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こうぼう…てんしのはしご

子どもの頃から空を見るのが好きだった。
習い事の帰り道、空を見上げては立ち止まり
とぼとぼとゆっくり家路に着いて

"遅かったわね?寄り道しないのよ"

とよく母に注意されたけれど。
季節や時間毎に変わる空の色や雲の形、空気感の違いを感じたりただただ自然の織りなす美しさに感嘆したり…そう言う事が今も好き。

一番好きな空の光景は"光芒"。
別名"天使の梯子"。
この光景を見ると母と私の愛するレンブラントの絵画を思い出すよ。
雲間から光が線の様にサア〜ッと差す現象。
信仰心はないけれど、もしかしたら神さまが
存在するのでは…と思う位心を揺さぶる。
人智を超えて自然の営みは計り知れないなぁ
といつも感動する。 

↓"エウロパの誘惑"レンブラント
*フリー画像お借りしました

美しいものや可愛いもの、感動する小さな出来事があるとつい誰かと共有したいなと思ってしまう。(興味を持ってくれそうな人に)
彼や数少ない友人に美しい風景の写真を送ったり"こう言う素敵な出来事あったよ"と。
そんな時同じ様な感想を持ってくれるととても嬉しいけれど、別の視点からの感想を言われても"ああっ、そう言う見方もあるんだね?"と良い意味で目から鱗な事も♡  
皆それぞれ違う感性を持っているのだしね?
*      *      *      *      *
時々刻々と変化する空のグラデーションや雲の形、風の吹き方や日差しの強さ…
時として人の気持ちや心も移ろいやすい。
皆抱えている物の重さや辛さも違うと思う。
ある日突然音信不通になった大切な男友達、
大学卒業のわずか3か月前に急死した友人や
ひと言も残さずに亡くなった母…
失ったものを数えると沢山あり過ぎて
世界の中にたった独り置き去りにされた様な
孤独を感じるけれど…


それでもワンコと麗らかな春の風景の中をお散歩してひと休みした公園のベンチから空を見上げて

"ねぇ、木漏れ日が綺麗だね?"

"わあ、雲の形が夏に近づいているね?"

と話しかけてしまうよ。
何も分からずにきょとんとした丸い綺麗な瞳が
じいっと私を見つめる…

"さぁ、ワンコ君、そろそろ帰ろうか?"

と少し気合いを入れて立ち上がった…

*読んでくださった方、いつもありがとうございます