エチュード

少しぐらい痛みが伴った方がいい
この胸に突き刺さったものは
次の瞬間には僕の進むべき道標になる

この手に渡ってくる温もりを
当たり前のように思っていたんだ
君に出会うまでは
自分一人で生きてきたような顔して
街中でふと写る自分の姿が
違う誰かに見えたりした

二人には別の幸せがある
君はさよならにそう添えた
あのときの僕は君の優しさにさえ気付けずに

僕が僕になるために
必要な時間と人たち
歩き始めようとする度に君が遠くに見えていた
月が満ち欠けを繰り返すように
僕らは欠けたり満ちたりしながら
知らず知らずに自分を作り上げる
偽物にならぬように

君がくれた愛の大きさを感じながら
僕は僕だけの
強さを 幸せを紡ぐよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?