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dairy:終の住まい

お盆
祖父母のいる長野県千曲市に滞在した際に、
少し足を伸ばして野尻湖、黒姫高原に行きました。


地図で見つけた小林一茶の旧宅へ。
小林一茶は信濃町の出身だったそうです。

母屋が火事で燃えてしまい、
最後はこの土蔵で暮らし、
生涯を終えたと書いてありました。


桁行方向3間、梁間方向2間の
たった12畳ほどの空間。

あまりにも簡素なのだけど、ただの土蔵とは違う
力強くありながら品のある土蔵の佇まいが
どんな思いで最後ここで生活していたのだろうと想像を巡らせずにはいられませんでした。

内部は土間、入口すぐには地炉が掘られていました
この地炉の形状もディテールが
なんともいえないセンスを感じます。
開口部周りのテーパーが
土壁の厚みや重量感を感じさせてくれます
唯一の窓。コルビュジェのロンシャン礼拝堂のよう。


それは仕方がなくここに住んでいたというよりは、
生きてきた人生の末に達した感性と思いをもって
黒姫山、野尻湖を望めるこの地で
自らここを終の住処にすることを選んだのかもしれないなぁ…と思いを馳せました。


土蔵ある通りは宿場町だったようで、
古い建物もポツポツとあって
昔宿場町だったであろう空気が少し残っていました。

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