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鑑定士と顔のない依頼人

ジェフリー・ラッシュ、素晴らしい役者さんだ。
日本でいうところの山崎努さん。
ジェフリーさんだからこそこの映画は成り立ってると思う。
英国王のスピーチとはうって変わって、美しい依頼人に恋をして翻弄される鑑定士の役。
彼は自分の全てで彼女を愛し、彼女を立ち直らせようとしていた。
なのに、、、。
結末を言ってしまいたくはないので、というか文字にしたくない。
私には鑑定士の気持ちが痛いほど分かり、本当に胸がいたかった。
復讐してコテンパンにやっつけてしまえばいいのにとも思った。でも、鑑定士の心は傷だらけでもうそんな力は残ってない。
惨めで哀れだ。
だけど、私は例え届かなかったにせよ彼の真実の愛に拍手を送り讃えたい。
そしてもう一度立ち上がり、地位と誇りを手にして欲しいと願う。
そして、依頼人こそ哀れで惨めな人生を送ればいいと思う。
ただ、私が鑑定士の立場であるならもしかしたら死ぬまで彼女の幸せを願うかもしれない。
裏切られても裏切らない。
愛されなくても、愛し続ける。
ただ、そこに縛られないよう自ら手放さなくてはいけない。
過去を、執着を。

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