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あいたいとつたえたらよかったのに…

日本神話では女神イザナミが亡くなり、イザナギは悲嘆に暮れて黄泉の国へとイザナミに会いに行く。
再会したイザナギはイザナミに一緒に帰って欲しいと請い願う。
イザナミは黄泉の国の神々に許可を求め相談し"決して私の姿を見ないで欲しい"とイザナギに言う。
…がイザナギはついに見てしまい、変わり果てたイザナミの姿に驚き妻の元から逃げ出してしまう…

西洋でもギリシャ神話に似たような話がある。
吟遊詩人のオルペウス(オルフェウス)は妻の
エウリュディケーが亡くなり、妻を取り戻す為に冥府に入る
(紆余曲折あって…)
冥界の王ハーデースとその妃ペルセポネーの前でオルペウスは悲しい音色で竪琴を奏でて妻の返還を求める。心打たれた冥界の王は

"決して後ろを振り返ってはならない"

との条件付きでオルペウスの後ろにエウリュディケーを従わせて冥界から送り出した。
が見え後少しで冥界からこの世へと戻れる
正にその瞬間、不安に駆られたオルペウスはつい後ろを振り返ってしまう…

*     *     *      *     *
"ああ、2時46分か?"

と何気なく壁の時計に目をやった。
8年前のその日まさにその瞬間母が亡くなった…今思うと"虫の知らせ"だったのかも知れない。
寄り添う事も看取る事もなく、たったひと言も残してくれずに。
その事が今も心に刺さった棘の様に私を苦しめる夜がある。
実家のワンコが亡くなった時でさえ母は私に知らせてくれなかった…とても愛して可愛がっていたのに。
淋しがり屋で涙脆い性格。
更にそんな経験からどんなに細く頼りなげな繋がりでも

"付かず離れずの距離を大切にしながら誰かと何かと繋がっていたい"

けれどある日突然、誰かが去って行ったり亡くなったりする悲しみをも知っている。
何の前触れも無く掴んだその手が離れて行く…
今もこれからもこの喪失感を抱えて生きて行くのかな?

だから今にも切れてしまいそうな細い""と言う糸でも、繋がっている人や物、ワンコに
そっと寄り添ったり心の中で静かにエールを送りたい。
そしてそっとして欲しい人にはきちんと距離を置く。

どんな嵐の夜にも朝が来て一条の光が差す…

さあ、またお祭り行こ?
今夜も炭坑節を踊るよ♪

*暗くてすみません、元気です♪
読んでくださった方、いつもありがとうございます