DTMが上手くなったと感じた瞬間

こんにちは。himikoと申します。

ウクライナの件で不安な日々を過ごしています。未だに戦争という手段をとる人間がいることに驚きです。普段は世界のこと、政治のことは全く興味ないのですが、最近はよく調べています。コロナもオミクロン株なるものがいつの間にか出ていて…世間知らずにならない程度には調べないとだめですね。

私は普段、音楽制作をしています。休みの日はニュースも見ず、寝る間も惜しみ、食事すら忘れて作業することがあります。唯一の趣味と言いたいところですが、アニメを見る趣味がありました。ニニムちゃん可愛いですよね。

音楽制作の楽しみは色々ありますが、個人的には、人に反応を貰えた時が一番嬉しいです。感想を書いてくれたら一日中ニコニコするほど幸せです。

反応を貰う為には当然、皆に聞いて貰えるようクオリティの高い曲を作ることが重要です。しかし、音楽には色々な要素があり、クオリティが上がる瞬間、要素は人それぞれだと思います。

今回は、自分が「曲のクオリティが上がった」と思った瞬間と要素を書き並べます。私が勝手に思っているだけなので、それが本当にクオリティが上がったのかはわかりませんが、参考になれば、と思います。

※完全に打ち込みのエレクトロ音楽です。


その1 DAWの使い方を覚えた時

DAWとは音楽を制作するソフトのことです。私はCubase 9 Artistを購入しました。当然ですが、使い方から学ぶ必要があります。

自分の持っているDAWが出来ることをきちんと理解すれば、自分のアイディアを表現ができるようになります。逆に言えば、DAWを理解しなければ、いくらアイディアがあっても意味ありません。

楽器の追加の仕方、ベロシティやピッチベンド、オートメーションの書き方、プラグインの追加の仕方、etc…

まずはDAWの使い方を覚えましょう。


その2 コード進行を覚えた時

さて、曲を作る段階になり、アイディアを形にすると恐らく2パターンの曲が出来ます。

一つ目が大体既存の楽曲、二つ目がキーと展開がぐちゃぐちゃな楽曲です。当然ですが、わからない要素が多すぎるのでどちらかになると思います。

私はまず、スケール(キー)とダイアトニックコード、そして王道進行を覚えました。ここではダイアトニックコードを1~7の数字で表します。

王道進行は普通4-5-3-6という進行ですが、4-5-6-3or1も一緒に覚えていました。

このコード進行に合わせて、メロディは「(相対)ドレミファソラシド」で打ち込み、楽器の数を増やしたり減らしたりして展開する、という曲を作っていました。


その3 FX,Fillを使うようになった時

キーとコード進行を覚えたことで、ある程度聞ける曲を作れるようになりました。しかし、展開の仕方がわからず、楽器が増えていって盛り上がる、減っていって落ち着くしか出来ませんでした。

この、楽器が少ないところというのはあまりに味気ありません。そこで、Sweep, Impact, Ambienceを入れることを覚えました。とりあえず入れることで物足りなさが失くなります。それが良い効果を生んでいるかはともかく。

そして、こちらが一番大事です。Fill(フィルイン)。何かというと、曲が変化する際にかっこよく決めてくれるドラムです。

Fillを入れると、コード進行が変化せずともガラリと変化させることができ、様々な展開が作れるようになりました。これを知ってから、一気に垢抜けたと感じています。


その4 ジャンル通りに作るようになった時

EDMってジャンル多すぎて意味不明ですよね…というのは置いといて、曲を作るときはジャンルを意識しましょう。

勿論、明確にアイディアがあって独自の世界観・表現をする場合はジャンル”俺”って感じになると思いますが、そういう芸術家肌な人間以外は基本的にジャンルに則って作ることが大事だと思っています。

基本的にほとんどの楽曲はジャンル”俺”ではありません。既存のジャンルにオリジナリティが追加されているだけです。

(これは個人的な意見ですが、ジャンルにオリジナリティを追加しすぎた場合、淘汰されるか新しいジャンルとして成り上がるか、極端な評価になるのではないかと…)

なので、最初から「Future Bassを作るぞ」という風にジャンルを決めて作りましょう。すると、BPMは160あたりかな、とか、SuperSawはフィルターを8分音符で動かすとか、ブレイク-ビルドアップ-ドロップという構成だな、とか…全体的な形が決めやすいです。


