アーノルド・ローベルの蛙

とても久しぶりに年賀状を書いた。

上京してからもう二桁の年数が経つのだけど、年賀状は両手で、もしかしたら片手で数えるくらいしか書いたことがなかった。回数ではなく枚数である。

有難いことに遠くはるばる送ってくれる地元の友人だったり、律儀な友人が送ってくれるのだけど、
面倒くさがりで、忘れっぽい僕は、“送らない”“送り忘れる”という結果になる。
そうなると、もちろん送られてくる年賀状は減る。返ってこないやまびこが面白くないように、返ってこない挨拶に意味を感じなくなるように、年賀状も減る。(まったく全面的に僕が悪い)


というところで、今年は知り合いから年賀状を貰った。東京の友人で、この人はちゃんと毎年、ちゃんとハンコから作って、ちゃんと年賀状を送る人だ。
そんな話になり「年賀状をください」と言ったら、わざわざ送ってくれた。

ということで折角だからと、久しぶりに年賀状を書いたわけである。


結論から言うと、楽しかった。
年賀状を書いたというより、作ったに近いのかもしれない。

大量生産する必要もない僕は、ワードとかPCを使って作る必要がない。
だから無地の年賀はがきをコンビニで買い、そして100均でペンを買い、文房具屋で厚紙を買った。

小学5年生の図工のように、カッターとのりで切り貼りして、虎の縞模様を作った。
出来としては本当に小学5年生のような不細工なものになってしまった。
このままではまずいと、普段使わないようなペンでメッセージを書き、完成させた。

完成品のクオリティがどうかは置いておいて、
送る先の人のことを想像して何かを作るのは楽しい。
そのことを思い出せたのは本当に良かった。


とても気持ちの良い新年を迎えられた気がする。


あとは年賀状の感想がひどいものでないことだけ祈ろう。

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