kennja
育てているコーヒーの木が久しぶりの新芽を出した。
新入りのクレソンは恐ろしいほどに白い根を張り巡らし、
引き出しの奥に潜んでいた貰い物のゴーヤの種は埋めてから2か月ほどして一つだけひっそりと芽を出していた。
エバーフレッシュは相変わらず太陽に体を傾け、ブルーバードとヒメカズラはゆっくりと自分の時間を過ごしている。
落ち葉が舞う季節がやってきた。
寒さが先行していて「急に秋が来た」とか「秋を越して冬がやってきた」とか街中では言葉が宙を舞っていましたが、
僕にとっては黄色赤茶色の世界からが秋です。
落ち葉を集めて火を焚き、焼き芋でも焼きたいところですが、
そんなことを許される場所が近所にはなく、
いつかはひっそりと誰にも知られず森の中でやりたいものです。
シカとかキツネたちと一緒に仲良く暮らすのもいいです。
最近、「風」について考えます。
今度出演する舞台の関係もあるのですが、昔から好きなものです。
鳥が飛ぶ姿や雲が流れる様子のそばに風があり、心地よさを感じるそばにはだいたい風がある印象です。
もちろん台風などの厄介なものもありますが、それは何事もそうでいい印象のものもあれば悪い印象のものもあります。
お菓子だって辛党にとっては、です。
風は、気温の変化の間に起きる現象というイメージです。無機質に言えば。
僕は無機質に考えるよりも少し色を持たせたくなってしまうタチでして、
「風」も想いを乗せたくなります。本質的な部分の変化を望んでしまうのかもしれません。
最近、素敵だなと感じた言葉がありまして
「風は亡くなった動物や人間の生まれ変わりなんだ」
みたいな言葉です。
言葉通りに受け取るというか、風に想いがのっている、または風とどこか繋がりを感じられるという点に魅力を感じたのです。
自分の横をだた通り過ぎるだけではない、意味のないものではない。
少し寂しがり屋な考えかもしれませんが、ちょっとばかし心に来たのです。
秋は特に風を感じる瞬間が多いです。
少しだけ、なぜか寂しくなるからでしょうか。
終わっていく世界の空気があるからでしょうか。
終わらないのに。繰り返し、循環するだけなのに。
またさびしい季節がやってきたんだなと金木犀に思います。
風がふわりと落ち葉を浮かせ、夕日の淡い赤を際立たせるいい季節です。
ora ora de shitoriigumo.
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