃうまくやっていたと思う。 

秋葉ルート 

秋葉が干渉するとシエル先輩も動く。 
弓塚の抹消に気づいて声を掛けてくるのは英語教師なのかー、そっかー、へぇ。。。 
「 ……そうか。まあ、あまり無茶はしないようにね。きみの場合、成績はいいんだから少しは休んでもいいんだぞ。多少のハンデがあっても問題はないだろうからね」←この台詞が茅野愛衣でしか脳内再生されないんだが!?(他はガッツリおっさんの口調) 
「ううん、そんなコトないけど……このパン、すごく大きくて、一口じゃ無理じゃないかな……」←下地秋葉が言わなそうな台詞 
病理学の概念を考えるとき、リメイクの2014年という時代設定がかなり生きてくる。2013年にDSM-Vが出版され、診断基準が改訂されているからだ。そもそも解離性障害じたい1994年のDSM-IVで導入された新しい概念である(それ以前はビリー・ミリガンを指して多重人格障害とか言っていた)。 
とりわけ躁うつ(双極性障害)はDSM4TR〜5改訂期に過剰診断が問題となっており、うつ病や精神病との鑑別が課題である。よって、何かと躁鬱と解されてしまう遠野親子には、もうちょっと別の診断がつくのかもしれない。人格障害がパーソナリティ障害と改められて便利に用いられた時代でもあるから、その辺で何か診断がつくのが妥当か。まあ、ふたりとも新旧同一の振る舞いをしているとは限らないのだが…… 
人格を一に統合して理解することはできない。とはいえ、優しさと凶暴さが入れ替わるなどの二元的な理解では、荒ぶる神に屈服する啓典の民と変わらない。多根的に理解しようとも辿れる根がなければ空無を掴むのみ。人が人を裁く審級は、実存的な契機に求めるしかないのだろうか。 
遠野秋葉で庶民文化無知シチュをつくるの、もうだいぶ無理な気がするんだよな。ビジネスパーソンをやってるなら尚更。機械に疎くてそれにコンプを感じてるのはギリ納得できるんだけど。なんでだろう、経験値先生のまんがのせいかな? 
奈須きのこ、ステイナイト以前は食事に全然興味ない説、ありますね…… 
そして、病理概念とかの更新以前に、まず旧時代的な狂人表象があんまり怖くないというのがある。徘徊、動物虐待、自傷行為はもはや凡庸な症状で、それだけではホラーの美的感覚を呼び起こさない。 
じっさい、リメイク表側の何が“怖かった“かって、「既知のシーン(原作で知ってる、あるいは前ルートで知ってるシチュエーション)における違和感」とか、「小さな誤解が見えないところで蓄積して爆発してしまいそうな不審な手触り」とか、「ときおり了解範疇を破断するかのようなモノローグが混線してくる」など……何か人の手にはあまるような原理を匂わせてくる、思弁的で宇宙的な恐怖じゃないですか。あれがコズミックホラーとしてとてもよくできているから、古典的なサイコサスペンスに立ち戻ったとき、人間心理の謎を煽り立てても畢竟仕方ない。遠野邸がびっくりどっきり館なのも煽りすぎて何が起きても「まぁそういうコトあるよね」となっちゃうし……業人・みお・阿良句の三人を使ってうまいことやらなあかんやろね。 
あとは地理的・空間的なギミックを緻密に掘り尽くしてみるというのもまた一興か。遠野邸と学校で完結する物語だからこそ、「パラサイト」みたいなことできるかもしれん。駅前広場の二義的な活用にはやはり痺れるものがあった。楼閣と遠野地下帝国の使い方に注目。 
「そうですか? 志貴さんは男の人なんですから、ちょっと乱暴でもどうかしてはいないと思いますけど。普段の志貴さんは大人しすぎるんですよ、きっと」←琥珀の歪みが凝縮されたいいセリフ 
衛宮士郎の「女の子なんだから」も、元より歪みを象徴する言葉なんだけど、後世にあっては構文に付着する嫌悪感が勝ってしまった。主人公に自己を同一化して読むというADVのタテマエを外せばなんてことはないのだけれど、タテマエに乗っかって読んでしまったユーザー(文脈を相対化しようにも参照できるサンプルが少ないひと)は大抵しんどい思いをしており、Fate/stay_nightの無差別布教はなかなか難儀なのである。 
ゲームの遊び方とか読み方はゲーム自体に彫塑されている必要があるな、というのを、リメイクの感想を漁って痛感する。かなりのひとがシエルEXを読んで満足しちゃう(極端な例では、マルチエンディング概念を知らないとアルクシナリオで満足しちゃう)。時間がないから後回しにしてるのかなとも思ったが、どうやらそうでもなく、BADを全回収する発想がなさそう。作り手側もBAD周辺は内輪ノリだしやりたい人だけやってね〜というスタンスだけど、次作を待ち遠しくおもう人が自然と次回予告にたどりつかないのは、不思議な現象だと思った。これは、もしかして、すべてを吸い尽くすには莫大な金か時間を費やさねばならない、そういうコンテンツに身を取り囲まれた世代の、恭順さとか学習性無力感の発露ではないか。つまり、何が言いたいかというと、ソシャゲは挫折を強要する悪い文明。 
恋愛ADVというタテマエが、誤読可能性を孕んだまま撹乱されていることにも目を向けた方がよい。“ヒロイン“の用法をとっても、「対象化された客体的攻略対象」の意味と「主体化された主人公[hero]の女性形[heroine]」の意味のあいだを往還しており、定まらない。「シエルシナリオなのにシエル先輩と良い雰囲気にならんやんけ!」とか言っても、批判としてまったく当たらないように上手く躱されてしまうだろう(恋愛ADVとは一言も言ってないのですが……というふうに)(なんなら、「おしえてシエル先生」をいったん全スキップしちゃえば、マジでただのビジュアルノベルとして遊べるからね)。 
……旧作の読解に戻る。 
“霊的な想念”概念は保存されるかな? 
あー、映像の視点っていう理路で秋葉が吸血鬼じゃないって気づくくだりあったんだ…… 
「兄さんだって自分たちの学校に豹やライオンがいたらイヤでしょう?」→だめだ、来るな!ここには豹がいるんだ! 
秋葉介護エンド、いまのきのこならもっと絶望的かつ耽美的に書けるハズ! 
翌年刊行の『鏡の中は日曜日』読んだときとかテンション上がったんじゃないかなぁ。 
そういや桜ノーマルって結局映像化叶わなかった(そもそも映像化する意味も薄い)んだけど、あれ、もっと多くの人の目に触れてほしいという気持ちはあり。下屋則子と田村ゆかりの二人朗読劇&象徴詩的表現でもいいからつけてほしかった気持ちがあるんだけど(概ね特典に付けるつもりが鬼滅でそれどころじゃなくなったんだろう)、秋葉ルートのリライト次第ではその気持ちも成仏すると思われます…… 

