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ふとおもいだしたこうけい…

何かの弾みでふとある一場面を思い出す事ありませんか?
去年の秋の事だけれど家に帰ってTVを付けるとドイツのポツダムが映っていた。
ああ、そう言えば以前ベルリンに行った時に郊外にあるポツダムにも行ったなと感慨深く思った。
人口5、6万の小さな町と思っていたら、実際は約16万と知り驚いた。
サンスーシ宮殿や世界遺産のツィツェーリエンホフ宮殿等見所もあるけれど、全体的にこじんまりとした印象を受けた。

歴女なので1度はツィツェーリエンホフ宮殿を見てみたいと思っていた。 
閑散期の1月で館内ツアーはドイツ語ガイド付きのみだった。受付の人に

"いつもの倍の時間見られますよ"

と言われて嬉しくなった。
地元の親子連れ3人と私達と言うたった5人だけ…簡単な挨拶を交わしてアットホームな即席チームが出来たよ♡
ここでもベルリンと同様に

"あなた達何処から来たの?ドイツ語大丈夫?"

"日本だよ、東京。うん、何とかなるよ"

と笑顔で答えたけれどガイドさん訝しげ(笑)
あの有名な会談が行われた部屋に案内されて

"小さいんだね…"

と思わず呟いた。
日本の運命を決定する重大な話し合いが行われたとは思えない程、質素で静謐でそこだけ時間が止まったかの様な小さな空間。
何だかその部屋自体がグレーとも茶色とも何とも表現し難い色の薄いベールに覆われている様だった。
ガイドさんが私がドイツ語を多少話せると分かり、チラリと私を見て

"日本にとっては悲劇となる重大な決断がここでなされたのです…"

少し声を落として解説した。
細やかな事だけれどそのガイドさんの優しい
気遣いを感じたよ。

*フリー画像お借りしました

その後、サンスーシ宮殿の誰もいない閑散とした中庭をザクザク雪を踏みしめながら散策した。
突然何とも言えない淋しい気持ちになり胸が締めつけられ、はらはらと涙が溢れてきた。
70年前の歴史の重大な一場面に間接的にほんの少し触れた気がして…
*       *       *       *       *
時折あの寒かった1月のどんよりした空の色や
質素にさえ見えた宮殿の佇まいを、或いはベルリンのオサレカフェ"アインシュタイン"を目指して雪の舞うウンターデンリンデンを歩いた事を…
繰り返し繰り返し思い出しては胸が熱くなる。
数年後の今、ワンコがいるのでもうドイツには行けないけれど、今もこれからもあの光景は決して忘れないと思う。

今も変わらずドイツを愛している♡

*読んでくださった方、いつもありがとうございます