ブリザードミュージック

13年前、まだ高校生だった私には感じられなかった色んなものを感じました。
13年前と今回の再演、どちらにも出演してる役者が一人しかいない。
そして主役。
西川浩幸はあの頃から怪物みたいな役者だった。
誰よりも真面目で、役者という仕事を愛する人だった。
が、西川さんは病気の後遺症で昔のようにスラスラとセリフを言うことができなくなってしまった。
今日も所々、噛んだりつまったりすることがあった。
だけどやはり想いは誰よりも強かった。
セリフを上手く言えるとか、動きが機敏だとか、芝居ってそういうことじゃないんだと改めて思った。
そういう西川さんを見て、一緒に舞台に立っている役者たちが触発されているのは目に見えて明らかだった。
とりわけ、阿部丈二という役者は一番触発されていたに違いない。
私は阿部くんの芝居が好きだ。
阿部くんなんて言ってるけど私より歳は上だ(笑)
今、世界でディカプリオを抜いてダントツ一位で好きな役者さんだ。
変な言い方だけど彼の演技には嘘がない。
やらされてる感や言わされてる感がない。
全てのセリフが彼の中から出ている感じがする。
あとは存在感だ。
彼は浅野忠信と一緒で立ってるだけでいい。
顔が濃いとかじゃなく。
来年、劇団は30周年を迎えるそうだ。
考えてみたら私は人生の半分以上、キャラメルボックスとお付き合いがあるということになる。
もはや、身内のようだ。
他人とは思えない。
劇団というものを維持するのはすんごい大変だと思うけど、なんとか生き続けてほしいなぁ。
そしていつまでも私に異世界を見せてほしい。
そう願うばかりです。

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