その5 リファレンス(参考楽曲)を用意するようになった時

リファレンスを用意すると、音量バランス、楽器構成、またフィルの入れ方等、様々な点でお手本にできます。

例えばですが、私は「地平線ストライド (himiko bootleg)」を作る際に

「kawaii Future Bassのビルドアップってどんな風にすればいいんだろう?」

と思い、KOTONOHOUSEさんの

を参考にしました(この時点ではJersey Clubというジャンルを知りませんでした)。Hihatの入れ方や小さくて軽いSnareなど完全に真似する気で打ち込みました。ドロップのキメも真似してます。


その6 周波数で音を整理することを学んだ時

音は周波数で低い音、高い音が分けられます。ということは、低い音であるキック(バスドラム)やベースは低い周波数、ピアノ、ギター、ボーカルはそれより上の周波数、ハイハットやクラッシュシンバルはもっと高い周波数で鳴らそうね、ということをきちんと整理することが重要になります。

逆に言えば、ピアノやギター、ボーカルの低音成分は必要ありません。バッサリとカットしましょう。当然、ベースの高音成分は必要ありません。カットしましょう。

※しかしこれは失敗でした。カットしすぎはよくありません。→その13


その7 メロディの作り方を学んだ時

音楽理論と言えばコード進行、という風潮がありますが、メロディ作りにもきちんと理論があります。

メロディには経過音や刺繍音などがあり、これを学んだことで、「メロディにほとんど制限ない」ことがわかりました。

また、ペンタトニックスケール (ドレミソラのみ) を用いることで違和感のないメロディを作れること、シ→ド、ファ→ミ、ミ♭→レなどを適度に用いることでエモさを出すことを理解しました。


その8 マスタリングを覚えた時

初めて身内以外にフィードバックを貰い、「音割れがひどすぎる、まともにマスタリングしてない」と言われ、まともにマスタリングできていないことを知りました。

実は、音量が0dBを余裕で越えた状態でOzone 9のAIに任せるだけで、何もしていませんでした。

スクリーンショット (35)

まともにマスタリングをしたのが「HAPPY!!ストレンジフレンズ(himiko bootleg)」、まあこれも結局Ozone 9のAIに任せただけなのですが…きちんと音量を整えてからOzone 9のAIを使用しています。これ以降に作った楽曲は、酷い音割れはしてないと思います。

スクリーンショット (39)

そしてきちんと勉強してマスタリングしたのが、こちら。ボカロ曲を作りだしてからこのマスタリングを行ってます。

マスタリングで最も参考にしたのは、Mitchie Mさんの記事です。

コンプの設定、順番は完全にそのままです。

マスタリングでしっかりつぶすようになってから、音圧や質がかなり安定するようになったし、ついでにコンプレッサーやEQ, SaturatorやImagerなんかの使い方も覚えました。

勿論正解はないと思うので、これ以降も時々試行錯誤しています。例えば、「ペトリコールを渡って (himiko bootleg)」はリミッターをかなり深くかけています。結果音が割れてますが……。


その9 コード進行をパターンで理解した時

最も参考になった動画を紹介します。ただし、ダイアトニックコードまでは理解していないと分からないかもしれません。

特にチャプター3の「コード進行を”作る”?」からの具体例が非常にわかりやすく、ようやく王道進行以外の進行に手が出せるようになりました。

私が使い始めたのは恐らく「sweety glitch (himiko remix)」あたりからです。パッシングディミニッシュを使っています。

そしてこれを理解すると、コードを循環するような定番の進行と、繋ぎや変化のために用いている飛び道具的なコードの2パターンで理解できるようになります。

これにより一気にコードの学習が進みます。というのも、急にパズルゲームになるからです。セカンダリードミナントとは~、サブドミナントマイナーとは~、ではなく、「こういうときにこんなことしていいんだ、サブドミナントマイナーって言うんだ、へ~~~」という覚え方。

要するに、英文法を例文で暗記するみたいなもので、

Could you tell me the way to the station?

を覚えたら、「stationを変えるだけでどんな場所への行き方もわかるじゃん」「meを変えるだけで『〇〇に駅への道を教えてください』って言えるじゃん」ってことです。


その10 Cubase以外の解説動画が理解できるようになった時

「how to make (ジャンル名)」「(ジャンル名)の作り方」で検索して、ジャンルの作り方を調べると、FL StudioではLayerの仕組みがわからなかったり、Ableton LiveではVstがわからなかったりして理解し難いことが多かったです。

操作や表記は異なる場合でも、どういった処理をしているかわかると、自分のDAWではどうすればいいのか、手持ちのプラグインで何を使えばいいのかがわかるようになります。