琥珀ルート 

コーヒーのくだりがあるから、なおさら遠野志貴の「仇敵」は遠野四季じゃないだろう、という気がしてならんのだよね。 
なぜか好感度パラを引き継いでいる秋葉 
「それで、あの女性とは性交なされたのですか?」は秋葉にとっては脈絡なく出てきた台詞ではないのだろうな。最低限のライフポイントを付与して、仕事忙しいけど一緒のタイミングに起きて飯食うんだ〜とおもったのに規定の時間に起きてこない、それが何回も続くんだから、なにか生命力を枯渇させることをしてると考える……(そして檻髪秋葉は琥珀と志貴が交尾してたのを知ると吐く) 
志貴がリボンは今の翡翠には返さねぇんだ〜って言ったときの桑原さんの演技、いまちょっと想像しただけで泣ける。 
琥珀ルートで秋葉が狂うのは先祖返りが半分、ロアの憑依が半分なんだ。シエルルートで、在来の欲望が増幅されるみたいな記述が、ここに生きてたんだなぁ。あんまり気づいてなかった。 
空気注射コワイ! 
恐怖描写として黒い虫とか蜘蛛が元から用いられているのだけども、たぶんこれ残すと紛らわしいので、改変するか、あるいは阿良句の陰謀を感じるシーンに変えるのだろう。 
リメイク琥珀は薬剤師の資格を持ってない。無免許でせん妄状態にしてくる奴になってしまう(志貴がせん妄になる要因いっぱいあるし、わざわざ一服盛らせなくてもよくない?むしろ薬理的に説明を付けてしまうことは、志貴の実存的不安とか常人と狂人のあいだに本質的な差などないのだという作品の主題を損ねてしまう気さえするのだが。) 
琥珀の境遇を知る→方便が言えなくなる(嘘を嘘で固めたら琥珀が救えなくなる)→秋葉に対して強情になる。動線はわかる。それにしても、志貴が「琥珀さんを助けたい」から「琥珀が好き」になる契機ってちょっと乏しいとおもうナ。補筆カモン。 
この濡れ場はカットしたらお話が破綻するシーンじゃんね。どうすんの。 
おそらく伝奇ものから引っ張ってきたと思われる初期きのこのえっちシーンは、脈絡なく過剰に肉体感を強調するっちゅうか、cgとも相まって筋肉が撓る音が聞こえてきそうな感じで前後シーンとミスマッチなことが多いんですけども、琥珀さんとの行為に仕込まれた床上手とウブさのmixはかなり情報量あって大事なシーンだから(「ーーーあはっ、出しちゃえ」)なんらかの形で保存or増幅されてほしい。 
「兄さんみたいな嘘吐きは、ここで死んじゃえ」←ここ『インテリぶる推理少女とハメたい先生』 
あ〜、ヴローヴが秋葉を公女って呼んだの、そゆこと……元々アッフェンバウムの原理と秋葉の異能って、似てるんだ…… 
本編ラストシーンはね、声がつくと思うだけで胸が熱くなります。ここも大筋は変えずに細部を盛る形でリメイクしてほしいなぁ〜。でも秋葉ルートと琥珀ルート入れ替えたらそない上手くいくかなぁ。やれるとしたら琥珀ルートの中に旧秋葉ルートの要素を入れて、新秋葉では丸っきり新しいことせんといかんくない? 
「 ……誰が。誰が悪かったわけでもないんだ。俺も、秋葉も、シキも、琥珀さんも。 ……誰が悪かったワケでもない、のに ーーー」←バナージ、悲しいね(槙久も入れてあげて……) 
いくら弱体化してるとはいえ、ロアの魂を飼い慣らして調教する秋葉さんこわいよ〜(タスケテ…タスケテ…)(アルクェイドやシエルとの衝突必至なんじゃないか?) 
お か え り な さ λ 
七夜の山、長野ではなくなるでしょうね 
うっ、うお〜 志貴くんは週二で琥珀さんとイチャイチャして、残り五日で秋葉と翡翠の相手をしなさいっ タナトスの花とは別に遠野家の女とか知らないけどたぶん全員抱いたぜシナリオとかfdにあってもよかったんじゃないですかっ みんなで結婚したらええねんっ ついでに阿良句先生と斎木も混ぜてあげてくださいっ 
……取り乱しました。

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