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うみよりもふかく、まだひかりはみえない…

*下書きから救済したnoteです

12月に入り冬本番に。
北の大地では白い贈り物が届いて銀世界とのニュースが伝えている。
大好きな季節なので気持ちは上がる筈。
なのに好きなお仕事でとても苦しく辛い出来事があり気持ちが上がらない…眠れなくなり食事も殆ど取れない程に。
そんな時にもワンコは彼の日常を生きているのでお散歩や部屋で遊んであげたり日々のお手入れをする。
いつもより長いお散歩に出て気づくと隣の区まで歩いていた事も。
プライベートを仕事に引きずる事は殆どない。
駅に着き通勤電車に乗ると"カチッ"とスイッチが切り替わるから。
けれど好きであるから故か?仕事をプライベートに引きずる事は多い。
出来得る全てを準備して日々勉強を重ね全身全霊で働いても、理不尽な要求や虐めの様なものはあるんだ…

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*フリー画像お借りしました、代々木公園

公園のベンチにぽつんと座りワンコを抱きしめて人知れずに泣く事も多い。
ふと見上げると冬空が余りにも蒼く美しくピーンと張り詰めた風が冷たい…ぐるぐる渦巻いていた息苦しい胸の詰まりをほんの一瞬だけ忘れた。
どこの世界にも世の中にも理不尽な出来事や不条理はあるんだ…悲しい程に。
*       *        *        *        *
帰りたくなくて、ひとり(と一匹)になりたくなくて小さな町をゆっくり2周する。
いつものカフェバーのテラス席に座ると青かった空がどんよりとグレーに変わり今にも雨が降りそうになる…
はじめましてのスタッフさんが"いつもの"を運んで来た、優しい素敵な笑顔、ワンコを見つめるその温かい眼差し…

"可愛いですね?お利口さんですね?"

のひと言ふた言にさえ涙が出る程に心が弱っている。スマホでお気に入りの曲をランダムに聴きながらも心ここに在らず…身体の芯から冷える思いで氷入りのサングリアをゆっくり飲む。
時々心配そうにアイコンタクトをして見上げるその丸い黒い瞳に

"大丈夫だよ…"

と小さく声に出して言う。小さな命のぬくもりがドクドクと音を立てて手に伝わり余計に泣けてくる…

生きているんだね…?

*      *      *      *      *
30分位ぼんやりとそんな風に冷たい12月の風に当たりながら過ごしていると、ついにパラパラ雨が降り出した。
ブランケットをワンコの身体に掛けているのでそれ程濡れはしない(ワンコは雨が苦手)
先程の笑顔の素敵なスタッフさんがテラス席に迄来て…

"雨降って来ましたね?大丈夫ですか?
良かったら中の席に…"

優しいね、本当涙が出る程温かいよ…
私を心底心配し励ましてくれる身内はひとりもいない、祖父母も折り合いの良くなかった母も早くに亡くなったから。
先月末から567感染者数が増えたので彼は再びホテル住まいに…本当に誰もいない。
目の前の小さな出来得る事を河原の小石を積む様に積み重ねて、短い命を刻む私の天使を守っていく…
私の感情の揺れや微妙な体調の変化をも察するかの様に寄り添うワンコにいつも感謝して。
静かな通り雨の上がった帰り道、草むらをくんくんすんすんしてワンコが久しぶりに四つ葉のクローバーを見つけてくれた。

ありがと…

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笑顔、えがお、エガオ…笑ってね?

そう言ってる気がした。

12月も良くない時も良い時も更に更に積んどく。

*皆さま、どうかご安全にお過ごしください
*読んでくださった方、いつもありがとうございます