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飢餓

眠るまでの記事。

土曜日の飲み会で、久しぶりに酷く酔った。
吐いて、後輩と先輩に介抱されて、迎えに来てもらって家まで連れて帰ってもらった。ベッドまで運んでもらって、起きたら嘔吐用のゴミ袋と水が置いてあった。店を出て道路で吐いてからはほとんど記憶が無い。目も開けられなかったし喋られなかった。指で部屋番号を伝えた。

こんな散らかった部屋に人を入れてしまったのかと、後悔する前に吐き気がした。3.4回目に、やっと液体だけになった。気持ち悪い、頭痛い。ほとんど吐ききった気がしたので、シャワーを浴びて、近所のドラッグストアへ。頭痛薬と胃薬、あとみかんゼリーを買った。もう午後3時にはなっていた。

もうこんな飲み方はしまい、と思う。
日付変わって月曜の早朝にあたる今も胃の不快感は消えない。
それでも、これからはもうこんなふうに呑まないけど、今回はやってよかったと思った。

酔った先輩後輩の、普段見れない顔。
いつも私に冷たいくせに『あなたの絵が買いたいんですけど、あなたの絵が欲しいんですけど!』とやたら熱く語ってきた後輩。
感情の起伏が少ない先輩が、何度も私の頭を撫でてくれたり、とろんとした目で手を繋いだり、おんぶしてくれた。

飲み会でそのまま男女の関係になるという流れが、なんとなく理解できた。潰れてしまった今回に限らず、私の身にそんなこと一切起こらず、未だ処女のまま大学四年である。

私はこれから休学するので、必然的に部活も停止するし、飲み会にも行かなくなる。アルコールが見せる幻覚を、最後に存分に味わえたので良かったとする。

吐くのは嫌いだし、凄く迷惑もかけたし、『よかった』わけはないんだけど。

基本的に寂しがりの私は、酔って、下心だろうと本心だろうと、好意を全面に出されて幸せだった。

シラフになれば誰1人私を選ばないし、こんなに愛おしそうに見つめてもくれない。シラフの状態でそんなことされたら、社会的にいろいろ困るので当たり前だが。

絵をきっかけに仲良くなった男の子が、集団の中で会ったときに、素っ気なかったことへのあてつけかしら。

ずっと仲良くて傷を舐め合うように支えてきたつもりの後輩が、知らないうちに彼女を作ってたことへのあてつけかしら。

以前デートを重ねて結局付き合わなかった人に、彼女が出来たときいたからかしら。

私が特別に大好きな女の子にとって、けれど彼女にとって私は大勢の1人に過ぎないと感じてしまったかしら。

別に、その誰にも恋などしていないのだけど。

『どうして私は選ばれないんだろう』

といつも思う。

誰でも良いから愛してほしい。
唯一で一番で狂ったように愛してほしい。

なんて戯言を呟いて、そろそろ寝ようと思う。