そうなると当然ですが、数倍もの情報を得られるようになります。

分かるようになってからは、Youtubeで適当に漁るだけでかなり知識を得られるようになりました。

あとは英語を理解できれば完璧なんですが。


その11 空間を意識するようになった時

マスタリングをするようになってから、かなり耳が良くなってきて「HAPPY!!ストレンジフレンズ(himiko bootleg)」以前の曲がかなり音割れしていることがわかるようになってきました。

同時に、音がのっぺりしているのがわかるようになってきました。

今までReverb, Delay, Chorus, Pan振りをあまり意識せずにいたのですが、これらの重要性、特に空間における配置が重要です。

というのも、音作りでReverb等を使うことはあっても、全体のMIXで考えたことがありませんでした。

Pan振りをしっかりする、Reverbのかかり具合で奥行きを表現する。これだけでかなり空間が広く使えてる感じがします。

懸念点は、以前の音割れ問題と同じで、現状の耳ではきちんと聞き取れる能力があるのかという点ですね……。


その12 ジャンルを勉強した時

EDMってジャンル多すぎて意味不明ですよね…というのはもう一度置いておきます。

最近の楽曲は、複数のジャンルをまたぐことが多いです。ポップスではEDM Trapがぶち込まれたり、EDMでもセカンドドロップでジャンルが変わったり。

ここから知ってるジャンルの超個人的意見です。

2step × Future House/Future Bounceの相性激高。3連符だし。

PsyTranceは急に音数減る、かつ疾走感があるので、Future Coreと合わせたり、DubstepやFuture Bassのようなハーフテンポ系の後に差し込むのも良い。

Jersey Club × Future Bassの相性激高。ただしこれはFuture Coreと呼ばれてる気がする。

DubstepはFuture Bassと同じハーフテンポになるうえBPMも近しいので大体代替できる。そしてブレイクはBPM帯が同じであればなんでもいけるが、疾走感がある方がドロップのハーフテンポが映える。一番ありがちなのがFuture Bass × Drum & Bass。電音部の「幸せの魔法(feat. Jun Kuroda)」ガチで良すぎて皆にオススメしてる。

詳しくないのにすいません。間違ってたらすいません。


ジャンルがわかると組み合わせられるようになります。

例えば「Let Me Know (himiko remix)」で、2番の途中に差し込んだのは、JerseyClubをメインにTrap的な808ベース、DubstepっぽいハーフテンポのデカイSnare, Future Riddimなどで使われそうなリードを意識して作りました。良し悪しはともかく、多少新鮮な雰囲気があったと思います。

こういう挑戦的なこと、試験的なことができるようになりました。

ジャンルの特徴を理解したうえでオリジナリティを出したり組み合わせたりして、形無しではなく型破りなアイディアが出るようになった、のではないでしょうか……凄い恥ずかしいこと言ってる気がする…………!!!


その13 周波数で音の整理をしすぎないようにした時

最近気付いたんですが、「ピアノの低域はベースを邪魔している!」といって削っちゃうと、かなりしょぼくなることに気づきました。

大事なのは、譲り合うことなんだと……決して身を削ってどかすことではないのだと。そのことに気づきました。

ピアノの低域を多少EQで下げる(カットではない)。ベースの低域を上げる。

シンセベルを追加するなら、高域まで埋めているSuperSawの高域は少しEQで下げてあげる。

という風に、少しずつ譲り合うことで綺麗にMIX出来るな、と思いました。


その14 SuperSawのMIDを上げた時

SuperSawはかなり広い周波数帯を埋めてしまうため、ボーカルのいるMIDを基本的には下げていたのですが、MIDは恐らく上げたほうがいいと気づきました。特にFuture Bassで使われる、フィルターモジュレーションで刻まれてる派手な奴。「見えないからね!? (himiko bootleg)」のセカンドドロップではMIDをぶち上げました。

急に凄く小さくて細かい話になったのは、ここ数日の話だからです。


まとめ

今日までに「あ、曲のクオリティ上がった」と感じた瞬間は以上です。もし、気にしたことがなかった点があれば参考にしてみてください。

個人的にターニングポイントとなったのは、

その3 FX,Fillを使うようになった時

その8 マスタリングを覚えた時

その12 ジャンルを勉強した時

ですね。ここで次のステップに進んだ感じがします。


終わりに

最近は、ポップスを作る練習をしています。ギターが入れられないので難航していますが、星界ちゃんを買ったので迎え入れるまでには伴奏作っておきたい……。

ついでに大学卒業して、大学院生になりました。いぇい。


最後になりますが曲聴いてくれると嬉しいです。ニコニコです。

その辺に居るDTMerの拙い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

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