20230213 サン=テグジュペリと彼に憧れたパイロット
箱根の「星の王子さまミュージアム」が3月31日で閉館してしまう。老朽化に加えてコロナによる来場者減少とのこと。
昨年訪れた時に大きく印象に残ったのは、1944年コルシカ島から偵察飛行に出発し行方を絶ったはずのアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのその後を初めて知ったから。
ミュージアムの紹介も兼ねてちょこっとその話を書きます。
星の王子さまミュージアムは建物に古さは感じるものの、フォトスポットも用意されていて可愛らしい。
建物内では作者サン=テグジュペリの生涯を写真や資料とともに追うことができる。展示の最後は彼が最後の偵察飛行に飛び立った時のイメージになっている。
映像ホールで彼の生涯と星の王子さまの紹介映像が観られる。そこでサン=テグジュペリのその後を知った。1998年マルセイユ沖で偶然ブレスレットが漁師の網に引っかかった。それにはサン=テグジュペリの名前が刻まれており、これがきっかけとなり2003年地中海から機体の残骸が引き上げられる。
刻印された番号からそれはサン=テグジュペリのものだと判明する。そのことにより、誰がサン=テグジュペリの機体を撃ち落としたのかまでわかった。当時対戦国だったドイツ軍のパイロットによるものだった。映像ではサン=テグジュペリに著作に憧れてパイロットになったと説明されていた。
(参考にメゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンドHPを貼ります。ル・ブルジェ航空宇宙博物館のページに詳しく載っている。)
よりによって自分がパイロットに憧れた原点とも言える人を結果的に葬り去ってしまったことになる。
なにかを作り始めたきっかけは様々でも、そこには幸福な思い出がないだろうか。作品を通してとても大事なものを作り手とわかちあったような。だから憧れ、作りたいと思ったのではないだろうか。対戦国のパイロットの気持ちを思うと言葉もなかった。なんて悲しいことだと忘れられなくなってしまった。
と、これが星の王子さまミュージアムのことを書こうと思ったきっかけです。作って分かち合ってちゃんと経済が回って三方よしが一番いいし、そう望んでおります。
ミュージアムは今年の3月まで。もし機会があったら行ってみてくださいね(誰の回し者なんだ)。
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